校正者の適性とは?
- 集中力の高さ
校正という職業は、長時間にわたる集中が必須の作業がメインとなります。文章だけではなく、時に大量の数値の羅列や複雑な図表、判読しにくい手書き原稿等々、集中力が途切れやすくなるようなリスクとも向き合わなければなりません。
したがって、どのような状況でも的確に原稿を読み解くことのできる集中力と、長時間それを持続させられる根気とが求められる職業となります。この集中力は、校正技能や語学の知識以上に校正者としての適性をはかる上での大前提となる資質です。
- 疑問に思う視点
校正の作業を行っていると、原稿に書き込まれた指示や原稿そのものの記述が本当に正しいのか疑問を感じることがあります。作業の原則としては指示通りに修正されているかどうかのチェックが優先事項ではありますが、編集者やライターが必ず正確な情報を反映させているとは限りません。校正者にはそのような疑問点について指摘し、注意喚起を行うことも期待されています。
ごく些細なことでも疑問に感じる新鮮な視点を忘れず、すぐさま調査して原稿の精度を高めることに貢献するのもプロとしての役割の一つです。知識が豊富であることよりも、好奇心や向学心の強いことが校正者としての適性として評価されます。
- コミュニケーション能力も重要
校正という仕事は長時間原稿と対峙し、黙々と行う孤独な作業というイメージが強いですが、実際には原稿についての疑問点や作業の要点、こちらが入れた朱書きの意図など、多くの部署やメンバーと頻繁に意見交換をする必要が生じます。したがって、的確に意思疎通を行い、全体の作業が円滑に進むような人間関係を構築できるコミュニケーション能力の有無が問われることとなります。
コミュニケーションの上手な優れた校正者は、部署間の橋渡しとしてチームの意思をまとめあげ、要として頼りにされる心強い存在となっています。
- 集中力の高さは大前提。好奇心と向学心を持ち些細な疑問も放置せず、関係各所とスムーズに意見交換ができるコミュニケーション能力の高さも必要。
本記事は2016/03/25の情報で、内容は校正としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。