臨床検査技師の1日の仕事の流れ

職業:臨床検査技師

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業務前に必ず行うこと

 勤務先が大規模な大学病院の検査室であっても、病棟のない小規模な個人クリニックの検査室であっても、業務前に臨床検査技師が必ず行うことは共通しています。それは検査機器の立ち上げと始業点検、精度管理です。

 

 検体検査であっても、生理検査であっても、検査機器の電源を入れたらそれで即検査ができる訳ではありません。検査機器ごとに必要な始業点検や、必要に応じてキャリブレーションや精度管理を実施する必要があります。

 

 キャリブレーションや精度管理は、生化学検査や血球計算(白血球や赤血球の数値を測定)など、数字として検査結果が出る検査機器の校正を行い、実際に正しい数値が出ているか確認する作業です。この作業が問題なく終わってからはじめて、患者さまの検体を測定することができます。

 

 万が一、この作業の途中で問題が生じれば、検査機器のメンテナンスを行ったり、必要があれば検査機器メーカーの担当者に連絡して緊急で来てもらうこともあります。正しい検査結果を迅速に出すということにおいて、業務開始前に欠かすことができない作業です。

 

  • 業務前に必ず、検査機器の立ち上げと始業点検、精度管理を行う。

 

検査室の午前中の流れ

  • 検体検査

 検体検査であれば、朝一番に病棟の検体が検査室に届きます。早朝に、夜勤の看護師が採血した入院患者さまの血液検体や尿検体が検査室にやってきます。この検体数は病院の規模によりますが、1000床を超える大病院なら、100件以上の検体数は珍しくありません。入院患者さまの朝の検体は、午前中のうちに結果が出るように検査します。

 

 外来が始まれば、外来患者さまの検体が検査室に提出されます。糖尿病などで定期的に通院されている患者さまであれば、血液検査や尿検査の結果を待ってから診察が行われる場合も多くあります。発熱や痛みなどの症状のある患者さまであれば、緊急検査としてオーダーされ、午前中の検体検査室は非常に緊張感があります。

 

  • 生理検査

 生理検査は超音波検査など予約制になっている検査や、心電図など予約なしで対応する検査があります。予約制の検査であっても、症状がある患者さまであれば、緊急で対応する場合もあります。外来が忙しい午前中は生理検査も多く、予約制の検査の有無を問わず、臨床検査技師も柔軟に対応しています。生理検査も、検体検査と同様、午前中は非常に多忙です。

 

  • 午前中は入院患者や外来患者の検体検査が多く、緊急の生理検査に対応する場合もあり、多忙となる。

 

検査室の午後の流れ

 外来が落ち着いている午後になると、検体検査の件数は落ち着いてきます。生理検査は脳波検査など検査の特性的に午後の予約枠としている検査もありますが、それでも午前中に比べると検査の件数自体は落ち着いてきます。

 

 午後は、チーム医療の一員として参加している業務を行うことも多く、院内感染対策チームに参加している臨床検査技師であれば、サーベイランスといって微生物検査の結果や院内の感染状況をまとめる作業を行ったり、栄養サポートチームや医療安全管理チームに参加していれば、院内ラウンドといって他職種のスタッフと一緒に病棟や外来の見回りを行ったりします。また、これらの参加しているチームの会議に出席するのも、午後が殆どです。

 

 多くの医療機関の検査室は、午前中は検査業務が中心、午後は検査業務にプラスして、チーム医療の業務であったり、後輩の臨床検査技師に検査技術を指導したりと、検査業務以外の仕事をしていることが多いです。

 

  • 検体検査、生理検査ともに午後は落ち着き、チーム医療の業務や後輩の指導などにあたることも。

 

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本記事は2016/12/30の情報で、内容は臨床検査技師としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。

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