病院や診療所などの求人数が最も多い
理学療法士の求人では、病院の求人が多くなっています。その理由として、一般的には「リハビリテーション=病院やクリニック」といったイメージがまだまだ根強いこと、学生時代の臨床実習は病院で行う場合が多く、各病院でも理学療法士を採用しているところが大多数のためです。しかし、理学療法士が充足している病院も増えてきており、経験者よりは新卒者を採用するところが多い傾向にあります。
最近は出来るだけ患者の入院期間を短くする流れになっています。そのため、大病院などを退院した後のリハビリ継続目的でのクリニックへの通院も増えており、そういった診療所やクリニックでの求人も増えてきています。
病院規模別の理学療法士の求人事情
病院規模や診療科目の多様さ、リハビリテーションにどれだけ力を入れているかによって、その病院での理学療法士数が決まります。病院規模が大きくても、リハビリテーションの対象になる患者が少ない病院では、理学療法士の数も少なくなります。逆に、リハビリテーションに力を入れている病院では、当然理学療法士の数は多くなります。
現在は、理学療法士の数を増やしている病院が多く、リハビリも一般的に認知されてきています。中には理学療法士の数が100名を超える病院もあり、疾患ごとに各チームに分かれて患者を担当するケースもあります。
理学療法士数の多い病院の方が入れ替えも多いため、求人募集が頻繁にだされます。自分がどういった病院(規模や診療科目などの多種性)でリハビリを行っていきたいのかを明確にしておくことが大切です。大規模病院では、勉強会や学会の出席や発表が必須になっているところもあり、また理学療法士会(理学療法士の全国組織)の仕事を担当している場合もあり、実質業務以外での仕事も増える可能性もあることを念頭においておきましょう。
<大病院の場合>
大病院においては、役職付きの理学療法士は安定して在職していることも増えてきているため、経験の浅い理学療法士の方が採用されやすい傾向にあります。ある程度の経験を積んでからの転職では、管理職での採用も視野に入れておきましょう。
<小・中規模の病院の場合>
小・中規模の病院では、理学療法士の入れ替え自体は少ないですが、全体的にリハビリテーション科を置く病院が増えており、一定数の求人はあります。また、人数が少ない分担当する仕事も多く、大病院よりも管理業務をする理学療法士が必要な病院も多いです。しかし、その分自分のやりたいことが出来やすい環境にあり、じっくりと取り組みたい場合や自分が企画立案したものを実行してみたいなどの希望があれば、小・中規模の病院のほうが向いているでしょう。
病院外でリハビリを行うこともある
病院勤務においては院内でのリハビリ業務以外にも、「学生指導」「地域の勉強会の講師」「講演会の演者」などを行う場合もあります。また、病院によっては訪問看護ステーションや老人保健施設などを併設している場合もあります。経験者になると、そういった業務も担当しなければならないこともあるので、転職をする際には確認しておきましょう。
早期に在宅生活へ移行させる(入院期間を短縮する)ため、訪問リハビリテーションや老人保健施設への入所もしくは通所リハビリ(デイケア)など、介護保険分野へ力を入れる病院も増えています。どちらも医師の指示の下という原則は変わりありませんが、やはりここでも経験者に白羽の矢が立つ場合が多いです。
自分の希望をしっかりと考える
転職をする際は自分がどのようなスタイルで仕事をしたいかを考えましょう。休日や超過勤務時間についてだけでなく、各福利厚生はどれくらい充実しているのかも忘れがちですがチェック項目です。
また、長く続けるのであれば、「産休や育休の取得はしやすいか」「院内保育所があるか」なども大切です。「男性の育児休暇の取得も可能か」も知っておくとより良いです。そういった福利厚生が充実している病院は、離職も少ないため求人も少なく、就職倍率は高くなっている傾向にあります。
本記事は2017/02/23の情報で、内容は理学療法士としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。