内勤・外勤などの新聞記者の種類は?
一般的に「新聞記者」と聞くと、事件や事故の現場に急行したり、記者会見などに出席する報道部の記者を想像する方が多いでしょう。しかし新聞記者といっても外勤にも複数の部署があり、また内勤で紙面づくりに貢献する記者もいます。ここではは新聞記者の種類について、内勤と外勤に分けて紹介します。
- (1)報道、文化、写真…外勤記者もさまざま
外勤記者にもさまざまな種類の記者がいますが、ここでは3種類の外勤記者についてお話します。
まずは、冒頭でも書いた「報道部の記者」です。他社との激しい競合の中で各都道府県の政治や地域情報、スポーツなどを日常的に取材し、突発的な事案にも対応します。日によって行う仕事内容は違うので、刺激にあふれる仕事ではありますが、決まった休みが取りにくいハードな仕事でもあります。
2つ目は、「文化部(文芸)記者」です。囲碁や将棋、文芸、釣り、芸能、ファッション、子育てなどといった趣味・ライフスタイルにまつわるジャンルを幅広く担当します。文化部記者も報道部記者のように自ら取材に行くことがありますが、文化人に執筆依頼した原稿を編集する、編集者のような仕事も行うというのが特徴的です。
3つ目は、「写真部」です。写真のプロでないと撮影が難しいスポーツやイベント、自然災害などをはじめ、幅広い場面の写真を撮影します。写真部はただ写真を上手に取ればいいというわけではなく、時には記事の執筆もしなければなりません。
- (2)縁の下の力持ち「内勤記者」の種類とは?
外勤記者が上げた大量の原稿をさばく内勤記者にも、いくつか種類があります。
まずは「デスクと校閲」についてです。基本的に記者が挙げた原稿を一番初めにチェックし、修正するのがデスクで、デスクを経た原稿をさらに細かく確認するのが校閲です。デスクも校閲も原稿の事実確認はもちろん、日本語のミスがないかなどを厳密に確かめます。ミスがあると新聞の信頼が損なわれてしまうので、非常に神経を使います。
次は記事の紙面配置を決める「整理(編成)部」です。日によって、整理部一人ひとりがどこの面を担当するかが決まり、担当となった面の記事配置と見出しを考えます。いくら元の記事がいい内容でも、見出しによっては読者の関心を引かないこともありますし、反対にいい見出しがきっかけで多くの人が記事を読むこともあるので、読者と新聞をつなぐ非常に重要な部署です。
最後3つ目は「編集本部と論説委員」です。論説委員は主に社説を書き、編集本部は翌日の朝刊でどの記事をトップに掲載するかなど紙面掲載の全体を指示する非常に大切な部門です。いずれも長年記者を経験したベテランの記者が担当します。
内勤と外勤、常にお互いの連携が必要不可欠
新聞記者は一度外勤、もしくは内勤に配属されたからといって、ずっとそのままという訳ではありません。採用1年目は内勤で、翌年から外勤になる場合もありますし、数年外勤記者を務めた後に整理部やデスクを経てずっと内勤という人も少なくありません。
お互いの仕事内容を理解し合い、コミュニケーションをしっかり取ることで仕事を円滑に進めることができるのはもちろん、自分の希望の配属先があれば情報交換して上司に相談をすることで叶う可能性は十分あります。
新聞社は報道だけでなく、営業や事業に携わる部署もあることから「職種のデパート」と言われていますが、記者ひとつとっても実にさまざまな種類があります。そのような環境の中でやりがいを持って仕事をするには、常に目標をもって努力することが大切です。
本記事は2017/05/24の情報で、内容は新聞記者としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。