総合電機メーカーのキャリアパス
総合電機メーカーでは様々な職種の人がいますので、全社員に共通する軸と職種別の軸でキャリアパスがあり、トータルとしてそれぞれが能力を発揮できるように制度をつくっています。
- 全社員共通の「管理職」としての評価基準
総合電機メーカーでは企業により違いはありますが、全社員全職種に共通する標準的な昇格、昇進の人事制度があります。担当からリーダークラスの主任や係長、管理職の課長、部長、事業部長から経営層などへ進んでいくのが一般的です。事務系のスタッフはこの制度で処遇されます。
管理職になっても課長、部長などポストは限られていますので、昇進する割合も当然のことながら減っていきます。役職は一度、任命されてもローテーションや適性により外れることもあります。職種によって、組織の大きさや人数が違いますので、責任や役割の大きさでさらに分かれていることもあります。
- 職種別の「専門性」に重点を置いた評価基準
総合電機メーカーでは全社共通の管理職としてのキャリアパス以外に技術職専用の人事制度を導入しているところがあります。高度な専門能力を磨き、育成していくための仕組みで技術力を強化し、多くのエンジニアのモチベーションを高めます。
総合電機メーカーでは管理職としてのマネジメントには興味のないエンジニアも大勢います。ずっと技術を磨き続けたい、製品づくりに携わっていたいという思いが強いからです。エンジニアの希望や特性を活かすことが企業としても競争力を高めることにつながります。役職名は企業によって様々ですが、担当から主任技師、管理職クラスの主幹技師、技監、首席技監など役員クラスまで処遇されます。
総合電機メーカーの人材育成の考え方
総合電機メーカーでは、個々の力を強化し、企業の未来を支える人材育成をしています。研修は新人から経営幹部まで階層別に用意されており、職種別にもスキルによってプログラムがあります。選抜研修も行っており、将来の幹部候補として育てることを目的としています。選抜研修の参加者から部長や事業部長、役員クラスに抜擢されることもあります。
もちろん研修だけでなく、実際の業務のなかで異動によるキャリアアップ、プロジェクトの参加、新規事業の立ち上げなどで経験の幅を広げたり、リーダーとしてチームを統率、まとめる力を養います。海外赴任によって海外の事業を経験することも育成の一つです。
マネジメントになってからも360度評価などで自分の強み弱みを客観視し、さらに飛躍することが期待されます。多面的に育成を行っていますので、いろいろなチャンスがありますが、一番は本人の意欲と情熱だといえます。