自己PRのポイントと留意点
自己PRに謙遜は不要です。コンサル的な視点で言えば、面接で堂々と自分の強みを説明できない人間が、クライアントからの信頼を勝ち得る筈はないと考えます。特に、大手及び外資の人事コンサル程、自分の強みをしっかり押し出すことを期待しています。
ただ、人材のプロである人事コンサルは、その人の自己PRが魅力的かということだけでなく、その人がどれだけ自分自身を整理・分析できているのかということもクールに見ています。自分自身のキャリアをコンサルティングするつもりで、自己PRを掘り下げてみてください。
<※事業会社から人事コンサルへの転職の場合は注意>
PRに際して、気をつけていただきたいのは、現在事業会社で人事を行っている方の場合です。人事業務と人事コンサルの仕事は似て非なるものです。それにも関わらず、自分が現在の担当業務で行ったことが、そのままコンサルとして役に立つと、過度にアピールすることは、面接官から見たらはマイナスになることはあっても、プラスにはなりません。(例「自社の人事制度改革に関わったから、人事制度改革は任せてください」、「研修担当だったので、研修に関しては深いスキルと知識があります」等)
一社の中で行った経験のみで、「自分はなんでもわかっている」というようなPRは、かえって「わかってないな」「浅いな」という感想を持たれてしまいます。人事制度改革をしたのであれば、具体的に「どのような局面で」「どんな能力、スタンスを発揮した」ことをPRするのか、具体的に整理しておきましょう。
具体的なPRのポイント
人事コンサル志望の方がよくアピールするポイントとしては、以下などがあります。
- (1)周囲を巻き込むリーダーシップ(もしくはコミュニケーション力)
- (2)複雑、面倒なことにも解を出せる問題解決力
- (3)粘り強く物事に取り組む執着心
- (4)人に関する課題に対する熱意
- (5)(もしあれば)志望する会社の業務で役に立ちそうな経験
会社のカラーにもよりますが、(4)はいずれの会社でも好意的に受け入れられるポイントです。ただ、漠然と「私は人が好きです」「人の成長をサポートすることが喜びです」等という自己PRはよく見かけますが、なんの具体性もなく、面接官としても印象が良くありません。(4)の自己PRは、なぜ人に関するキャリアを選択しているのかを表明するのと同義です。よくよく、掘り下げておきましょう。
履歴書等で書いた自己PRは、必ずと言って良いほど面接の際に「なぜ、そのようなPRができるのか」を聞かれます。実際の自分の経験による裏付けをすることが大切です。
面接官が期待しているのは、どんな根拠を持って、その自己PRをしているのかという理由と、そこに至るまでの思考力です。逆の見方をすれば、その人の経歴の華麗さだけで自己PRの優劣が決まるのではなく、地味で一般的な経験であっても、コンサルタント的な思考で俯瞰して(経営者の目線で)捉えられているかが、本当の勝負どころになります。