平成24年度に新設された地域密着型サービス
地域密着型サービスは、その事業所が所在する市町村の許可によって事業運営をしており、サービスを提供する対象者は基本的にその市町村に住所がある人となります。
このサービスが出来る前までは、介護福祉士の求人について、都道府県の基準に沿って行われていました。もちろん、職員の基準などは厚生労働省の指針によってある程度は決まっていますが、従来よりも市町村独自の基準等を設けてもよくなりましたので、その地域の実情に合った基準が設けられます。
地域密着型サービスの場合、多くが「複合型」のようになっています。ある一定の利用者が登録をして、その登録者の中から通所介護のように施設に通う人、訪問介護のように自宅へ訪問してもらう人、さらに通所介護施設と併設されている場所に宿泊する人、というように複合型でサービスが提供されます。
正式名称としては「小規模多機能型居宅介護」や「看護小規模多機能型居宅介護」になります。通所や訪問、そして夜勤など、一つの事業所の中で様々なことが経験出来ます。
そういったところから、地元で働くことを希望していて、様々な職場を経験したい介護福祉士であれば、転職先として候補にあげることが出来ます。
- 地元で働くことを希望していて、様々な職場を経験したいのであれば、地域密着型サービスも視野にいれたい。
地域密着型サービスの施設
- 地域密着型の認知症共同生活介護
認知症共同生活介護施設は、一般的に「グループホーム」と呼ばれていますが、その地域密着型タイプです。その市町村に住所がある方にとって、自宅から離れて入所することが出来る施設となります。
仕事内容としてはグループホームと同様なので、日勤や早番、遅番、そして夜勤の泊りがあります。基本的に認知症の方が入所されていますので、介護福祉士で認知症の研修等を受講している人であれば、管理者にもなれる施設です。そういったポストを望んでいる人にとっては良い転職先といえます。
また、同じように認知症専門の通所介護「認知症対応型通所介護」というサービスも地位密着型サービスの一つです。内容は、認知症の方に提供する通所介護なので、やはり認知症専門の研修を受けた介護福祉士にとっては、能力を発揮しやすい施設です。
- 地域密着型の特定施設入居者生活介護
特定施設入居者生活介護とは、簡単に言えば介護付きの有料老人ホームです。地域密着型なので、事業所がある市町村に住所がある方が優先的に入所できるというメリットがあります。今は、有料老人ホームであっても看取り介護が求められていますので、介護福祉士として転職する候補先としても十分考えられる施設です。もちろん入所施設ですので、夜勤があります。
- 地域密着型介護老人福祉施設
定員が30人以下の小さな特別養護老人ホームです。地域密着型なので、存在する市町村の方が優先的に入れますし、市町村行政がその施設に優先的に入居者を紹介してくれる場合もあります。
業務内容としては特別養護老人ホームと同じだと思ってよいですが、基本的にユニット型という個室主体の施設になります。ユニットリーダー研修を受講したことがある介護福祉士であれば、ユニットリーダーにもなれますので、優先的に転職が可能といえますが、もちろん求められる責任も大きくなります。
- 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
これからの日本において要となると言われているサービスなので、介護福祉士として転職するには目をつけておきたい事業所です。
このサービスの特徴は、一日に何回、一か月に何回訪問介護をしてもらっても、定額料金で利用できるというものです。ですので、要介護度が重度の方であっても自宅で生活することが可能となりますし、訪問介護看護となっている場合、訪問看護も受けることが出来ます。
施設に入所してしまうと住み慣れた自宅を離れるため、どうしても抵抗がある方が多くいらっしゃいますが、このサービスがあれば選択肢の幅が広がります。介護福祉士にとっても、施設に居ないのに入居しているようなサービスを提供することが出来るので、やりがいのある仕事といえます。ただ、夜間対応型の場合には、夜中に緊急的に呼ばれることもあるので、当然夜勤もあります。
- 地域密着型サービスの場合、多くが「複合型」となる。
本記事は2016/03/31の情報で、内容は介護福祉士としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。