転職への準備としての資格
ヨガインストラクターに転職しようと思う場合、まずヨガスクールの開催する養成クラスや、講座を受け、資格取得や認定を受けるという人が多いです。
ヨガの資格を発行する団体は世界中に様々あり、知名度の高いものもありますが、ここ数年のヨガブームの影響も受け、その種類と数はかなりの勢いで増えています。ヨガインストラクターは国家資格などではないため、誰もが資格を発行することができる点も理由のひとつだと考えられます。
ただし、中にはが明らかに不十分な内容の講座で認定書を発行するようなスクールも出現しており、資格や認定証の信頼性やレベル感にはかなり幅があるのも事実です。資格取得を志す際には、注意して選択しましょう。
ヨガインストラクターの転職に有利な資格は?
- 全米ヨガアライアンス(RYT)
最も知名度が高いという点では、「全米ヨガアライアンス(RYT)」認定があります。90年代に設立したアメリカのヨガ団体が発行するもので、質の高いインストラクターや指導者を育成するために作られた認定資格です。
認定をもらうためには、ある程度の基準があるため正規の認定スクールで規定の時間のレッスンを受講する必要があり、全米ヨガアライアンスRYT200は200時間、RYT500では500時間のカリキュラム内容をクリアする必要があります。内容も幅広く、取得には短期集中でも20日以上、通常は数ヵ月~数年かかります。また費用も30万円以上を設定しているスクールが多いです。
- 日本の認定資格や各流派の資格、海外留学プランも
また日本でもヨガの普及に伴い、認定資格を発行する国内団体も増えてきました。代表的な団体はNPO法人日本YOGA連盟、一般法人全日本ヨガ協会(AJYA)、社団法人日本ヨガインストラクター協会(JAYA)などになります。他にも、それぞれの流派(アシュタンガヨガ・アイアンガーヨガ・クリパルヨガなど)での資格取得コースを行うスクールや、海外での認定も行われています。
また最近では、短期間での資格取得を目的とした海外留学とセットになった、ヨガ留学プランも人気がみられます。
- 資格取得の費用と時間
どのコースにしても、費用面は数万円から数十万円がかかります。もっと本格的に本場のインドやニューヨークでの最新の技術を学ぼうと思えば、数百万円というコストにもなります。また、コースによっては段階を踏んで何度も試験を受ける必要や、ヨガインストラクターとして認められるのに数年を必要とするものもありますので、自分の目指すポジションや内容をよく吟味して考えましょう。
また逆に、数時間でとれる、1度講座を受ければ資格を出す、という手軽なコースでは、安全性や信頼性を確認し、安易にスクールを選ばないよう注意が必要です。
- 知名度の高さでは「全米ヨガアライアンス(RYT)」が挙げられるが、認定には相応の時間と費用がかかる。その他国内団体や各流派の資格取得コースもある。
資格だけにとらわれないことが大切
ヨガの資格は、とにかく数も種類も多いこと、その内容も全く異なるのが実情です。企業によっては、自社ヨガスタジオの卒業生や養成コース認定者を優遇する場合はありますが、転職者を受け入れる条件として、資格取得を絶対条件としているところは少ないです。
ヨガを教える、伝えるということは、資格があればできるものでもありません。あえて資格や認定をとらず、自分の経験と資質で素晴らしいレッスンをしているインストラクターも大勢います。履歴書に資格を記載するのは良いことですが、自分は有資格者だという姿勢を前面に押し出すのはマイナスな印象を持たれかねません。
ヨガインストラクターの資格取得は、ビジネス資格のようにとらえることなく、自分の学びの一環、経験の一つとして持つ、という気持ちを忘れないようにしましょう。
本記事は2017/05/25の情報で、内容はヨガインストラクターとしての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。