新聞記者の担当の分野は?
新聞記者には外勤記者と内勤記者があり、またそれぞれに役割が枝分かれしています。特に外勤記者の場合は、1人に最低1つの担当がつくこととなっており、また担当によって大きく取材内容が変わります。今回は外勤記者の担当について、どのような分野があるのか説明します。
- 記者になったら…まずは警察・教育などの社会系担当
多くの新聞記者が入社して一番初めにつく担当は、警察であることが一般的です。理由には、①数ある担当の中でも、いつどこで何が起きるか分からない警察担当が一番体力的にハードなため、記者経験が浅い(若い)うちに経験しておくべき、②担当の中でも通い続けることで比較的情報が取りやすいとされている、という事が挙げられます。
警察担当になると、事件事故が発生すれば夜中でも時には休みの日でも出動して取材を行わなければならないうえ、『夜討ち朝駆け』といって朝は早くまた夜は遅くまで警察官に取材をかけなければならないため、体力勝負となります。
社会系の他の担当には教育担当も挙げられます。教育関係では近年、特にいじめが全国的な社会問題化となっており、教育委員会だけでなく教育現場の実際の声にも耳を傾けて取材する必要があります。また社会系担当は同時にローカルイベントの取材も任されることもあり、1日の仕事量が多くなります。
- 熱戦を取材!スポーツ担当
ローカルのスポーツ結果からプロスポーツの結果まで幅広く取り扱うスポーツ面は、実に多くの読者が読むページですが、この面を担当するのがスポーツ記者です。
スポーツ記者は、中学体育大会や高校総合体育大会、高校野球の甲子園予選などといった地域の大会やローカルのプロスポーツを取材するほか、国民体育大会やインターハイといった全国大会、そして時にはオリンピックの取材に出ることもあり、取材場所が非常に広いのが特徴です。
スポーツ取材は、純粋に試合の勝敗や選手の努力を取材するものなので、他の担当と比べて取材対象との駆け引きがありません。しかし選手に密着して選手生命の進退を追ったり、夜遅くに終わる試合を取材して締め切りギリギリに原稿を書き上げたり、様々なスポーツのルールを覚える必要があります。
- 記者歴を積むと政治系を担当
社会系やスポーツ担当は比較的若い記者が担当するケースが多いですが、記者歴を積むと政治に関する分野を担当するようになります。この担当とは具体的に、選挙や政党といった政治そのものに関する取材を行う担当のほか、経済や福祉、農業、エネルギーなどがあります。
取材対象は各省庁や都道府県庁の担当課、政治家をはじめ、病院や農協や漁協、電力会社など担当によって様々です。詳しい取材内容はもちろん担当によって異なりますが、自分の担当課がどのような事業を行ない、どのような課題を抱えていたりしているのか、また選挙時には、どの政党から誰がどのような政策を掲げて立候補するのかなどを追いかけて報道します。
一般的な役所関係者はマスコミに対して積極的に情報を漏らさないので、情報をつかむのは非常に骨の折れる仕事です。
- 主婦層から熱い支持!文化系担当
新聞というとビジネスマンや男性の方が読むイメージがあるかもしれませんが、主婦やシニア世代などからの支持が厚いのが、料理や囲碁、将棋、文芸、ファッション、音楽などといったカルチャーに関する文化面です。この面は文化系記者が担当します。
文化系記者の仕事で特徴的なのが、取材だけでなく著名人やその道のプロなどに寄稿を依頼して編集者のような仕事もするということと、そして時にはアーティストやタレントなどに直接会って話を聞く機会があるということが挙げられます。
こうすると華やかな仕事に見えるかもしれませんが、文化系は他の担当よりも事前の準備を入念に行わなければならないため裏での苦労は多いのです。
本記事は2017/05/30の情報で、内容は新聞記者としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。