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ヨガインストラクターの年収・給料は雇用形態によって格差あり
ヨガインストラクターの収入には、個人によってかなり大きな開きがあり、実際の収入にはかなり格差があります。トレーナーやマシンインストラクターと違い、「ヨガ」自体に種類やジャンルが多く、仕事も多彩に存在しているので、報酬基準も画一的ではありません。よって、働く場所、内容、また経験値や知名度により報酬金額は千差万別といってもよいくらいです。
有名な指導者なら別ですが、一般的なヨガインストラクターの場合、収入に大きく差が出るポイントは「働き方の違い」になってきます。
- 社員として会社に雇用される
- フリーランスとして活動する
雇用される場合は、ヨガスタジオやフィットネスクラブなどの企業で、正社員か契約社員として勤務する形になります。フリーランスの場合は、ヨガスタジオなどと業務委託契約を結び、1レッスン毎や歩合などで報酬を得ることが多いです。担当レッスン数やレッスン毎の参加人数によって収入も変化していきます。
社員雇用のヨガインストラクターの年収・給料
月額固定の安定収入が得られる
ヨガスタジオや大手フィットネスクラブ、スポーツジムなどに正社員として雇用される場合は、毎月の給与として安定収入が確保できます。ヨガを継続してやっていきたい、ヨガ講師として働きながら安定した生活費を稼ぎたいという人は、ヨガスタジオ、フィットネスクラブへの就職を選ぶことが多いです。好きなヨガを仕事にするというのは理想的であり、好きな仕事を長く続けていける環境でいたいという希望を持つ人は多いものです。
複数店舗を構える大手のヨガスタジオとしては、「LAVA」「カルド」「スタジオ・ヨギー」「ヨガプラス」など、フィットネスクラブやスポーツジムは「ティップネス」「コナミスポーツ」「セントラルフィットネス」などがあります。ここでは幾つかのヨガスタジオの中途採用情報を確認してみましょう。
◆LAVA(株式会社LAVA International)中途採用の求人
(ヨガレッスンのほかスタジオ運営全般(販売接客やフロント業務)を担当)
(出典:「マイナビ転職」※2018年4月11日時点の調査情報)
◆カルド(株式会社INSPA)中途採用の求人
(ヨガインストラクターと施設運営業務の両方を担当)
(出典:「CALDO」採用情報 ※2018年4月11日時点の調査情報)
このように月額固定の給料として提示されることも多く、首都圏や大都市圏なら月額19万~30万円程の給料で求人が出されていることが多いです。地方都市や郊外になると、施設数の減少とともに求人自体も圧倒的に少なくなり、競争率は高くなりがちです。給与額面も少し安価になり、正社員で月額17万から22万円程度が主流となっています。
地域差はあるものの、ヨガインストラクターとして正社員で雇用された場合、手当などを含めた基本的な年収としては250万~400万円程度ということになります。
当サイトに寄せられた、ヨガスタジオ勤務のインストラクターの実際の給与明細もあわせて確認してみます。
愛知県在住の29歳、ヨガスタジオのインストラクター3年目で、約330万円の年収を得ています。月給ベースでは19万3千円、手当なども整っている様子です。
ヨガインストラクター歴13年の37歳女性、東京の大手ヨガスタジオ勤務でインストラクター兼店長を務めています。年収は430万円弱、月給23万5千円ほどと比較的高い印象ですが、店舗運営や売上管理などの業務をこなしたうえでの給料です。
参考ヨガインストラクターの給与明細をチェック!
ヨガインストラクターとは、ヨガ教室やスポーツジムで生徒にヨガのポーズや呼吸法を指導し、生徒の健康促進するとともにヨガの楽しさや魅力を伝えていく仕事です。ここでは、ヨガインストラクターのリアルな給与明細をご紹介します。
交通費・手当・保険などの補償などの安心感
雇用先の規定にもよりますが、正社員ならば交通費は支給されることがほとんどです。自宅から職場に通う費用も毎日となると、かなり高額となってきます。フリーのヨガインストラクターがレッスンに出向くためには、交通費は自己負担の場合も多いので、正社員はその点でもメリットがあります。
他には、給与にプラスされてレッスン回数ごとに手当が支給される場合もあります。多くのスキルをもち、数多くクラスを担当できるようになると、手当も増え収入もアップできます。
また、大きな企業であれば、家族手当、住宅手当など、生活面のサポートも充実度が高くなり、社員として保険加入もできているなら、将来の安心も増します。インストラクターにとって、ケガや病気の時に失業するリスクは常につきまとう心配となりますので、万が一のときの補償は大きな安心につながります。
LAVAのインストラクター中途採用のページで諸手当や福利厚生を確認してみると、下記のように手当が整っていることが分かります。
(出典:「LAVA 公式採用サイト」※2018年4月11日時点の調査情報)
また、正社員として雇用されれば、生活費の確保ができるので、安心してヨガインストラクターの仕事に打ち込めます。集客や営業、広告などの負担を個人で抱えることもなく、自分のクラスにお客様が来てくれることになります。もちろん店舗としての集客や営業は必要になりますが、個人での集客力と企業での集客力とは大きな差がありますから、より多くの生徒や参加者に指導する機会にも恵まれます。
収入面以外のデメリットも念頭に
安心してヨガを仕事にできる職場はとても魅力的ですが、デメリットについても考えてみます。社員として働くとなると、まずは決まった出社時間、決まった退社時間に縛られることになります。さらに場合によっては残業を課されることもありますし、休日も思い通りにとれるわけではなくなります。つまり、生活に自由度が減り、曜日や時間に縛られる生活が始まることになります。
ヨガスタジオやフィットネスクラブでは、平日も土日祝日も稼働しているところも増えています。また早朝から深夜までニーズが増すのに合わせて営業時間も長くなってきています。社員はシフト制をとなっている勤務も多く、時間が不規則になりがちです。家族との休日が合わなくなるといった不自由や、主婦や小さい子どものいる女性にはシフト勤務自体が難しい場合もあります。
また、トータル業務のスタッフとなり、ヨガだけでなく事務的な仕事や清掃、フロントなど雑多な仕事も付加される場合もあります。苦手な分野の仕事をこなす必要も出てくるので、精神的な業務負荷はあるでしょうし、多くの人と一緒に働くことになるため人間関係も複雑になり得ます。
また全国組織の企業であれば、転勤などの状況に置かれることも考えられますし、遠方の本社での研修が義務付けられる可能性もあります。
補足:ヨガインストラクターのアルバイトの求人と時給
ヨガスタジオではフロントや企画営業に携わるスタッフ、店舗スタッフをアルバイトで募集することは多いですが、名称として「アルバイトのヨガインストラクター」という募集はかなり少なく、求人情報もあまり見かけません。 時給は地域によりますが、一般的なアルバイトと同額から、千円以上の時給が設定されていることが多いです。担当ヨガクラスの回数により、週1日から時給での報酬を得ることになります。
こちらも求人サイトで確認してみると、「アルバイト・パートのヨガインストラクター募集、時給1,010円~(研修中960円)+スキル手当+レッスンフィー」の情報が見つかりますが、やはり求人数は少ないです。
(出典:「YOGA job!」※2018年4月11日時点の調査情報)
なお、フィットネスクラブやゴルフクラブなどが、顧客向けのサービスとして開くヨガ教室などではアルバイトでヨガインストラクターを募集することはあるようです。
- 正社員のヨガインストラクターの年収相場は250~400万円程度。交通費や諸手当、保険なども完備されていることが多く、安心して働きやすい。
- 一方で正社員として働くことのデメリット(ヨガインストラクター以外の業務が増える、勤務形態の自由度が下がる)も念頭においておく。
フリーランスのヨガインストラクターの年収・給料
他にも同じヨガスタジオやフィットネスクラブでヨガクラスの時間だけ仕事をする業務委託契約や、派遣登録という働き方もあります。フリーで数社のヨガスタジオを掛け持ちするインストラクターや、スタジオ専属のインストラクター契約、どちらもあります。ほかにもカルチャースクールの定期講座のヨガ講師というケースもあります。
このスタイルで仕事をしている人も多く、経験が浅い場合や、家庭との両立やダブルワークという働き方を選ぶ人にもメリットのある仕事のスタイルです。
この場合、1レッスンあたりの単価×受け持った回数分が報酬となる、または、参加人数につきいくらかの取り決めで歩合制となる場合があります。
業務委託契約の場合
1レッスンの単価・時給の相場
ヨガスタジオやフィットネスクラブでのヨガのクラスを受け持つ場合、1レッスンあたりの単価が提示される業務委託契約の形態が多いです。相場としては、60分から90分の継続契約で、1レッスンあたり数千円~1万円程度です。先にも挙げたLAVA、カルド、スタジオ・ヨギー、ヨガプラスなどの大手をはじめ、小規模のヨガスタジオも、各社のHPや求人サイトでインストラクターの募集を掲げています。
参加する人数やレベルの高さ、求められる専門性も様々ですが、初心者向けのゆったりしたクラスから、産前産後リカバリーや妊婦さん対象のマタニティレッスン、本格的なアシュタンガクラスなど高い専門性が要求されるクラスになると、単価も高くなる傾向にあります。
実際にインストラクターの求人サイトを調査してみると、下記のように「1レッスン60分、3,500円(交通費込)」や、「1レッスン5千円~1万円、ヨガ指導未経験の場合は3,500円スタート、交通費別途支給」などの募集がみられます。
(出典:「YOGA job!」※2018年4月11日時点の調査情報)
単純にヨガをしている時間で時給計算すると、時給千円~1万円となり、一見、高時給にも思えますが、クラスの始まる前後の準備と片付け、移動時間、レッスン内容の事前構想から生徒さんのアフターフォローまでが付随することもあります。さらに、1日に多くても2~3回、また毎日クラスを持たせてもらえるスタジオは少ないので、決して安定した収入とはいえないのが実情です。
他にはヨガスタジオやフィットネスクラブにインストラクター登録をして入り、ヨガレッスンを担当するというスタイルもあります。ただし、講師の空きがなく、なかなかクラスを持てないなど、不安定な部分が多いこともあります。こちらも時給での契約、または業務委託契約の場合が多いです。
人気のバロメーター?歩合制
もうひとつ、歩合制で収入を得るというスタイルもあります。クライアントとの交渉になる場合も多いですが、レッスンを行った際の参加人数1人につきいくらもらえる、という契約です。こちらも業務委託契約のケースが多いです。
求人サイトを検索してみると、「歩合制1人500円~(最低保証額あり)、最大8,000円程度」といった募集があります。他にも、金額の記載はありませんが「歩合制・最低保証あり」という求人は数件見つかります。
(出典:「YOGA job!」※2018年4月11日時点の調査情報)
有名インストラクターでなければさほど高くはなく、相場も幅広いですが、参加者1人あたり500円~数千円程度で、人気が出て参加者が増えれば収入も増えるという計算になります。
他には、最低保証として固定金額(千円~5千円など)に、歩合制でインセンティブをプラスするという方法をとっているスタジオもあります。1レッスンに10人参加した場合、固定報酬千円+(歩合500円×10名)=6千円ということになります。インストラクターになりたての人、まだ生徒が少ないクラスなどの場合でしたら、最低収入が見込めるのはとてもありがたい方式といえます。
派遣登録という働き方
また、まだ数は少ないですが、都心を中心にヨガインストラクターの派遣登録を募集する企業があります。最近では福利厚生や健康対策として、オフィス内でヨガを行う企業も増えてきています。そういったニーズに応えるべく、主に出張ヨガを業務とした会社が多く、登録された数人から数十人のインストラクターが企業やヨガイベントに派遣されて、ヨガを行うといったものがあります。また自社イベントの中でプログラムのひとつとしてヨガ教室を開催し、集客につなげるというイベントヨガもあります。
派遣登録をしておき、仕事の依頼があれば指定の場所へ出向きクラスを行い、報酬を得るという流れですが、報酬額にも幅があり、時給や1レッスン毎の換算で払われることが多いです。単発開催の場合では1回あたり数千円~数万円程度の料金設定をしているところが多く、会社規定による分がヨガ講師の収入となります。
ただし登録しても全く依頼が来ないこともあり得ますし、登録が有料の場合や指定の有料のヨガ講座受講を必須としている場合もありますので、よく確認した上で登録先を選定しましょう。
収入が安定しづらい点に注意
毎日コンスタントにクラスを担当でき、長期で契約をもらえて、数をこなせば収入もアップしますが、実際には、毎日レッスンを受け持てるインストラクターは少なく、週1回~月に1回程度で活動している人が多いのが実情です。定期的にクラスを持ったとしても、年収に換算すると5万円~50万円程度であることが多いです。
また、ひとりで行う以上はケガや病気の場合のリスクが高いこと、また契約期間も比較的短いものが多いため、レッスン毎の時給や歩合での報酬となると、収入の安定が保証されないのがデメリットです。業務委託や歩合制の場合、ヨガの仕事だけで食べていく、というのは現実には難しいところもあります。
ヨガレッスンの価格相場はかなり幅が広く、報酬の支払い方法もパターンが多いので、働く前には、しっかりと雇用条件や給与形態、契約を確認しておくことが大切です。ヨガと他の業務との割合、拘束時間や交通費など細かい点も含めて考慮して、自分の希望の仕事スタイルを探してみましょう。
補足:副業や兼業、自分のサロンを開くケースも
ヨガインストラクターの中には、フリーランスならではの不安定な収入を補うために副業や兼業をしている人も珍しくありません。勤務日時などの自由度が比較的高い職業ですので、副業はしやすいです。また、自分の求めるヨガを形にするべく、ヨガスタジオやサロンを開く人もいます。この場合はレッスン単価を自分で設定しますので、収入は幅広いものとなります。
参考ヨガインストラクターのダブルワークに関する質問
現在、ヨガインストラクターをしています。とはいっても、資格をとったばかりでまだ駆け出しのフリーインストラクターとして活動中している程度で、知人に紹介してもらった月に3回ほど公民館での市民講座が定期...
- フリーランスの場合、業務委託契約の年収は5~50万円程度と様々。1レッスン毎、参加人数1人毎の金額を設定する支払い形態も多い。
ヨガインストラクターが高収入・高給与を得るには?
今やタレントやモデル、プロのアスリートから転職したヨガインストラクターも登場する時代となりました。そのような有名人でないと高収入を得るのは難しいと思われがちですが、ヨガ業界では、知名度がない一般人や経験値の少ない転職インストラクターから始めて高収入を得ている人もいます。
技術だけでなく「先生が魅力的」「クラスの雰囲気が良い」といった理由から生徒を多く集めるヨガインストラクターはとても多く、他にもヨガの流行を取り入れたヨガクラス、高級感を重視したプライベートレッスン、指導者養成コース、アスリートやモデルの専属トレーナーなど、高額な年収を得る人も多く存在しています。
また機会を得れば、イベント依頼やDVD、書籍の出版、テレビや雑誌など活躍の場が広がる可能性があります。ヨガインストラクターは、自由度が高く、自分のアイデアや努力次第で職場や展開を広げていく楽しさと、収入アップの可能性もある職業なのです。
では、実際にヨガインストラクターが高年収を得る働き方のパターンを紹介します。
正社員で安定収入を得る
前述の通り、正社員の場合は月給制で安定収入が得られます。さらに大手ヨガスタジオであれば各種手当や賞与、昇給なども見込めますので、経験年数を重ねることで年収が上がっていきます。
LAVAの中途採用ページを見てみると、年収例として「勤続10年、月給約38万円」との記載があります。この企業は年1回の業績賞与がありますので、例えば賞与が2ヵ月分と仮定すると、年収500万~600万円に届く可能性もあります。
(出典:「LAVA 公式採用サイト」※2018年4月11日時点の調査情報)
フリーランスで高収入を目指す
業務委託契約の場合、通常は1レッスン数千円程度の単価となりますが、人気ヨガ講師であったり、専門家としてネームバリューがあるインストラクターなら、1レッスン数万円以上でのオファーもあり得ます。
他には、特殊なスキルの必要なヨガや流行のヨガクラスなど特徴のあるものなら、単価も高くなってきます。例えば、マタニティヨガ、セラピーヨガといった医療と関わりの深いものや、また空中ヨガと呼ばれるエアリアルヨガといった特殊な設備が必要なものは、単価も少し高い傾向にあります。
単価が高ければ収入は上がりますが、参加者が多く持続性がなければ総収入はアップしません。流行にも左右されますので、業務委託契約での収入には安定感は欠けるものとなります。
パーソナル対応のヨガインストラクターで高単価を狙う
富裕層を相手にしたサービスとして、パーソナルヨガ、プライベートヨガと呼ばれるスタイルも定着してきました。スタジオやスポーツクラブでの大人数でするヨガは苦手な方や、忙しくて通う時間がないといった方、そして自分だけのメニューやアドバイスを受けオリジナルなヨガをしたいといった要望から、1対1でのヨガレッスンも行われています。
プライベートサロンでのマッサージのようなイメージで、一人のために時間をとり、その人に合った特別なプログラムが提供されるため、高額な単価となっており、1レッスンで5千円前後から数万円程度の料金設定となっています。(※こちらは生徒さんが払う金額ですので、ヨガインストラクターのフィーは所属ヨガスタジオの契約などによって異なります。また、完全に個人でヨガ講師をしている場合は、全てが自身の取り分となります)
(出典:「ヨガスクール kSaNa Yoga クシャナヨガ」※2018年4月11日時点の調査情報)
(出典:「ヨガプラス」新宿スタジオのプライベートレッスン料金 ※2018年4月11日時点の調査情報)
プライベートレッスンは、インストラクターが出張して自宅に来てくれる場合や、ヨガスタジオでフロアを貸し切りにして個人レッスンを行っているところもあります。人気ヨガインストラクターとして多くの固定客がつくようになれば、年収は数十万から数百万という高収入にもなってきます。
経営者や、高収入を得ているビジネスパーソン、その家族にプライベートヨガは人気があります。個人的な体の悩みの解消や、ビジネスでのストレスを解消する目的でヨガをする方も多いので、自分にだけにフィットする特別な指導での健康維持にはお金を惜しまない、という方も多いです。
- ヨガスタジオなどの正社員は安定収入が見込める。業務委託でも人気インストラクターになったり、流行のものや特殊なヨガを担当すれば高単価が見込めるが、安定しづらい。
- 富裕層ターゲットのプライベートヨガやパーソナルヨガは単価が高い傾向にあり、多くの顧客がつけば高年収も可能。
本記事は2018/04/13の情報で、内容はヨガインストラクターとしての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。