救急救命士の採用と体力テスト

職業:救急救命士

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体力試験の内容と対策

 救急救命士の資格制度そのものは、消防職員のうち特に救急隊員を前提に制定された資格ですので、大学や専門学校などを卒業した人のうちの多くは就職先として消防機関を希望します。しかし、各自治体により行われる採用試験は非常に難関となっています。自治体によっては10倍以上の競争率になる場合も見受けられます。

 

 採用試験の多くは(1)筆記試験(40~50問/90~120分)(2)小論文(3)面接(4)体力試験となります。このうち(1)(2)(3)については一般事務職員も同様の内容の試験を受験しますが、(4)の体力試験について公安職である消防や警察等だけに見られる特有の試験内容となっています。

 

 体力試験の具体的内容としてシャトルラン若しくは5分間走等の持久走系項目、懸垂、上体起こし、腕立て伏せ等の筋力系項目、反復横跳び等の瞬発力系項目が挙げられます。詳細については採用試験を実施する自治体毎に一任されているため内容が異なる事もありますが、基本的には5~10項目程度で基礎体力の有無を判断される試験内容となっています。

 

 当然ですが、試験であり体力測定では無いため事前対策を受験の最低でも数か月前から行い本番に備える必要があります。特に筋肥大や瞬発力よりも筋持久力や心肺機能を求める項目が多いため、事前準備として器具を使わず自重を使ったトレーニングメニューを中心に計画を立てて行った方が試験対策としては効果的です。

 

最近の傾向について

 多くの自治体は1次試験として(1)筆記試験を行った後、合格者のみ2次試験として(2)小論文や(3)面接、(4)体力試験を行うという方式をとっており、筆記試験対策の方がまずは重要となってきます。

 

 また、現在の傾向としてほとんどの自治体が(3)の面接試験を最重要視しています。公安職職員は一般社会人より厳しい規律に縛られます。そのため職員にふさわしい倫理観や一般常識を持ち合わせているのかという事を確認し、信用失墜行為を未然に防止する意図があります。このため面接対策にも時間を割かなければなりません。

 

 以前は公安職職員については体力試験が最重要視されているという風潮もありましたが、現在はあくまで体力試験は基礎体力を見られており、総受験者からの相対評価では無く、基準値が設定された絶対評価がほとんどであり、平均かそれ以上の基礎体力があれば問題ないという考えが主流になっています。

 

その他の職種の体力試験について

 医療機関や民間救急など現在は救急救命士の活躍できる職域も広がってきていますが、このような職種において採用試験で体力試験が実施される事はまずありません。多くは筆記と面接、場所によっては小論文という内容で構成されます。

 

 しかし救急救命士には、就業後に体力や筋力を必要とされる場面が頻繁にあります。例えば医療機関であれば、患者をストレッチャーからレントゲンやCT・MRIなどの検査台へ移乗する事やベッド上で患者の体位変換を行う事などが1日の業務の中で何度もありますし、民間救急の乗務員であればストレッチャーで階段を使って自宅のベッドから車内まで搬送する、利用者を車いすごと持ち上げて玄関の段差を越えるといった場面も多くあります。

 

 そのため、平均以上の基礎体力が求められますので、就業後には一定程度の体力作りを行う必要性があります。

 

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本記事は2017/04/05の情報で、内容は救急救命士としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。

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