旅行会社の最近の傾向について
最近は個人でアレンジした個人旅行が人気になってきているとはいえ、旅行会社も様々な新しいシステムや企画を打ち出し、マスメディアで評判になるほどの人気ツアーを持っている会社も増えてきています。
近頃は国内旅行を見直す動きもあり、町おこしや道の駅設置、それから生活に余裕があるといわれる団塊世代をターゲットにしたツアー、お年寄り向け、外国人向けと様々なツアーで一年中盛り上がりを見せているのが旅行業界です。
もちろん、最近の円安傾向で多少影響が見られるとはいっても、ゴールデンウィーク、お盆、年末年始などは、相変わらず海外旅行に出かける人は多く、これから景気が上向くに従って、旅行会社、レジャー産業はますます業績が上向いてくることが予想されます。
- 個人でアレンジした旅行が流行りつつあるも、様々なツアーを提供し続ける旅行会社。今後もホットな業界であると予想される。
旅行会社の経理業務の特徴
旅行会社の経理の特徴としては、年間を通して繁忙期と閑散期があること、また支払いに関しては小さなベンダー、つまり個人営業のツアーガイドや海外ツアーの現地添乗員やコーディネーターなど(社員が現地に出向くケースもあるが、最近は少ない)の外注の支払いが多いことです。
最近は、インバウンド需要により国内でも外国人観光客が激増しています。そのため、それぞれの言語に通じたツアーガイドが必要ですし、宗教や習慣にあわせたツアーを組むために有識者を集め、それぞれのお国柄・国民性にあったツアーを考える等のことも必要になってきています。
ツアーにかかる経費だけではなく、そのツアーを企画して実行するまでには、飛行機・バス・鉄道・フェリーなど移動手段はもちろんのこと、キリスト教徒のためにはホテルには必ず聖書を置いておく、イスラム教徒のためにハラルされた食材を使うレストランを探したり、ツアーの途中でプレイルームに立ち寄ったりなど細かい心遣いが必要ですので、ツアーにかかる諸費用も広範囲に渡り、支払い先も千差万別です。
ツアーがつつがなく終了すればいいですが、その間に事件や事故があったり、ツアー自体にキャンセルがあったりすれば、契約者に対して旅行代金の返金、極端なケースでは賠償金を支払うこともあります。海外では現地の旅行会社に仕事を委託したのに、サービスが遂行されなかったなどのトラブルもつきものです。
ただし国外旅行の場合は、海外旅行保険が殆どのケースをカバーしてくれますので、旅行者には加入をすすめます。それによって保険会社に定期的に顧客を紹介することができますし、お互いにメリットがあります。
最近では、企画やツアー自体をより小さな旅行業者やイベント会社、個人に丸投げすることもあるようです。そのため、事件が起こったときのリスク管理について問題視する向きもあるようです。
- 旅行会社の支払先は、ツアー運営に関わる全ての個人・法人になるため多岐に渡る。個人営業の添乗員やコーディネーターなども多いので、こういった外注先への支払いも多いのが特徴。
旅行会社へ経理職として転職する際に気をつけること
大手の旅行業者ならまだしも、中小の旅行業者では、様々な業務を兼務したりかなりの激務になる事が多く、出張もあります。経理スタッフの仕事は、基本的に事務所で担当者が送ってくる経費を精算したり、支払い処理をしたり、入金を確認したりするのが毎日の仕事です。ただし、他の事務仕事との兼務になることも多いです。月末には、月次決算(財務諸表の作成)、銀行の残高照会や、給料計算、全体の資金管理などもあり、仕事が集中するのは、どの業界でも同じです。
繁忙期は時間が不規則になったり、残業もあります。海外業者とのやりとりもあり、為替相場によって業績が左右される年もあることでしょう。海外では時差による遅れやインフラ不備による問題もあります。忙しいけれども変化の多い職場で、やりがいを持って取り組むことができる仕事と言えるでしょう。
また、航空会社、バス会社、タクシー会社、鉄道会社やフェリー会社、他の旅行会社や海外旅行会社などとの取引が多くなりますので、お得意さんとの長い付き合い、信頼関係を上手に守っていくのも大事です。支払いなど、遅れがでないように気をつけましょう。
転職先としては、これからどんどん伸びていく業界でもありますので、外国人向けのツアーを企画している中小企業などが狙い目でしょうか。大手の旅行会社も経理スタッフを募集していますが、タイミングを見計らって好条件の案件に応募しましょう。
- 中小の旅行会社では経理以外の事務仕事も任されることが多い。海外業者とのやりとりもでてくるので、為替相場や取引時間にも注意が必要。
本記事は2016/03/23の情報で、内容は経理としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。