臨床開発モニター(CRA)の魅力とやりがい

職業:臨床開発モニター(CRA)

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臨床開発モニターはやりがいの大きい仕事

 臨床開発モニターの仕事は、非常に多くの魅力とやりがいがあります。そのため、臨床開発モニターの次の職種であるCTLやLMを望むのでなく、臨床開発モニター職にとどまる人もいるほどです。40代や50代の人でも臨床開発モニターを続けている人もいることから、非常に魅力があり、やりがいのある仕事だということが分かります。

 

社会貢献度が非常に高い

 臨床開発モニターの仕事は、医薬品候補の化合物を、対象疾患を有する患者さんに投与して有効性と安全性のデータを回収することです。端的にいうと、医薬品を開発することです。

 

 製薬企業では、どのような医薬品を開発するかということを、アンメットメディカルニーズ(Unmet Medical Needs)に基づいて検討しています。アンメットメディカルニーズとは治療法がない疾患や、治療法はあるものの十分な満足が得られていない疾患のことで、がんやアルツハイマーなどの精神疾患、クローン病や全身強皮症などの希少疾患が多く含まれますが、すでに治療薬が開発されている喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)といった呼吸器疾患なども含まれます。

 

 臨床開発モニターは、アンメットメディカルニーズに対する治療薬の開発に携わるため、非常に社会貢献度が高い仕事です。

 

  • アンメットメディカルニーズの治療薬の開発に関わることから、社会貢献度が高い。

 

治験薬の効果を間近で確認できる

 臨床開発モニターは、直接患者さんと接することはありません。治験薬の有効性や安全性を確認する方法は、医師や看護師が記載するカルテや、医師や治験コーディネーターに対するインタビューを通して行います。

 

 治験薬によって症状が劇的に改善しているような場合、カルテにはお礼の言葉(患者さんから医師に対して)が記載されることもあり、それを見るとこの治験薬に携わることができて良かった、この治験薬の効果が十分発揮されて良かったと感激することも多々あります。

 

 逆に治験薬の効果があまりなかったり、特に抗がん剤の場合は良くない結果のカルテを見ることもあり、非常にショックを受けてしまうこともしばしばあります。しかし、それをバネにして良い医薬品を開発しよう、臨床開発モニターとしてしっかりと仕事をしようと改めて決意させられるものです。

 

 なお、抗がん剤の治験の場合、主要評価項目はOS(Overall survival)といって、どれだけ生存期間を延長できるかということが評価されます。

 

  • 患者さんと直接接することはないものの、カルテを通して患者さんの症状改善や喜びに触れられる。

 

自分が回収したデータが添付文書に記載される

 臨床開発モニターの仕事は治験薬のデータを集めることですが、有効なデータや副作用が少ないというデータや情報を集めるだけではありません。副作用が出ているようようならば、それを包み隠すことなく医師から報告していただくよう促す必要があります。

 

 医薬品の添付文書に記載されている副作用情報は、治験中に報告された有害事象のうち、治験薬と因果関係が否定できないものが記載されています。もし、医師が頻繁に認められている副作用を故意に報告しなかった場合、その後承認され実際の現場で使用されたときに、副作用が多発して大きな問題となることもあります。

 

 したがって、臨床開発モニターは因果関係なしと判定された有害事象について、なぜ因果関係がないのかということを医師としっかりと議論して、その結果を報告する義務があります。このように回収されたデータは添付文書に記載されることになります。

 

 臨床開発モニターは、自分自身が担当した治験薬が承認されるべく仕事をしていますが、その一方で製薬企業にとってマイナスとなる仕事(世に出てはならない治験薬を世に出さない、副作用をしっかりと報告する)もしなければなりません。

 

  • 医師から正確な報告を受け、副作用も含めた確実なデータを回収することが使命。その内容は添付文書に記載されることとなる。

 

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本記事は2017/01/12の情報で、内容は臨床開発モニター(CRA)としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。

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