フラワーアーティストとしての活動の仕方は主に2つ
フラワーアーティストになるには、フラワースクールに行って勉強をして資格を取るというのが一般的な流れですが、活動の仕方や実力によっては必ずしもそうとは限りません。フラワーアーティストには大きく分けると2種類の活動の仕方があります。
① エキシビジョンや個展など、自分の作品発表を主な活動や仕事とするフラワーアーティスト
② フラワースクールなどでの講師、自宅での開業、フラワーショップやホテルなどでフラワーデザイナーとして活動する
① 個展などが主な活動の場合
エキシビジョンや個展などは、自分の実力や知識を最大限に発揮する活動です。自分の思うように好きなように花木を使ったり、花器や色々な素材を使って気持ちや想いを表現します。
もちろん花の扱い方(水揚げや処理)を知っておくことは大切ですし、道具の使い方も知識としてあると作品作りの幅は広がります。とはいえ、あくまでアートの世界ですから、フラワーアレンジメントの基本形、ドーム型の挿す花の順番を知らなくてもいいわけです。きれいな花びらを、葉を全てちぎってばらまいてもいいのです。花首を全て切り落として、茎だけをきれいに並べ直した作品も実際にあります。そういう意味で、この活動の仕方としてはスクールに行って資格を取るというプロセスはあまり関係ないということになってきます。
しかし前述の通り、これはあくまでアートの世界で花を使っている、というスタンスになります。フラワーアーティストという肩書きで活動するならば、やはり花をメインに、花の生態を生かした美しさを追求してこそのフラワーアートがメインになってくるので、スクールなどで学んで基本的な花の扱いや知識は持ち合わせておくことが結果的は必要になってきます。
資格に関しては、自分のステイタスとして取得してももちろん良いですが、個人で活動していくにあたり、フラワーアーティストになるために資格が必要かといえば絶対に必要というわけではありません。このような準備や心構えを持った上で自分の想いを表現することは、素晴らしい作品へと繋がるはずです。
- スクールでの勉強や資格取得をしなくとも、エキシビジョンや個展で自身の作品を発表することはできるが、やはり花に関する基礎知識は必要。
② 講師などが主な活動の場合
フラワースクールの講師やデザイナーとして活動していく場合は、人々に満足のいくものを、またこれから知識を習得する人々に基本形から応用までを教えていくことが主な仕事になります。よって、あまり自分の好きなデザインや趣味を前面に出していくことは控えることになります。まずは、基本形をしっかりとマスターし、分かりやすい花材でシンプルに応用へ結び付けていきます。
販売や依頼に応える仕事でも同じで、あまり奇抜なものや難しい花材はなるべく控え、多くの人から綺麗だとシンプルに感じてもらえるものを主に製作することが多いです。そうしたことからも、まずはスクールや講師について基本からじっくりと学ぶことが必要です。もし時間に余裕があれば、フラワーショップでアルバイトなどの仕事をすると大変役に立ちます。
最近は写真がたくさん掲載されて分かりやすく解説されているフラワーアレンジメントの本や、インターネットでの画像付きの解説、動画でのレッスン風景など、スクールに行かなくても基本の知識を学ぶことはできます。しかし講師やデザイナーなど、人とのコミニュケーションが大切になる仕事をするのであれば、ぜひスクールに行って教えを乞うことをお勧めします。
実際にスクールの講師から教えてもらうことで、花木の切り方の小さな(大きな)コツ、下準備の細かなところや時間配分のオーガナイズの仕方、生徒とや業者との話し方や教え方など、机上だけでは得られないヒントをたくさん得ることができます。
また、資格を取っておくことで、生徒やクライアントから信頼されることは大いにあります。特に生徒には、修了後のバックアップや新規スクール開催のノウハウなどを引き続き与えられる場合もありますので、自分が修了した時にどんな資格と付加を得られるのかを調べて、資格を授与する団体や協会を決めることです。
- スクールの講師や、フラワーショップのデザイナーとして活動していく場合は、スクールに通って基本をしっかりと学ぶことが大切。
カリスマ性を大切にする
講師やデザイナーをする場合、特に自宅周辺で教室を開催する場合などは私生活にも気を付けなくてはなりません。
・車を運転して少し慌てて会場へ行く際、前をゆっくり走る車がもどかしくクラクションを何度も鳴らしていたら実は生徒の運転する車であった
・スーパーでワゴンセールの品物を必死に漁っている姿を生徒に見られていた
・休日にすっぴんで部屋着のまま洗濯物を干している姿を、近所に住む生徒に見られていた
このように生活感や人間性をあまりあらわにしないよう注意することも、教える立場としては必要なことです。
この人だから、この先生だから、センスが良くて素敵な作品やデザインを製作するのだろうという夢や憧れを持ってもらうことは、フラワーアーティストの世界ではとても大切なことです。アーティストと名のつく限り、美しさやエレガントなイメージを自分自身が常にまとい、意識することが大切です。その結果、美しく、人々が笑顔になるような作品を作り上げることができるようになるのです。
本記事は2017/03/01の情報で、内容はフラワーアーティストとしての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。