正社員として働く
歯科助手は正社員の求人が多いです。未経験者歓迎、経験者優遇といった募集がよく見られます。歯科助手は歯科衛生士とは違って国家資格がありませんので、治療行為に該当する行為ができません。そのため歯科衛生士のみを募集する医院も多いのですが、その中で歯科助手の募集がある場合はチャンスです。
様々な事情で歯科衛生士の学校に通えずに年月が経ったりした場合、歯科助手の職に就けるのはとても魅力的です。衛生士とはいかなくても、個人の努力で歯科医療に携わるための専門知識を身に付けて、スキルアップできます。最大限の診療補助を行い、院内の様々なアシスタントとして貢献できれば、やりがいは十分です。
歯科助手として正社員で勤務した場合は、高卒でもボーナスがあり、社会保険もしくは歯科医師国保に加入できることが多く、派遣社員として勤めるよりも保障されています。やる気と探究心があれば、歯科助手の仕事はとても魅力的に感じるはずです。
- 歯科助手の正社員の求人は比較的多い。各種保険完備やボーナス支給の求人も多く、安定した環境のなかで専門知識を身に付けることができる。
正社員で働くことの心得
勤める医院によっても異なりますが、正社員はフルタイム勤務となります。一般企業でいうところのフルタイム勤務とは少し違い、診療が終了するまでの勤務という意味合いです。患者様が多い時期は残業になる可能性も高いですし、やはり医療の現場ですので救急患者への対応も予想されます。ある程度の勤務時間延長にも対応できるような気持ちのゆとりを持ちましょう。
一般歯科では、4月の学校検診明けに患者様が増えてきます。子どもの虫歯治療のためです。夏休みの時期に増えることもありますが、やはり多いのは検診明けです。治療がスムーズにできる子どももいれば、そうでない子もいます。嫌がって暴れてもやらなければいけない治療を要する場合は、保護者の同意を得て、子どもが怪我をしないように配慮して診療をする必要があります。その際に診療補助として適切に行動できればとても重宝されます。
救急患者はいつやってくるか分かりません。スタッフ全員が同じように対応できるのが理想です。勤務先の医院の診療方針に沿った案内まできれば更なるスキルアップにつながり、やりがいも感じることができます。終了時間が遅くなっても、最後に患者様から笑顔で「ありがとう」と言ってもらえると、気持ちも引き締まります。
- 救急対応や繁忙期の残業、治療を嫌がる子どもの診療補助などもあり得るが、適切な対応を心がける。
歯科助手のスキルアップ
歯科助手経験者もそうでない人も、常に個人でスキルアップの意識を持たなければなりません。周囲のスタッフから様々なことを教えてもらっても、自分が理解していなければ診療補助ができないからです。例えばドクターから「○○を持ってきて」と言われても、「○○」が何かが分からなければ準備することもできません。指示を受けてすぐに適切に行動するためには、やはり個人の努力が必要なのです。たとえ経験者でも、ドクターが変われば使用する器具や材料も変わることもあるので、油断は禁物です。
歯科診療で準備することが多いのは、Extや感根処、抜髄などです。Extの場合は、途中でへーベルの大きさやルートチップの要求をうけたり、ナートの準備が出てきたりと、予想外に変更が多いこともあります。感根処や抜髄では、KファイルやHファイルの準備、エンドゲージや綿線などの他、アナログのデンタルだと現像までやらなければならないこともあります。特に正社員として歯科助手の仕事を極めるなら、円滑な診療補助ができるよう、個々で努力することが必要です。
- スキルアップの意識を持ち、どのドクターの処置にも対応できる力を身に付ける。
本記事は2015/08/13の情報で、内容は歯科助手としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。