保育園の年間行事
保育園では子ども達の発達を助ける為、子ども達を楽しませる為の行事が盛りだくさんです。最近では行事の多さを魅力にして子どもを集める園もある程、行事は保護者からも重要視されています。保育園の保育士がどのような行事をこなしているのか、主なものを紹介します。(※行事の内容や時期は、各保育園や地域によって異なります)
- 4月:入園進級式
入園進級式は、子ども達の進級をお祝いする会で、保護者も参加します。名前を呼んで新しいクラス担任と顔合わせを行い、保育室の説明を行います。保育士の仕事としては、現場の設営、子ども達に並んで入場・椅子に大人しく座る練習、当日は入場曲・保護者へ披露する歌・退場曲をピアノで弾く、保育室に戻ってから新しいそれぞれのロッカーなどの案内、前の保育室から変わった点の説明、子どもに毎朝して欲しい事(日付を見てシールを貼る練習など)を伝える、といったことです。
- 5月:子どもの日
子どもの日は、子ども達の健やかな健康を願う大切な行事です。子どもの日の行事では、保育士がペープサートや紙芝居、劇などで5月の節句の意味や、なぜ子どもの日を行うのかを説明します。保育士はこの日の為にペープサートや紙芝居などの練習を行わなければいけません。また、行事をもっと身近に感じてもらう為に、子ども達に子どもの日の製作として兜や鯉のぼりを作らせるのも仕事です。「こいのぼり」を全員の前でピアノで弾き語る事も保育士の役割です。
- 7月:七夕
七夕はなかなか忙しい行事です。どの園でも七夕のお祭りが行われるので、そのお祭りの準備をしなければいけません。まずは「たなばたさま」をピアノで弾き語る、そしてペープサートなど子どもが喜び、よく見る方法で七夕がなぜ始まったのか、たなばたの意味を伝えます。また、子ども達の為に大きな笹を取ってきて、短冊を書かせて七夕飾りを用意し、笹を装飾していきます。
- 7月:お泊り保育
お泊り保育では、子ども達の身の回りの世話は勿論ですが、子ども達の思い出に残るように、その地ならではの設定保育も求められます。例えば、山に行くのであれば、山での宝探しや、やまびこを体験するなどです。海であれば貝殻探しや海で泳ぐ体験も子ども達には喜ばれます。夜も、夜しか出来ない肝試しなどの設定保育を行います。
それを踏まえ、保育士は宝探しの宝(メダルや折り紙作品)を作ったり、肝試しのルート確認、シーツなどでお化けになりきる練習、保育士の動きの確認、流れの把握など、準備はかなり大変ですし、夜も夜泣きをする子が出る可能性があるのでなかなか眠れませんので、ハードな行事です。
- 8月:プール
プールも子ども達を泳がせるだけでは楽しくありません。早い子は就学前に泳げるように、最低でも顔をつけられるようにするのも保育士の役割です。そこで、3歳からは水に顔をつける練習を行います。顔をつけるだけでは子ども達は怖いので、プールの底にボールやビー玉などを沈めて、それを探すなどして楽しみながら潜る練習を行います。
- 9月:運動会
運動会は大イベントです。トラックの設営から、保護者席の準備、大繩や必要な用具の準備、プログラム順番を決める、子ども達に運動会の競技を指導するなど、やる事は山積みです。実は子ども達はトラックのカーブをいきなり走る事が出来ません。まずは徒競走で走る事に慣れ、そこから少しずつコーンを使ってカーブを走る練習をします。1歳~2歳児はトラックに沿って歩くのも難しいので、まずは入退場の練習から行わなければいけません。全部の準備や練習を行うと、3ヵ月程かかります。
- 10月:ハロウィン
ハロウィンも子ども達の前でハロウィンの起源を劇やペープサートなどで説明し、お菓子を配る、設定保育でお菓子を作るなどをします。何よりも大変なのは、子ども達の衣装作りです。なるべく費用を抑えて、100円ショップの道具を組み合わせるなどして、お化けの衣装を人数分作らなければいけません。
- 12月:クリスマス
クリスマスも上記同様に、子ども達が分かりやすく楽しめるように、クリスマスの起源について話をします。そして、子ども達の為にクリスマスプレゼントを用意します。人数分のプレパラートキーホルダーや、100円ショップのレジンを利用したキーホルダーなど、費用を抑えながら作っていきます。クリスマスは全員で集まった時に保育士がピアノを弾いて皆で歌うのですが、「ジングルベル」や「あわてんぼうのサンタクロース」などのピアノ練習も必要になります。
- 2月:節分
節分も子ども達への説明が必要です。また、保育士が鬼に扮して各保育室を回って豆を投げられます。子ども達への思い出の為に、鬼のお面を作ったりもします。画用紙にヒゲや髪の毛として毛糸を付けて、顔を自由に書かせて目の部分だけくり抜きます。子ども達の製作は成長の大切な過程ですから、保護者からも喜ばれます。
- 3月:ひな祭り
ひな祭りも起源を説明し、「うれしいひなまつり」を弾き語って皆で歌います。また、子ども達の製作では簡単なお雛様セットを折り紙や粘土で作ります。ひな祭りの為のお菓子であるひな霰や菱餅をおやつに出すと、子ども達は更に行事を感じる事が出来ます。
- 3月:卒園式
卒園式は子ども達にとって一生に一度の大切な行事です。子ども達に卒園制作で壁いっぱいの壁面を作ったり、何か形に残る物を作ります。卒園式で弾くピアノの練習もしなければいけません。また、卒園児以外のクラス担任をしている場合でも、卒園生への似顔絵などのプレゼントを作る場合もあり、準備に追われます。
- 子どもの成長を促し、子どもを楽しませる為の行事が、1年を通して数多くある。
本記事は2017/04/27の情報で、内容は保育士としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。