ゲームプランナーの仕事内容の一般的な流れ
現在、ゲームの多様化・複雑化により、ゲームプランナーの仕事内容は多岐に渡っており、その内容はとても一口では言い表すことが出来ません。ここでは一番分かりやすい、「ゼロから中心になってゲームを作る」という例を見てみることにしましょう。
(1)企画の作成
企画をゼロから作る場合、当然の事ですが、どういうゲームを作るかというアイディアを出すことから始めます。通常、プロのプランナーは「常に新しいゲームのアイディアをストックしておき、状況に応じて、それを発表していく」というケースがほとんどです。
アイディアを出さなくてはならない場面は思いがけないタイミングで訪れます。その時に企画を考え始めたのでは遅いのです。
(2)企画の採用
次にまとめたアイディアが企画会議で採用される必要があります。
プロとして企画を出す以上、内容が面白いのは当然のことですが、商業的に失敗してはまったく意味がないのです。ですから、開発費を出資する会社側が「このゲームなら売れる」といった判断を下せなければ、そのアイディアが日の目を見ることはありません。そういった難関を突破して、初めて新作の開発が幕を開けるのです。
(3)開発開始
ゲームの開発は、プランナーだけではなく。プログラマー、グラフィック・デザイナー、サウンド・クリエイターなど、様々な人達の力が必要です。プランナーは、こういった人達をまとめ、企画を実現するために、打ち合わせ、進行管理など、実に様々な仕事をします。
時に意見の対立などがあったりしますが、皆「すばらしいゲームを自分たちの手で作り上げたい」という目標を共有していますので、最終的に両者の立場を理解し、開発を先に進めることになります。
(4)デバッグとテスト
最終段階に入っていくと、「デバッグ」及び「テスト」という工程に移ります。
ゲームに「バグがないか」「仕様通りか」というのをチェックする過程がテストなのですが、この過程は大規模で、相当の時間と人材を投入して行われます。この段階でゲーム自体はほぼ完成しているため、プランナーにやることがないか、というとそんなことはありません。むしろ、ゲームを完成させるためのある重要な仕事をしなくてはならない段階なのです。
(5)機能の削除と追加
テストではバグの修正だけではなく、ゲームの面白さの最終チェックが行われます。
実際にモニターにプレイしてもらい、プレイした人間が不要と感じたものは、プランナーがどんなに強い思いを持って作ったとしても、やはり削らなくてはなりません。
また、その逆に「このゲームをより面白くするためにはこの機能が必要だ」とモニター達が感じたら、例えスケジュールが厳しい状況でも、ゲームの質を上げるためにプランナーはそれらを決行します。
(6)パラメータの調整
また、同じ段階で行われるパラメータの調整もとても大事な作業です。パラメータの調整とは、例えばRPGを作る場合などは、主人公が剣を振り下ろすスピードや、敵が現れるタイミングなど、ゲームの微妙な「感覚」を左右する様々な数値のことです。
プレイヤーがゲームの世界に心地よく没入できるよう、様々なパラメータを調整していくのもとても大事な仕事なのです。
苦しみが最後に喜びに変わる
これらはいずれも大変な作業ですが、完成した作品が素晴らしければ、スタッフたちの苦労は喜びにかわります。
これが、ゲームプランナーが味わうことのできる醍醐味です。こういった仕事を繰り返していくうちに、スタッフたちの信頼を勝ち取り、ファンからも支持され、更に高い次元の仕事にチャレンジする機会が与えられるのです。
本記事は2017/04/04の情報で、内容はゲームプランナーとしての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。