多くの現場で様々な技術を身につける
就職した会社に定年まで勤めるのが良いという風潮は今でもありますが、パティシエの世界は全く違います。今活躍しているパティシエで、転職したことがないという人はまずいません。それはパティシエの世界が、技術で食べていく、いわば職人の世界だからです。
一般的にパティシエの転職の周期は3年〜5年に1回というケースが多いです。パティシエの仕事を一通り習得するためにはそれくらいの期間が必要だからです。パティシエは、焼き菓子の仕込み、オーブン、生菓子の仕込み、チョコレート、ゼリーや飴などのコンフィズリーと、様々な仕事が出来なければなりません。これらの仕事を全て一人前にこなせるようになるには、どの職場でも3年〜5年はかかるのです。
また、それぞれの現場によって作るお菓子が違ったり、全く違う方法で作っていたりと、学ぶべきことはたくさんあります。そのため、1つの店舗でもう十分知識と技術を身に付けたと思ったら、次の職場に転職する人がほとんどなのです。
- 3~5年でその店の知識と技術を一通り身に付けたら、別の職場に転職することでステップアップしていく。
給料を上げる
パティシエの転職理由として、給料の問題もあります。一般的にパティシエの給料は新卒で12〜18万円ほどです。これは3年勤めたくらいでは上がることはほぼありません。手っ取り早く給料を上げる方法が転職ということになるのです。
給料を上げようと思って転職する場合は、もちろん今の職場より給料の高い求人を探しますし、自分の技術や経験年数を踏まえて交渉すれば、前職以上の給料を保証してくれる会社がほとんどです。そのため、必然的に転職によって給料を上げられるのです。
また特に男性の場合は、結婚、子どもができた、マイホームを購入したいなどの理由から、独身の時にはあまり気にしていなかった家族手当や住宅手当などの各種手当が完備されている職場に移りたいと考えて転職する人も多くいます。
- パティシエは昇給しにくいので、年収アップ、社会保険・手当の充実を求めて転職する人が多い。
労働環境を良くする
憧れて就いたパティシエという職業ですが、外から見るほど華やかではありません。労働時間が長い、休みが少ない、給料が安い、その上人間関係も悪いなど、自分の想像とは違ったと感じ、もっと労働環境の良いところで仕事がしたいと考えて転職する人も多いです。
この場合に注意が必要なのは、前職の勤務年数です。労働環境の悪さが理由で退職した人の多くは、勤続年数が1年未満だったりします。転職先の面接官には必ず前職の退職理由を聞かれますので、その時は嘘をつくことなく理由をはっきり言い、次の職場の労働環境なら大丈夫そうだということをしっかり伝えましょう。
ただ、このような事も1度ならよくある事なのであまり気にせずに採用してもらえるケースが多いですが、2~3度あると、転職先も気にして採用してくれない場合があります。次は続けられそうな職場なのか、転職前にしっかりと下調べをしておく必要があります。
また、パティシエの業界は狭いので、転職先の採用担当者と前職の上司が知り合いの場合が多々あり、前の職場に連絡をして情報交換をする事があります。その場合、きちんとした状態で退職していないとかなり印象が悪くなりますので、前職の退職の仕方にも気をつけましょう。
- 労働環境の改善を求めて転職する人も多いが、勤続年数が短かったり同じ理由での転職を繰り返していたりすると、採用されにくくなる。
本記事は2015/08/05の情報で、内容はパティシエとしての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。