ヨガインストラクターの転職時の履歴書・志望動機・自己PRの書き方

職業:ヨガインストラクター

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 ここでは、ヨガインストラクターの方が転職時に書いた2例の履歴書をもとに、書き方の注意点やポイントを解説していきます。また、転職時に多い志望動機や、自己PRで注意すべきポイントもあわせて紹介します。

 

 

【例文1】一般事務員(在職中)からヨガインストラクターへの転職を希望する38歳Aさん(女性)

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 平成12年に短大を卒業し、平成12年4月にサービス系大手企業入社、一般事務として勤務。同社が経営するレジャー施設での現場担当やスタッフ管理などを経て、平成30年現在も就業中です。趣味で通っていたヨガに魅力を感じ、平成27年にインストラクター資格を取得したことを機に、一般事務からヨガスタジオでのインストラクター募集に応募する事例です。(今回は業務委託契約で、スタジオが設定したヨガクラスを担当するインストラクターの求人に応募した例です。)

 

①免許・資格

平成27年3月 ヨガインストラクター 取得

 

②特技・趣味・得意科目など

実際の文章

「体を動かすことが好きで、学生時代はテニスや水泳、就職してからは仕事帰りにフィットネスやジムに通っていました。そこで行われていたヨガクラスを体験したことから、ヨガの魅力を感じて、10年前から市内のヨガスタジオに通っています。他のスポーツやトレー二ングとはまた違う魅力があり、体を鍛えるというより心を癒す効果を感じています。その後もっと本格的に学びたいという想いから、ヨガインストラクター養成講座を受講し、資格も取得いたしました。」

 

  • 特技や趣味はただ「スポーツ」や「ヨガ」などと書いても深みがなく、学生時代や就職後に続けていた理由、経緯とともに自分の想いが伝わる文章が望ましいものです。どうしてヨガを選んだのか、他のスポーツとはどう違うと感じているのか、ヨガへの想いなどを盛り込みましょう。ヨガを好きだという気持ちとともに、インストラクターを単なる趣味の延長として考えているのではなく、本格的に学びを深めてきたという結果を併せて伝えることが重要です。
  • ヨガインストラクターという職業は、スポーツトレーナーとは異なる要素も含みますが、趣味や特技として体を動かすスポーツなどの嗜好があることは、体力的な安心感を与えアクティブさをアピールできるという点でメリットがあります。また生徒にインストラクションをするという能力が必要とされるので、仕事や趣味でも人との交流が多くチームワークやコミュニケーションの必要がある場にいたという事があれば、インストラクターへの資質につながるので、ぜひアピールすべきところです。

 

③志望動機

実際の文章

「長く事務職として仕事をしていましたが、数年前から現場での接客や管理の仕事も任されやりがいも感じていました。その中でも、お客様と接してダイレクトに感謝をいただくことにとても喜びを感じました。その後、仕事を続けるうちに企業という枠から出て、自分個人として誰かの役に立つ仕事をしてみたいという想いが強くなり、直接お客様や生徒さんに向き合えるインストラクターという職業に惹かれました。

 

 ヨガインストラクターを選んだのは、自分がヨガを学んだときに体だけでなく心のケア、精神的な部分までの深い癒しがある素晴らしさを感じたことと、昨年取得した資格を活かしたいと思ったからです。また自分も学生時代からスポーツや運動で健康を維持してきた経験から、体を動かすことが健康につながるのだと身をもって実感しておりますので、ヨガを続ける効果を多くの方に伝えることができると自負しております。

 

 業界や形態は違いますが、これまでの接客経験を活かし、技術的な部分だけでなく、生徒さんとのコミュニケーションにも自信をもっております。また30代という人生経験を積んだ今だからこそ生徒さんに伝えられる要素もあると思い、ヨガインストラクターへの転職を希望いたしました。」

 

  • ヨガインストラクターという仕事は、「資格を取ったから」「自由度が高そうだから」という理由で転職を希望する人も多いのですが、そのような理由だけで続けていくのは難しい仕事です。インストラクターという仕事は、ひとりで成り立つものではありません。生徒とのコミュニケーションはもちろん、ヨガスタジオなら運営スタッフや同僚のインストラクターと上手に付き合っていく必要があります。ベースには個人の技術や資格があるに越したことはありませんが、資格を持っているからといって高い評価を受けられる世界でもありません。ヨガのよさを実感していることと同時に、人とコミュニケーションがとれる人間であることをはっきり伝えましょう。
  • 過去の経験や仕事で学んだこと、また一見デメリットにも見える年齢や人生経験もメリットに変えて、自分がヨガインストラクターになったら何ができるのかというポイントを整理して伝える事が重要です。

 

④本人希望記入欄

実際の文章

「ハタヨガ系のクラス担当を希望いたします。初心者向け、プライベートクラスにも対応することができます。」

 

  • 今回は業務委託契約の求人に応募した例ですが、正社員として受付や運営にかかわる業務が付随する場合、了承できるのか、希望職種がある場合などは記載しておくとよいでしょう。詳細は記入しなくても問題ありません。
  • クラスジャンルの希望、自分の持っている資格名、担当可能なクラスなど、技能や対応可能な内容を記載しておけば、先方とのマッチングがしやすくなります。他に報酬に歩合がプラスされる場合やレッスンキャンセル時の対応など気になることがあれば、詳細を面接の際に聞くとよいでしょう。

 

【例文2】ジムトレーナーからヨガインストラクターを希望する27歳Bさん(女性)

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 平成23年3月に専門学校を卒業し、同年4月にスポーツ用品メーカーに就職、平成25年3月に退社しました。その後、登録派遣社員としてアスレチックジムでマシントレーナーとして働き、現在も就業中です。平成25年7月に関連企業の研修でヨガインストラクター養成講座を受け、ジムのイベントとしての不定期ヨガ講座を担当しています。ヨガインストラクターとして大手フィットネスクラブの正社員採用を希望する事例です。

 

①免許・資格

平成22年11月 普通自動車第一種免許 取得
平成25年7月 ヨガインストラクター資格 取得

 

②趣味・特技

実際の文章

「ジョギングやウォーキングを日課にしています。料理も好きなので、休日には野菜をたっぷりつかった料理やスムージーを作って楽しんでいます。」

 

  • 直接、資格や職業に関わることでなく日常に関わる趣味を書く場合でも、仕事の幅に役立つと思われる行動や学びに結びつくような書き方をしましょう。ヨガに来る方は健康志向が高い方も多いので、運動に関する趣味がなかったとしても、料理やボディケア、アロマなどに知識があれば、コミュニケーションに大いに役立ちます。
  • 大勢でするスポーツが苦手で、一人で黙々と頑張れるようなジョギングやマシントレーニングが趣味であっても、集団行動が苦手と捉えられるような書き方をしないようにしましょう。フィットネスクラブは大人数で運営されていくものなので、チームワークや団体行動も問題ないという印象は必要です。

 

③健康状態

実際の文章

「良好。」

 

④志望の動機

実際の文章

「実際にスポーツや健康に関連した現場で働きたいと思い、現在はジムトレーナーとして働いています。派遣社員の立場ではありますが、ヨガの社員研修も受けさせていただき、トレーニングマシン利用者の方へのダイエットプランのアドバイスや、ヨガ講座も担当しています。その経験を活かしもっと多くの方の健康へのお手伝いができたらという想いから、貴社のインストラクターを志望いたしました。ヨガレッスンを担当したい希望はございますが、マシンインストラクター、スイミングインストラクターなど他のアクティビティにも幅広くチャレンジし、また運営全般の業務に全力で向き合っていきたいと思っております。」

 

  • 今回は大手フィットネスクラブの正社員採用に応募する場合です。転職経験がある場合も、どうして今の仕事を選んでいるのか、それぞれの就業経歴で得たものや自分自身が成長できたと感じていること、そして今後どう役立つかを伝えられるようにしておきましょう。転職理由についても、現実的には体調を崩して退職したということも多いですが、マイナスイメージにつながる場合は避けたほうが無難です。ただしヨガインストラクターの場合は、ヨガを通じて病気を克服した、体調を取り戻した経験からインストラクターを目指す人が多いのが現状ですので、ポジティブなストーリーであれば、面接時にその旨を伝えることもよいでしょう。
  • また、フィットネスクラブなどジムや他のスポーツ施設に応募する場合は、ヨガだけでなく、他のレッスンや業務分担も受け入れられるか、他の職員と一緒に仕事をやっていく気持ちがあるのかも判断材料とされます。自分はヨガインストラクターだから、他の協力はしない、フロントや清掃の仕事はしたくない、などという考えがあるようなら、正社員としての採用は難しい可能性も出てきます。特に大手フィットネスクラブ等は運営全般の業務をこなす姿勢が求められ、本人の協調性も問われるところなので、面接では広く業務をこなす意志のあることもアピールすると良いです。

 

⑤本人希望記入欄

実際の文章

「給料:貴社規定に従います。」

 

ヨガインストラクターに多い志望動機

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 ここ数年のヨガブームを受け、ヨガをする人が増え、単なる愛好者からより深い学びへ移行し、養成講座などにチャレンジする人も増えてきました。その状況に伴い、自分でヨガを楽しむだけでなく「ヨガインストラクターとして働きたい」と思う女性、男性は年々増えています。元々は別の仕事をしていたけれど、ヨガを続けるうちにその魅力にはまり、自分でも人に伝えたい、教えてみたいという気持ちが育ってくる人が多いです。

 

別業種の仕事から未経験で転職

 転職する前の仕事は、同業種よりもむしろ異業種で全く別の職種をしており、インストラクターとしては未経験、という人も目立ちます。1例目の履歴書を書いたAさんのように、例えば一般事務やIT系、金融関係など、一見ヨガとは縁のなさそうな職種や、以前は運動や健康とは縁のなかった人がヨガインストラクターへの転職したという話も聞くものです。 このタイプの人には、ストレスフルな職業からの変化、体を動かすことが少なく不健康な職場からの変化を求め、不規則、不健康な仕事からヨガを通じて自分の生活もより良く変えたい、という想いを持った人も多いです。

 

 ヨガインストラクターになる条件としては、前職が何であろうと基本的に問題はないですし、資格や実務経験がなければなれないというものでもありません。ヨガインストラクターの募集は、未経験者歓迎の求人も多くありますから、以前の職業が全くヨガと関係がなくても、なりたいと思えばヨガインストラクターになることができます。

 

 なお、ヨガスタジオへの転職を希望する際に注意しておきたいのは、求人自体が比較的少ないため狭き門になることが予想されるということです。この場合は、ヨガスタジオの受付やフロントなどの運営スタッフからチャレンジし、インストラクターをサポートしながら日々ヨガに触れ、将来的に自身もインストラクターを目指す、という選択肢も頭に入れておくとよいでしょう。

 

関連業種からの転職

 同業種、ヨガに関連する職種としては、マシンインストラクターやフィットネスクラブ、スイミングスクールなどスポーツインストラクターの経験者もいます。スポーツやトレーニングの一環として、ヨガのクラスをもつ施設が多いこともあり、身近にヨガを体験できた環境でもあるようです。2例目の履歴書のBさんのように、仕事の延長でヨガに興味を持ち、資格を取って教えるようになった、職業上のスキルアップのためにヨガを学んだ、という人も少なくありません。

 

 ヨガインストラクターの仕事はただ自分がヨガをするだけでなく、体や健康の知識があり、人に技術を伝える、また人とのコミュニケーション能力も必要な職業ですので、スポーツインストラクターと似通う部分もあり、転職先として選ばれやすい仕事でもあります。

 

 志望理由としては、若い頃はマシンインストラクターやトレーナーをしていたが、ヨガの魅力を感じ、ヨガにもっと携わってみたい、年齢や体力的にも負担のないアクティビティに移行していきたい、ということが挙げられます。

 

共通するのは「自分の経験からヨガの良さを伝えたい」という気持ち

 前職や経験がどんなものにしても共通して多いのが、「自分の体への効果を実感した」「ヨガをすることで自分の不調が改善した」という経験です。肩こりや腰痛の改善、女性の不定愁訴や頭痛やうつ、ストレスからの脱却、自分が悩んだり苦しんだりした経験をヨガで改善した、という実体験を理由にヨガインストラクターを目指す人が圧倒的に多いです。

 

 同じ悩みを持つ人を助けたい、自分が良いと感じたことを人に伝えることは、とても大きな喜びになります。ヨガインストラクターへの転職理由には、仕事に喜びとやりがいを感じたいという強い想いがベースにあるのかもしれません。

 

  • スポーツ関連のみならず、全くの異業種からヨガインストラクターを志す人もいる。ヨガを通して心身の状態が改善した実体験から転職を志望する人が多い。

 

ヨガインストラクターの転職と自己PRのポイント

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 どんな職業であっても、転職時に自分の資質や資格などアピールすべきことを整理しておくことは大切です。特にヨガインストラクターの場合は、技術的なスキルと性格や経験からなる資質も重要視されるものです。転職時に履歴書やエントリーシートに書くべき自己PRを大きく二つに分けてみます。

 

① ヨガのスキル、技術的な背景

 まずは、いわゆる「資格」といわれるものがあります。

 

 ヨガインストラクターには、取得しなければならない公的な資格はありません。よって資格を持っていなくてもインストラクターとして活動することは可能です。とは言っても、採用時にはその人の判断材料のひとつとなるものなので、各ヨガ団体が認定しているもの、自分の通っているスタジオで認定されたものなど、取得した資格名を正式名で明記しておきましょう。

 

 ヨガの資格として代表的なのは、全米ヨガアライアンス(RYT)認定です。アメリカの団体が認定したヨガスクールなどで定められた時間の受講で認定証が発行されます。現在、知名度としては最も高いものなので、取得している場合は必ず記載しましょう。他にもヨガに関する資格や認定は、各スクールでかなり多彩な名称で発行されています。専門的なジャンルのヨガや大手スクールでの知名度の高い認定などは、自己PRでのメリットとなります。

 

 ただし、逆に知名度のない個人が発行したものや、短時間で手軽にとれる認定などを安易に記載すると、スキルレベルが低いとみなされる場合もあります。転職先に必要性があるか、自分の資格はどう判断されるのかをよく考慮して、履歴書に記載することが大事です。

 

② 師事した指導者も重要

 ヨガの場合、資格名や認定名がなくても、「誰からヨガを学んだのか」にもポイントがおかれることがあります。あえて商業的な「資格」や「認定」を発行していない有名指導者もいます。必ずしもディプロマ取得に固執する必要はなく、師事した指導者名を記載する、という書き方もあります。

 

 世界的に有名な指導者や、日本のトップレベルといわれるインストラクターなど、知名度のある指導者に師事した場合は、記載しておくのもアピールになります。

 

ヨガインストラクター向きの資質PRを

 前述の通り、ヨガインストラクターには資格が不可欠ではありません。それよりも経験や、その人の持つ資質がヨガインストラクターに向いているのかどうかがとても大切にされます。

 

 例えば、「ヨガの思想や哲学に関する知識や考え方はどうなのか」、「人とコミュニケーションがうまくとれ、生徒に好印象を与えられるか」なども判断基準となります。自分はなぜヨガをしたいのか、何を伝えたいのかを明確にし、独りよがりでない周りとのつながりを意識できる性質を持っていることを表現しましょう。

 

 学生時代に参加していたサークルやクラブ活動、社会人になって参加した趣味やPTA活動なども、コミュニケーションスキルのアピールのひとつになります。ヨガの技術スキルばかりにこだわらず、調和のとれた自己アピールをしていく事が重要です。履歴書や面接の場では、「ヨガという思想」も大切に考えて自己表現してみると良いです。

 

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  • ヨガのスキルや技術レベルを示す資格に加えて、著名な指導者に師事した経験もアピールになる。

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本記事は2018/03/19の情報で、内容はヨガインストラクターとしての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。

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