FPは「独占業務がない」資格としても知られています。弁護士のみが有している訴訟業務や税理士のみが有している税務業務のように、FPだけができること(言い換えれば、FP以外がしてはいけないこと)は存在しません。そのため、FPは「何をやっているのかわからない」資格とも言われます。
実際に、窓口で生命保険や証券を販売する「だけ」のFPも一定数おり、こういった背景がFPの実像を複雑にしているようです。ここでは、FPの魅力とやりがいはどのような点にあるのかを見ていきましょう。
FPは「家計」のエキスパート
FPは「家計」のエキスパートと言えます。この家計という言葉、家計簿をつけるような身近な印象がありますが、同時にすべての経済活動の根本でもあります。
価格の安い食材を買って食費を節約するのも家計であれば、定められた給料をいかに賢く使うかも家計です。個人事業主の人は、税金をどのようにすればもっと低い納付額で済むかを考えるのも家計。住宅ローンや生命保険、または相続について考えるのも家計。仰々しい言い方をすると、家計に多大な影響がある国や地方自治体の法整備や経済政策について理解を深めるのも家計のための大事な活動です。
「家計のエキスパート」であるFPは悩みを持つ相談者に最も近い立場の専門家として、相談者に寄り添っていくことが求められます。これはとても魅力があり、相談者に「ありがとう」といって貰えることは素晴らしくやりがいのある仕事です。
これは個別相談業務だけではなく、セミナーでの講師業やWEBコラム・書籍・雑誌への寄稿を通した執筆業においてもやりがいを感じることが出来るでしょう。
「お金のアドバイザー」であることも魅力
お金は全ての人に深く関わってくる大切なものです。FPはそのようなお金と関わる上で生じる様々な悩みや問題に対するアドバイザーです。「お金のアドバイザー」という言葉からはマイナスの印象を持たれることも少なくはないのですが、とても社会性がある仕事と言えます。
お金の使い方に自信を持っている人はいません。以前に加入した生命保険は適切なのか、営業マンにアドバイスを受けて購入した投資信託の損切りタイミングはいつなのか、という「過去のお金の使い方」。
現在の貯蓄はどうしたらいいのか、貯蓄を増やしたいが節約はどうすればいいのか、という「現在のお金の使い方」。そして成長する子どもたちへ、教育費はどのようにして確保すればいいのか、住宅購入費はどうかといった「将来のお金の使い方」。
これら3方向から包括的なアドバイスができる総合的なアドバイザーという魅力のある仕事です。
「生活者に寄り添えること」もやりがいを感じることが出来る
アドバイザーの難しいところの一つに「分析者に終わってしまうところ」がありますが、FPにはそれがありません。毎年の生活費推移を記すライフプラン表や個別のアドバイスを通して、生活者に「寄り添うこと」ができます。
極端な言い方ですが、弁護士は訴訟問題を解決すれば関係は終わってしまうもの。FPは、生活者が死ぬまで寄り添える、とてもやりがいのある仕事といえるでしょう。
<※まとめ>
ここでは、FPの持つ魅力とやりがいについてお伝えしました。独占業務がないということは、仕事を生み出せる範囲もとても広いということ。これから資格取得を目指される方は、FPとしての固定観念に捕らわれず、一歩進んだ仕事を生み出していくことも大切になってくるでしょう。
本記事は2017/02/02の情報で、内容はファイナンシャルプランナー(FP)としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。