保健師の採用先の分類/職場別の仕事内容

職業:保健師

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 「保健師の仕事」と一言で言っても、職場によって仕事内容が異なることが普通です。ここでは保健師の採用先を分類し、「採用先別の特徴」と「その職場における保健師の仕事内容」を見ていきます

 

自治体職員として働く行政保健師

 自治体の職員として働く行政保健師は以前に比べてその比率は減ってきているものの、現在も過半数を超えています。さらに行政保健師は「都道府県保健師」と「市区町村保健師」に分けられます。

 

 行政保健師は正職員であれば公務員ですので、各自治体の採用試験に合格する必要があります。採用試験は保健師の専門試験の他に公務員試験を課している所がほとんどです。30歳未満という年齢制限があるケースが多いです。

 

都道府県保健師の場合

 

 保健所配属となることが一般的です。保健所はおよそ人口30万人に1箇所設置するように保健所法で定められていますので、各都道府県によって保健所数は異なります。

 

 採用後はおおむね3~4年単位で各保健所に転勤となります(一般的な公務員と変わりません)。また各保健所でキャリアを積んだ中堅保健師以上になると本庁舎勤務となることもあります。

 

市区町村保健師の場合

 

 主に保健センター勤務となります。市区町村の人口規模にもよりますが、規模の小さな自治体は保健師の数が少ないため、まず転勤はありません。母子保健から成人・老年保健分野までを担い、地区担当制を取っている自治体が多いようです。

 

 人口規模の大きな自治体は保健師数が多いため、同一自治体内の違う部署(本庁舎など)に転勤することがあります。母子保健担当、成人・老年保健担当と事業を分担している自治体が多くなります。

 

  • 仕事内容について

 都道府県保健師と市区町村保健師は、業務内容は異なる部分と共通する部分があります。

 

 まず異なる部分について述べます。都道府県保健師は、感染症対策(各感染症の発生状況の把握・分析、公衆衛生維持のための施設への訪問調査、結核患者への服薬指導、食中毒が発生した施設への立ち入り調査及び指導)や難病対策(各難病患者の把握や分析及び訪問、関係機関と連携しながら患者会や研修会の企画・運営)、精神保健(心の健康相談、訪問指導、受診勧奨、措置入院などの入院関係事務、社会復帰の支援)を主に行なっています。

 

 また、管轄市区町村の健康問題を把握・分析をしながら、その市区町村保健師に教育・指導をしてフィードバックする役割も求められます。

 

 それに対して市区町村保健師は母子保健(新生児・未熟児家庭訪問、乳幼児健康診査、ハイリスク乳幼児へのフォロー)、成人・老年保健(特定健康診査・特定保健指導、運動教室・禁煙教室などの企画・運営、介護予防教室の企画・運営、介護認定調査)を主に行っています。

 

 次にそれぞれの保健師に共通する業務ですが、事務処理能力が求められます。予算書の作成、会議や研修の企画・運営に関わる資料作成、請求書の作成など、自治体の他の行政職と変わりません。

 

 

企業で働く産業保健師

 従業員の多い事業所(企業)では労働安全衛生法によって産業医を置くことが定められています。産業医と共に従業員の健康管理を担う職種の一つが産業保健師です。

 

 採用数自体はそれほど多くありません。求人は不定期でハローワーク、都道府県ナースセンター、その他転職サイトから出されることがほとんどです。

 

  • 仕事内容について

 従業員の健康管理を行います。生活習慣病予防や重症化防止のため、健康診断やその後の健康相談・保健指導、啓蒙活動(健康だより等の情報を発信)などを行います。

 

 メンタル不調の予防や早期発見のために、ストレスチェックやその後の面接指導・受診勧奨、啓蒙活動などの他、病気休暇中や復帰後間もない従業員へのフォロー(メール・電話・面接)を行います。

 

 また、体調不良者や外傷を負った従業員への応急手当、従業員の作業環境が適切かという視点で実施する職場巡視、定期的に開催される安全衛生会議の準備(資料作成など)を行います。

 

 業務は多岐に渡りますが、産業医や産業保健スタッフ、一般の事務職等と協力・連携しながら業務にあたります。

 

 企業規模が大きい場合は従業員が多く、産業保健師も複数名いますが、1人職場という企業もあります。産業医が嘱託医で常駐していない企業の場合は、応急処置などの際に「病院を受診すべきか」の判断を要求されることもあります。

 

 

医療機関で働く病院保健師

 高齢化や慢性疾患を抱えながら地域で生活する方の増加などによって、需要が高まっているのが病院保健師です。

 

 病院保健師といっても、採用・配属される部署によってその役割は大きく異なります。病棟部門、外来部門、訪問看護部門、健・検診部門と部門も多岐に渡り、介護保険法の改正によって地域包括支援センターで活躍する保健師も徐々に増えています。

 

 地域包括支援センターでは、保健師の他に主任ケアマネージャーや社会福祉士の3職種を原則配置することとされています。その中で、保健師は主に介護予防の分野を担います。

 

 いずれの部門も就業者数はまだ多くありません。求人は不定期でハローワークや都道府県ナースセンターから出されます。

 

  • 仕事内容について

 どの部門に配置されるかによって業務内容は大きく異なります。病棟、外来、訪問看護などの看護師が多く配置されている部門の場合、業務内容が看護師とほとんど変わらないということもあります。夜勤のある部門もあります。

 

 その一方で、転院・退院に向けた多職種とのやりとりや必要書類等の準備、対象者・家族への保健指導などの面で看護師と業務の住み分けを行っていることもあります。

 

 

教育機関で働く学校保健師

 保健師資格の所持者は、専門学校や大学で学校保健師として勤務が可能です。小・中・高等学校勤務を希望する場合は「養護教諭」である必要があるため、保健師免許に加え、養護教諭一種免許が必要となります(擁護教諭二種免許でも可能ですが、就業している養護教諭のほとんどが二種免許所持者です。)

 

 学校保健師、養護教諭いずれも採用者数が非常に限られていますが、転職サイトや都道府県ナースセンターなどから不定期に求人が出されています。

 

  • 仕事内容について

 小・中・高等学校に勤務する養護教諭、専門学校や大学に勤務する学校保健師の両方に共通する仕事内容について述べます。

 

 児童生徒及び教員に対する健康診断の実施、体調不良者への対応・応急処置、対象となる児童生徒の時期に代表的な健康問題を扱った啓蒙活動、心のケアなどを行います。

 

 

保育施設で働く保育園保健師

 保育士さんと共に園児の保育を行うほか、病児への一時的なケア、ケガをした児童への応急処置を求められることがほとんどのため、看護師としての臨床経験を採用条件に出しているところが多いです。就業者数は多くありません。

 

  • 仕事内容について

 保育士さんと共に園児の保育及び保護者へ対応を行います。体調不良児や外傷を負った園児への応急処置、啓蒙活動(保健だよりの作成など)を行うという点において保育士さんと業務の住み分けを行っています。

 

 園には保健師以外の医療スタッフはいないことがほとんどです。応急処置などの際は、乳幼児は症状を上手く訴えることができず、症状が悪化しやすいことを念頭に置きながら、「病院を受診すべきか」という判断を求められます。

 

本記事は2017/07/11の情報で、内容は保健師としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。

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