製薬会社のやりがい(研究職の場合)
研究職の場合、自分の行っていた研究が成功し製品が上市した場合、その喜びや達成感は何ものにも変えがたいものがあります。製品が上市した場合、大きな社会貢献ができ、また製薬会社から高い評価を受けることになります。
製品が上市すると、昇給や昇進が早くなるだけでなく、通常、新薬開発の場合、特許権を取得しており、新薬の利益に応じた特許報酬(特許法で特許の技術で大きな利益を得た場合、会社はその一部を発明者に対価として支払わなければならないため)を得ることができます。
研究を成功させて製品を上市させることはとても難しいことですが、大型の製品を上市させることができれば将来的な出世が約束されることや、多くの患者から感謝されること、また定年退職後も大学の教授など転身することができることなど、人生の成功者として道が約束されるのです。
そのため、研究職の仕事は休日出勤や残業時間が多いなどとても大変ですが、研究が成功することは人生の成功になることにつながりますので、この点が研究職のやりがいになってくるのです。
製薬会社のやりがい(営業職の場合)
営業職の場合、いかに製品をいかに多く販売できたかという実績が昇進や昇給が早くなることにつながります。製品を多く販売するためには、多くの医師との深い信頼関係を構築できるかということにかかってきます。
ただし、医師への対応はその各個人によって変わってきますので、決まりきったマニュアルなどはなくて、機転がきいた創意・工夫ができるような自分だけの戦略を立てることが重要です。あまり乗り気でなかった医師に対して、誠意や工夫をつくして種々の対応することにより、医師の気持ちが変わり製品を販売できたときの嬉しさは、なかなか他に変えるものがないものです。
つまり、多くの医師から信頼を勝ち得ることは金銭的なメリット以上に人間として信頼されているということになり、このようなことが営業職のやりがいになっています。
製薬会社のやりがい(知的財産部の場合)
製薬会社において知的財産部の業務はとても重要です。それは、新薬の特許権を取得できなかったり特許侵害訴訟に敗北すると、会社に数十億円~数千億円の損失を与えてしまうからです。
具体的には、新薬の特許権を取得するということは、特許出願の国内外の特許庁の審査官の意見を論破し審査をクリアし特許査定を得るということになります。いかに論理的に工夫して特許庁の審査官に意見に打ち勝つかがポイントになりますが、新薬の特許権を取得した際の喜びは何ものにも変えがたく、知的財産部の業務のやりがいに通じます。
また、特許訴訟などに関して、製薬業界での特許侵害訴訟などの特許係争、特許を無効にするための裁判や審判などは、白黒がはっきりしないグレーなケースが多く、裁判等に勝つためには裁判官にいかに良い心証を与えるかが訴訟の勝敗の決め手になったりしますので、その裁判官の経歴等を調べたり、相手の出方によってケースバイケースで戦略を立てたり、創意・工夫をして意見書等を作成したり、膨大な証拠を提出するなどして、裁判を勝訴に導きます。
実際の裁判では、ダンボール何十箱の資料や証拠の提出をすることもあり、一般に、裁判に勝つためにはとても膨大な労力と多大な時間などを必要としますが、大変な苦労をした分、勝訴した際の喜びはひとしおです。また会社を大きな損失から救うことができ他の社員からも感謝されます。
その他、特許のライセンス契約などで、うまく交渉ができ会社が大きな利益を得るといったことも知的財産業務のやりがいになります。このような大きな成功をめざし努力することが、知的財産部の業務でのやりがいになっています。
製薬会社のやりがい(工場の職務の場合)
工場での職務の場合、いかに労災やトラブルを起こさず、安全に安定して製品の製造を行うことが重要です。つまり成功をすることより失敗をしないことが重要です。安定した操業を行うこと自体にやりがいを感じる人もいるようですが、色々なチャレンジをすることがないのが工場での職務になります。
従って、研究職や営業職のように、チャレンジや期待以上の成果を求めることにやりがいを求める人は向かないかもしれません。ただ工場の職務でも新しいプラントを設置するため設計を行う、トラブルが起こった際の原因究明と解決するなど、日常ではないものの解決すべき課題がある場合もありますので、そういった点にやりがいを見出す人も多いようです。
その他、総務、人事、経理、業務、ITグループなどの事務職でも安定した業務が求められる業種なのでそこまで大きなやりがいは求めにくいかもしれません(与えられた仕事をミスなくこなすというのがやりがいに繋がる場合もあるでしょう)。やはり大変な苦労や工夫などなしには大きな成果は得られませんので、仕事が大変な部署ほどその仕事のやりがいは大きいものです。