昔から女性の少ないゲーム業界
ゲームプランナーに限らず、ゲーム業界は非常に女性が少ない業界です。その理由は二つ有ります。一つは、そもそもゲーム業界を目指す女性が少ないということ、そしてもう一つの理由は、かつてはゲーム業界の仕事が過酷だったということです。
まず一つ目の理由ですが、現在に至るまでゲーム専門学校や大学のゲーム専攻の学生には、そもそも女性の志願者の数が男性に比べて圧倒的に少ないです。例えば、専門学校の入学時の学生が40人くらいだとすると、その中に女子が2~3名といったことはざらで、そのなかでもゲームプランナーとして就職する学生の数は更に少なくなり、必然的に女性のゲームプランナーは少なくなるのが現実なのです。
また、かつてゲームの主流がゲーム専用機で、インターネットが普及する前にはゲームの開発現場の仕事は非常に過酷でした。
現在はDVDでゲームを発売して、仮にバグが見つかったとしても後からネットを介して修正プログラムを簡単にダウンロードできるようになりましたが、かつてはそういったことが出来なったため、ゲームは出荷前に徹底的に不具合チェックを行う必要がありました。
そのため、ゲームプランナーのようにプログラミングが出来ないスタッフもその作業に借り出され、不眠不休の努力の末ようやくゲームが発売に漕ぎ着けるという状況だったのです。ただでさえ女性が少ない上に、職務が過酷過ぎることから結婚や出産などの状況で退職せざるを得なくなってその数がますます少なくなる、という悪循環が繰り返されていたのです。
スマホの出現により女性向けのゲームも増えてきた
このように、ゲームプランナーだけではなくもともと女性の少ない業界だったゲーム業界ですが徐々にその状況は変わってきました。
一番大きい変化は、スマートフォンの出現により女性のゲーム人口が増えたとことです。現在その多くは主に「乙女ゲーム」と呼ばれる恋愛シミュレーションですが、そういったジャンル以外のゲームも女性プレイヤーの数が増えてきたので、ゲーム開発会社でもより女性に受け入れられるゲームの開発を目指すようになってきました。
そういったゲームの開発には女性の視点が欠かせないため、必然的に女性のゲームクリエイターの数も徐々にではありますが増えてきました。またゲームプランナーも例外ではありません。
更に近年では、女性プランナーの中から自ら起業しゲーム開発会社の経営者になるようなケースも出てきました。今後ますます女性のゲームクリエイターの数も増えていくことが予想されます。
- 現場での作業は意外と地味?!
最近では企業側も受け入れ態勢を整え、育児や出産による休暇を取りやすくするなど、大手を中心に女性が働きやすい環境になるように努力を続けています。
また、ゲーム市場の中心がスマートフォン向けに移行し、発売日よりもゲーム中のイベントなどが重視させるようなスタイルにゲームの主流のスタイルが移行したことも、女性がより働きやすい環境になることを後押ししています。
とは言え、ゲーム開発の作業が楽になったかと言うと、決してそんなことはありません。ゲームを長く運営するスタイルが主流になると、日々新しいイベントや企画を次々と展開していかなくてはならないうえに、実際のゲームの開発現場は、重たい機材などをメーカーから借り受けて作業をすることも多いため、機材の運搬のような地味な重労働も少なくありません。
そのため、現場では女性であっても、ジーンズにスニーカーといった比較的動きやすい地味な格好をしている人が多く、男女関係無く面白いゲームを作るために日夜汗を流しているのです。
本記事は2017/06/23の情報で、内容はゲームプランナーとしての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。