CROの臨床開発モニターの求人は多い
臨床開発モニターの求人は、ほぼすべてのCROから出されているような状況です。医薬品開発が活発であることと、製薬企業は自社で臨床開発モニターを持たずに外注、つまりCROにモニタリング業務を委託することが多くなったことが主な原因です。
海外ではCROに委託するということが従来から行われていましたが、日本ではそうではなく、製薬企業の臨床開発モニターがモニタリング業務を行っていました。しかし、常に十分な開発品目(パイプライン)があるとは限らず、その場合、臨床開発モニターの人件費が経営を圧迫するため、臨床開発モニターのカットとモニタリング業務の外注化が進みました。この流れは現在も継続中ですし、今後も継続すると推測できます。
また、臨床開発モニターは若い世代(35歳くらいまで)が多く、男性より女性の方が多いです。男性の多くはキャリアップのため、臨床開発モニターを経験した後は、CTLやMLになります。女性の場合は結婚や妊娠・出産をきっかけに仕事を辞めたり、臨床開発モニターから外勤のない内勤職に移ることも多々あります。よって、今後も臨床開発モニターの求人がなくなることは考えにくいです。
- CROの臨床開発モニターの求人は非常に多い。男性はマネジメント職に昇進、女性はライフスタイルの変化による退職や転職、異動があるため、当面は求人が多い状況が続くと予想。
CTL(Clinical Trial Leader)、ML(Monitor Leader)の求人も多い
CROでは、臨床開発モニターと同様に、CTL(Clinical Trial Leader)やML(Monitor Leader)の求人も多く出されています。
CRO企業は臨床開発業務を請け負うことで売り上げを確保しており、数ある仕事の中でもモニタリング業務は一番収益性が高いです。モニタリング業務はCTLやMLと臨床開発モニターで行いますが、臨床開発モニターだけではまずできません。その逆にCTLやMLがいれば、CRO自社に臨床開発モニターがいなくても仕事を行うことができます。
その場合、臨床開発モニターを他社から派遣してもらう、あるいはサブコン(Sub Contract:他のCROにモニタリング業務を再委託すること)を利用することで、臨床開発モニターの不足を補います。したがって、CTLやMLがいればモニタリング業務を受託でき、利益を確保できるため、多くのCROから求人が出されています。
なお、CROでのCTLやMLに関しては、過去に同じポジションの経験がなくても、臨床開発モニターの経験(各企業によって最低年数を設定)があれば応募することは可能です。
- CTLやMLといったリーダー職がいればモニタリング業務を請けられるため、これらの求人も多い。
本記事は2017/01/14の情報で、内容は臨床開発モニター(CRA)としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。