行政書士の内容証明作成の仕事

職業:行政書士

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内容証明作成の業務とは?

 行政書士はひと昔前、「代書屋」と呼ばれていました。これは、依頼者の言いたいことを代わりに文章にする仕事をしていたからです。「代書屋」と呼ばれていた時期は、字が書けない人が少なくなかった頃のことですが、今でもこの「内容証明」の業務は、それに近いものがあります。ただ昔と大きく違うのは、行政書士が法的な知識によって、この業務に当たっている点です。

 

 内容証明郵便は、誰が、いつ、どのような内容を誰に送ったかを郵便局が証明してくれるものです。元来、郵便は、正確で確実な通信手段ですが、ごくまれに何らかの事情で配達されない場合があります。そうなると、大事な要件を郵便で送っても、相手方が受け取っていないことが起こるかも知れません。そうならないために、相手方に是非とも伝えたい内容を文章にして、内容証明郵便で送るのです。この方法ですと、確実に相手に届けてくれて、相手が受け取ったという証明を差出人に送ってくれます。

 

 書留郵便というものもあります。書留郵便は、郵便の引き受けから配達されるまでの保管記録が郵便局に保存されます。しかし、この書留郵便ですと、郵便が相手に届いたという証明にはなっても、その中身についての証明にはなりません。

 

 内容証明郵便であれば、相手に届いたという証明はもちろん、送る際に郵便局の担当者が、規定された形式で記載されているかチェックを行い、郵送する文章の控えを郵便局に保存してくれます。つまり、内容証明郵便は、郵便局のお墨付きをもらった文章なのです。

 

 現在書店には、内容証明郵便の書き方や出し方等を解説した本が多く並べられています。必要であれば、自分で本を買って、自分で内容証明郵便を書き、出すことも可能です。行政書士に依頼するよりも、金銭的に安く済みます。しかし、内容証明郵便は、相手に確実に届き、しかも文章が第三者(郵便局)に保存されるほど、証拠としては確実なものです。だからこそ、法的に間違ったことを記載してしまうと、かえって相手からの攻撃材料になってしまう恐れも出てきます。つまり、上手く使えば頼りになる「武器」ですが、中途半端な知識で使ってしまうと、致命傷にもなりかねないのです。ですから、法的な知識を持った行政書士に依頼が来るのです。

 

 内容証明郵便には、以下のような種類があります。

 

  • (1)代金・貸金の請求

 相手方に商品を販売した、あるいはお金を貸したのに、何度請求をしても、代金や貸金を返済してくれない場合、相手方に内容証明郵便によって、強く請求する場合に送ります。高額、あるいは悪質な場合には、「法的措置」も辞さないという意思を示します。

 

  • (2)損害賠償の請求

 取引の上で発生した損害の賠償を請求するために用います。また、取引だけでなく、離婚や交通事故等に基づいた損害賠償や慰謝料等についても、内容証明郵便で請求します。

 

  • (3)商号、商標、著作権等の侵害に対する警告

 自分の持っている商号、商標、著作権等の権利を侵害している相手方に対して、警告や差止という文言を相手方に伝え、中止してもらう際に用います。

 

  • (4)迷惑行為の対策

 相手方からの迷惑行為、例えば無言電話、付きまとい、ストーカー行為等を受けた場合に、相手が特定できて、しかもこのままでは刑事事件に発展しかねない時に、内容証明郵便を送ります。いかに自分が迷惑を被っているか、中断しなければ警察に告発する旨を明記すれば効果的です。

 

 

業務の今後は?

 先程もご説明したように、内容証明に関する本は、書店に1,000~2,000円程度で販売されています。行政書士に依頼するよりも安価な値段ですから、自分で買って相手方に伝えたいことを文章化して、郵便局で出せばかなり安上がりです。

 

 しかし、あまり法的知識がない状態で内容証明郵便を出してしまうと、かえってトラブルに発展する可能性があります。また、クーリングオフをしたい場合でも、郵送する時期や内容が法的に正しいのかは、専門家でないとわからない部分が多いのです。

 

 商品トラブル、消費者トラブル、クーリングオフ等、消費者を取り巻く環境はますます複雑になっていますから、この点の専門性をアピールしていけば、十分需要がある分野です。

 

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本記事は2017/03/29の情報で、内容は行政書士としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。

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