他の職業から再び保育士に戻ることは可能?
保育士は一般の事務職や営業職などとは全く違う業務です。接する相手の年齢、勤務時間や業務内容まで、被る部分はほとんどありません。保育士を志し、養成校を卒業した後に一度は保育士になったものの、その激務さや人間関係に悩んで保育士業界から離れる人も少なくはありません。しかし、一度保育の世界を離れて他の職業に就いて、再び保育士として現場で活躍したいと考える人もいます。
他職業から保育士に戻る事は可能です。保育士はなかなか人が集まらず、人手不足が深刻な職業の一つでもあるので、ブランクがあっても就職先に困ることはなかなかありません。保育士は保育園をはじめとして、施設、託児所、アミューズメントパークなどに付属している託児所など、様々な場面で活躍出来ます。雇用形態も選ぶことが出来、正社員、将来的に正社員を目指す契約社員、派遣社員、パート、アルバイトと様々です。
- 保育士は慢性的に人材が不足しているので、一度他の職業に就いてブランクがある場合も比較的復職しやすい。
他の職業からの復職で心配な点は?
- 体力面
他の職業から保育士に戻る際の不安点としてよく挙げられるのが、体力面です。保育士は一日中子ども達の指導と援助に追われます。それはどの保育園・施設でも共通しています。また、小規模の施設などでは、掃除を1人で受け持たなければいけない事に加えて夜勤もありますから、殊更体力は必要となります。
しかし、体力をそこまで必要としない職場も中にはあります。体力に不安を覚えた場合は、まずはそういった環境で保育に慣れてスキルを身に付けるのが良いです。例えば乳児クラスは、基本的に多数で担任を受け持ちますし、子ども達の体力を考えて外遊びの時間も短いです。子ども達の体も小さいので抱えるのにもそこまで苦心しませんし、お昼寝の時間は自分の仕事を行ったりとリフレッシュの時間にも使えるので、幼児クラスよりは多少体力面では余裕があります。
また、施設も平日は子ども達は学校に行っていますし、毎日外遊びがある訳ではないので、体力的には多少楽という考え方も出来ます。夜勤も、慣れる事が何よりも大切なので、夜勤を繰り返し行って体へリズムを作ってあげればそこまで苦しいと思う事も無くなります。
- 保育スキル
子どもとも離れた生活を送っていた人は、保育のスキルが再び身に付くか不安になるものです。しかし、保育スキルについてはそこまで不安に思う必要はありません。働いている中でスキルは自然に身に付きますので、最低限ピアノが弾けて、子ども達の前で笑顔で大きな声で話す事が出来れば問題ありません。
園によって保育方針は様々あり、園によって保育を覚え直さなければいけない事の連続です。ですから、経験があれば重宝はされますが、全く保育スキルが無かったり、忘れてしまったりしていても、学ぼうとする姿勢があれば園側も受け入れてくれます。また、託児所などはほとんど保育スキルは求められず、子どもを預かる事に重点を置くので、不安な人はそちらを希望するのも手です。
- 給与面
いくら子どもが好きで保育士に復職しても、大切なのは生活できるかどうかです。転職できても生活できるだけの給料がもらえなければ意味がありません。保育士の給料は園によって全く違います。場所によってはアルバイトやパートで月給が二桁に届かない所、契約社員なのに月給がぎりぎり二桁の所もあります。
しかし、対してその倍ほどの給料がもらえる園も存在します。安定した高給が欲しい場合は、補助金制度が充実して経営が安定している認可保育所、病院内に作られて病院が運営する院内保育園、大企業の中に設置されている企業付き保育園を選ぶと比較的高給与が見込めます。
- 体力が不安ならば乳児クラスを選ぶ、給料が心配ならば経営が安定している園を選ぶなどとする事で不安要素を回避できる。保育スキルは働く中で再び習得出来るので問題ない。
本記事は2017/04/28の情報で、内容は保育士としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。