法務検定とは?
検定試験と言えば、漢字検定や英語検定が有名ですが、法律に関する問題が出される「法務検定」というものもあります。行政書士は、別名「街の法律家」と呼ばれるくらいですから、この検定との融和性は高いことが想像できます。
法務検定は、「ビジネス実務法務検定試験」が正式な名称で、東京商工会議所が主催しています。この検定試験の目的は、「ビジネスに不可欠なコンプライアンス、法令遵守能力の基礎となる実務的な法律知識を体系的、効率的に身に付けること」とされています。
試験は、毎年2回行われ、1~3級に分かれています。2級、3級については、受験資格は設けられていませんが、1級だけは2級の合格者だけしか受験できません。合格点は、2級、3級が100点満点中70点以上、1級は各問題で50%以上の正解、さらに200点満点中140点以上という基準になっています。問題形式は、2級、3級がマークシート方式ですが、1級だけが記述式です。
この結果、合格率は3級が60~80%程度、2級が30~40%程度ですが、1級は8%前後と、狭き門になっています。ただ、平成20年12月実施の試験から、1級受験者のうち、110点以上140点未満の得点者、または正答率50%未満で140点以上の得点者は、準1級として認定されるようになりました。
ダブル資格のメリットは?
試験内容からもわかるように、法律検定は法律の基礎から実務までの知識がまんべんなく出題されています。従って、この資格を持っていると、会社の法務の仕事にかなり役立ちます。
行政書士がこの資格を持つことで、会社の法務を担当する場合でも、実務のより深い知識を活かして、依頼された案件を処理することが見込まれます。特に1級を取得していると、多くの分野の会社における案件に対応できます。また取引先とのトラブルが発生した場合でも、速やかな対応を担当者にアドバイスできるので重宝されます。
本記事は2017/03/28の情報で、内容は行政書士としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。