多くは兼務を求められる
民間救急や介護タクシーでの救急救命士の特に正社員求人は業者数と比較するとそれほど多くはありません。これは、法律上は看護師資格者でも代替えが可能な事や、必要に応じて有資格者のパートタイマー等で対応している事などが理由にあげられます。
求人を出す会社の多くは採用要件として救急救命士免許の他に普通自動車二種免許をあげています。これは医療従事者としての業務だけではなく、兼務して運転手として業務に従事する必要があるためです。必要な搬送においては救急救命士の乗務員として、その他の搬送については運転手(タクシードライバー)としての業務に従事する事になります。会社によっては2名体制で介助員を必ずつける方針のところもありますが、法律上の義務は無いため、主に人件費の問題から患者管理の必要が無い搬送のほとんどは1人で対応する事になります。
二種免許については採用後の取得でも可能とする会社もあります。この場合も取得するための費用負担をしてくれたり、一時的に費用の建て替えをしてくれる会社等、その対応は異なっています。しかし、最初から取得しておけば転職の際は有利に働く事は間違いありません。
必要とされるスキル
民間救急や介護タクシーの業種においても、基本的には資格職としての採用ですから、出身校などの学歴が採用の可否に関わる事はあまりありません。しかし、緊急の場面で適切な対応を求められますので、ある程度の臨床経験がある人の方が有利です。特に医療機関で業務に従事していた経験者は医療機器の管理や在宅処置の知識が身についていますから有利です。
また、搬送中は車内という密室で家族や利用者と状況によっては長時間過ごす事になるので、会話のトーンや内容、タイミングなどを状況やその人に応じて使い分ける必要があります。患者管理について比較的余裕があり、余力をサービスに集中する事ができる経験者の方が有利となってきます。
基本的にはサービス業ですので医療知識だけでなく、接遇などのサービスマナーは必須と言える分野になります。これはリピーターという顧客を大切にするこの業界においては非常に重要です。このため、採用面接では職務経験や人間性を見る質問をされる事が多いです。
本記事は2017/04/06の情報で、内容は救急救命士としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。