企画書と仕様書の違いについて
ゲームプランナーに必須のスキルとして挙げられるのが、企画書および仕様書を書く力です。そのため、ゲーム専門学校の授業には、Word・Excel・Powerpointなどの授業が必ずあり、場合によってはPowerpointで作ったプレゼンテーションの発表練習をする実習があったり、Excelで資格を取ることを推奨しているケースもあります。
しかし、これらはあくまでも「小手先の技術」のことで、あまり本質的なことではありません。ゲームプランナーは「企画書とはそして仕様書とはどういうものか」ということを本質の部分で理解し、巧みに書き上げる能力が必要です。
■企画書
⇒ 「これからどういうものを作るか」という事を誰にでも分かりやすく説明した書類です。正確さや精密さは求められませんが、誰にでも分かりやすく、本質を伝える内容でなくてはなりません。
■仕様書
⇒ ゲームシステムの設計図にあたります。プログラマーやデザイナーなど実際にゲーム作成に携わる技術者・専門家は、この仕様書をベースにしてゲームを作り上げていきます。したがって、正確さと分かりやすさが求められます。
企画書を作るコツ
そもそも、企画書には決まった「型」のようなものは存在しません。作成する書類は人によってPowerpointだったりWordだったりと様々です。場合によっては映像や音声などを駆使して、作りたい作品のイメージを明確に伝えられるように作られています。
ゲームプランナーにとっては、この企画書の仕上がりが自分の将来やプロジェクトの成功を左右する大変大事なものになります。企画が通れば自分の思った通りのゲームを開発できますし、それに失敗するとそのチャンスは失われるわけですから、それは当然のことです。
そのため時には書類だけではなく、Unityなどのゲームエンジンを用いてこれから作ろうとするゲームのプロトタイプを開発して実際にプレイしてもらうなど、様々な手段で自分の企画の優位性をアピールする必要があります。
企画書ではなるべく相手の印象に残すために、型にこだわらずに様々な手段や表現方法を用いる必要があるのです。
仕様書を作るコツ
一方、仕様書はできるだけ簡素でシンプルに、そしてなるべく従来用いられているスタイルのものから変更しないほうが良いです。
というのも、プログラマーやデザイナーは作品を作るにあたって必ず新しい仕様書を読まなくてはなりませんが、仕様書の様式が同じだと理解も早く、作業も効率的に行えるからです。
技術者たちは、できるだけ作品を作ることに集中したいものです。そのため、仕様書のフォーマットが変わると、その新しいフォーマットを理解するための時間と労力が必要となり、必然的に作業効率は落ちてしまいます。そうなってしまっては、ゲームプランナーにとっても技術者にとってもストレスにしかなりません。
仕様書を作るプランナーはその点に配慮し、その会社やチームで用いられているフォーマットを統一するなど、なるべく現場の負担が軽くなるようにする配慮が必要です。
- 仕様書の作成にはEXCELを使うケースが多い
仕様書を作るにあたり、書類作成にはどういうわけかExcelが利用されるケースがほとんどです。
Excelはもともと帳簿や請求書の作成などに用いる表計算のソフトですが、表が作りやすいことや図などを簡単に挿入できることからゲームをはじめとするソフトウェア開発でも仕様書の作成のために非常によく使われています。
そのため、ゲームプランナー転職者のスキルとして、Excelを使いこなせることを求めている企業も非常に多くなっています。
本記事は2017/04/26の情報で、内容はゲームプランナーとしての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。