学歴別による工場スタッフの求人(大卒以外の場合)
まず、大卒以外(高卒・短大卒・高専卒など)の場合、実務を行う製造部員・工務部員・品質管理部員・環境保安部員など、その他、工場で働く社員を庶務の点でサポートする事務職での求人があります。
- 製造部員
製造部員は、実際に製品を製造するための業務を行う職種ですが、現在の製造施設ではコンピューターで機器等の操作が管理されていて、実際の業務としてはその機器が正常に動いているかどうかのチェックのために製造現場をパトロールするなど、肉体的な労働は以前と比較して少なくなっています。
ただし、製品の製造は24時間、日曜日も休日も関係なく行っていることが多く、製造員は3交代勤務が多いです。また、まとめて休暇を取ることも難しいといったデメリットもあります。ただ3交代勤務の際に夜間も働くことで高い夜間手当てが出る傾向もあり、給与は高卒者でも意外と良かったりします。
- 工務部員
工務部員は、製造部で使用する機器の管理や保全などを行います。従って、中途採用の場合、機器の扱いに詳しいなどの実務経験があると有利です。通常は日勤の勤務です。また残業は少な目でし。ただし定期的に機器の一斉の定期点検がありますので、その際は残業をすることが必要です。
- 品質管理部員
品質管理部では、製品の品質管理を行います。そのため、GC(ガスクロマトグラフィー)やHPLC(高性能液体クロマトグラフィー)などの、分析機器を使用したことがあるなどの実務経験があれば、中途採用に有利に働きます。品質管理部では残業はほとんどありませんが、製品が夜間も製造されているような職場の場合、一部の品質管理部員が夜間専門の勤務担当となるケースもあります。
- 環境保安部員
環境保安部員は、一般的に安全に製造ができるための環境を整える業務に携わります。例えば、炭酸ガスの排出量が基準値を超えないように管理したり、不審者の侵入の防止、火災が起こった際の消火、火気の使用の制限の徹底などです。
通常は3交代勤務で行われますが、残業等はほとんどありません。また未経験でも中途採用試験に合格することは可能であり、他の職種からの転職も問題なく特に必要な資格もありません。
- 事務職
工場で働く社員を庶務の点でサポートする事務職(総務部、経理部など)は、通常、日勤であり、残業もほとんどありません。また未経験でも中途採用試験に合格することが可能です。
学歴別による工場スタッフの求人(大卒以上の場合)
大卒以上の社員の場合、同じ部署でも大卒以外の社員に求められる内容とは異なる傾向にあります。
例えば、製造部の場合、製造工程の改善、安定した操業、トラブル時の対応など、多くの課題を解決するための人員として採用されます。一般的に化学工学の知識に優れていることが必須になります。
品質管理部で中途採用される場合、分析機器、分析手法やその分析のメカニズムについて、豊富な知識を持っていることが必須になります。
大卒で採用された社員は、部下の人事的な管理や評価、指導を行うことなどもその業務に含まれます。また、工場のスタッフでの採用の場合、薬剤師のほか、危険物取扱者(甲種)や高圧ガス取扱者などの資格をもっていると有利になります。
給与面に関しては、研究職や営業職と比較すると昇進や昇給は遅いですが、残業や精神的な苦労も少なく、遅くとも40歳代になれば年収1000万円以上になることが多いです。ただし、夜間も製造を行っているような工場では、管理職は1ヶ月に数度の宿直を行うケースもあります。
<※工場スタッフの求人事情>
製薬会社の工場スタッフとして、大学卒以外の求人が多いのに対して、大学卒以上の求人は少ないです。これは大卒以上の職種では、工場で安定した操業を行っていれば、多くの残業を必要とせずに順調に昇進・昇給するので欠員が出にくいためです。
一方、大卒以外の社員は3交代のため、夜間・休日に働くことが多く安易に退職してしまうことが多々あります。そのため欠員がでることがしばしばあり、その穴埋めをするのに中途採用の求人があるのです。これらの求人においては、まじめに休まずに長い期間働き続けることができることをうまく説明できることや実務経験があることが、中途採用での合格のための有利な材料になりますが、その年齢にあった知識や経験(高い年齢であれば、若い部下へ指導のできる能力があることなど)をうまく説明することができれば採用の可能性が高まります。