理学療法士の数が増えるとともに、活躍できる場面も増えてきています。以前は、理学療法士の職場と言えば「病院」「施設」が圧倒的多数を占めていましたが、介護保険のスタートなどの時代の変化に伴い、訪問看護ステーションや各企業・行政などにも進出するようになりました。そういった分野では、経験者が歓迎される傾向があります。
病院においては経験者の求人需要は少なめ
病院やクリニックなどの医療分野においては、経験者を積極的に歓迎としているところは限られる傾向にあります(基本的に新卒者の採用が多い)。というのも、病院勤務の理学療法士の数はとても多く、すでに人員も充足しており、体系として確立されている病院が多いからです。病院においての経験者歓迎の求人は、管理職候補もしくはそれに近い立場での求人となることがほとんどです。
管理職は、通常業務にプラスして管理業務も必要になるため、給与面ではやや高めに設定されています。管理職はリハビリ全体の業務管理(患者様の担当の振り分けや学生さんの指導者振り分け)だけではなく、他部署との交渉などもあります。転職時にはそういった内容も把握しておきましょう。
介護保険分野では経験者が歓迎される場合が多い
介護保険分野(老人保健施設や訪問看護ステーションなど)では、経験者が歓迎されるところも多いです。病院勤務の理学療法士数と比較すると、老人保健施設や訪問看護ステーションでの理学療法士数はまだまだ不足している状況です。
病院と同様、多くの障害や疾患と接する機会が多いことのみならず、数が少ない中で多くの利用者や患者のリハビリを構築していくのが仕事内容になります。また、その決定と実施をしていくことが必須となるため、すぐにマンパワーとして期待できる経験者は多くの施設で求められています。
沢山のことを決定していく事は、その責任も自分で持たなければならない事も多いですが、自分のやりたいことを進めやすいという点では、経験者にしか出来ない醍醐味もあります。人員不足の中での募集が多いため、当然ながら給与面での経験加算も十分に考慮されているところもあります。転職を希望する際は、どの程度経験加算されているのかも確認しましょう。
経験者歓迎の求人では、もちろん経験に伴ったスキルも求められる
経験者歓迎の求人が提示されている職場では、その経験に伴ったスキルを求められるところがほとんどです。「今までにどのような疾患や障害と向き合ってきたのか」「学生指導の経験はあるか」「管理経験はあるか」などの経験・スキルです。
また、理学療法士以外に取得している資格があるかも大切です。例えば、介護保健施設ではケアマネージャーなどの資格があれば、一つ一つの細かい説明をしなくとも介護保険についての理解があるとみなされます。一から全て説明しなくてもすぐに戦力となって働くことが出来るのは、施設にとっては大きな魅力として映るでしょう。訪問リハビリなどでは数多くの疾患をみることもあり、やはり戦力となるような資格があると有利です。
自分がどういった分野での勉強をしてきて、今後それをどのように生かしていくかを明確にしておきましょう。
本記事は2017/02/24の情報で、内容は理学療法士としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。