<この記事のまとめ>
- ここ10年で数を増やしてきた療養型病院。医師の求人需要は常に高い。最近では、専門の療養型病院も増えてきている。
- 急性期病院に比べてコミュニケーション能力が問われる。肉体的、精神的には急性期病院よりもラクであることがほとんど。
- 一方で患者が完治することも少ないので、やりがいを感じられない医師の方も多い。
コミュニケーション能力が問われる療養型施設の医師
療養型の病院や施設はこの10年間で飛躍的にその数を増しました。それに伴い、大量の医師求人があるのもこの分野です。療養型病院では患者さんに接する機会が多くんります。そのため、症例数や知識が豊富という事よりも患者さんとのコミュニケーション能力が大切になってきます。
急性期病院よりも一人の患者さんやその家族の方たちと長く付き合うため、あまり人付き合いが好きでない医師の方や暗い印象を持たれる医師の方はあまり向いていないようです。しかし、どの病院でもそうですが、コミュニケーション能力に不安があっても真摯な態度で診察や治療を行えば決して患者さんとの信頼も壊れないはずです。
また最近では、若い患者さん専門のアレルギーや喘息または循環器系疾患の療養型病院なども増えてきています。そのため、自分の得意な分野が療養型病院にマッチしている場合には、とにかく自分の経験や得意分野をアピールすることをオススメします。病院側も医師確保にかなり真剣なため、専門分野の医師の方にはぜひ病院へ来てほしいと思っています。そのため、自分の希望をしっかりと伝えた上で転職活動を行いましょう。
急性期とは違い、体力的にも精神的にも比較的ラクな仕事内容
療養型の病院や施設は、急性患者さんがいる病院よりは比較的勤務体系が楽なところが多いです。また急病や発作などが起きた場合には提携している病院へ搬送することも多いため、体力に不安がある方や職場復帰されたばかりの医師の方などにはオススメです。
また、前もって他の病院などで患者の最終診断は下されているので、あえて辛い判断を患者さんやその家族の方にする必要が無く、精神的にも穏やかに過ごせます。今まで精神的に辛い状況で、少し楽になりたい医師の方にも療養型病院や施設の求人はオススメできます。さらに、家庭がある女性医師の方やお子さんを持ちたい方には、定時に帰れるこの職場は給与も安定しており家族の時間が持てるので最適です。
完治しない患者さんが多いのも特徴の一つ
療養型病院の患者さんたちは、急性病院の患者さんたちに比べると完治がない方の方が多いので(寛解など)やりがいが感じられない若い医師の方もいらっしゃいます。しかし、療養型の患者さんたちはやはり自分の病状を受け入れている方たちが殆どなので、穏やな方たちが多く人間的にも学ぶことが多い方たちばかりです。
そのため、若い医師の方は経験として療養型病院へ勤め、医師の前に人間として患者さんたちにどう接するべきかということを学ぶには良い機会になるのではないでしょうか。
本記事は2016/11/01の情報で、内容は医師としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。