看護師の【特別養護老人ホーム(特養)・介護老人保健施設(老健)・グループホーム】への転職

職業:看護師

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 介護・福祉施設には様々な種類がありますが、このページでは下記3施設の看護師の求人事情や仕事内容、役割について取り上げます。

 

【施設型】

  • 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム・特養)(※)
  • 介護老人保健施設(老健)

【地域密着型】

  • グループホーム

(※)「介護老人福祉施設」と「特別養護老人ホーム」は同じ施設を指します。法律によって名称が異なります。

 

 

 

看護師の特別養護老人ホーム(特養)への転職

特別養護老人ホーム(特養)とは

 特別養護老人ホームでは、病院と違って患者さまではなく入所者の方ということになります。特別養護老人ホーム(特養)を利用できるのは要介護認定で「要介護1以上」と認定された65歳以上の方で、自宅療養が困難な方が利用できる公共施設です。(※原則は「要介護認定3以上」の方が対象であり、要介護1、2の場合はやむを得ない場合に限り特例入所が許可されることもあります。また65歳以下の方でも特定疾病に罹患している方は入居が可能です)

 

 入所者の方にとって特別養護老人ホームは自分の家なのです。入所期間の制限がないため、数年をここで過ごし、6割以上の人の終の棲家となるという調査結果もあります。(参考:厚生労働省「第45回社会保障審議会介護保険部会資料 施設サービス等について」)

 

 要介護1以上と規定はありますが、実際は緊急性の高い方から順に入所可となるので、ほとんどの方が要介護4や5の方ばかりとなります。平成28年の入所者の割合は要介護4と5でおよそ68%を占め、平均要介護度は3.91であり、この数字は数年で微増傾向にあります。

 

【要介護度別在所者数(構成割合)の年次推移】

(出典:厚生労働省「平成28年介護サービス施設・事業所調査の概況」)

 

 入所者は主に認知症を患っている方が多く、特別養護老人ホームで働く看護師は、看護というよりはどちらかというと介護の部分の方が大きいと言えるかもしれません。また、寝たきりの方も多いので褥瘡防止のための体位変換や、入浴介助など、体力的な仕事が多くなります。

 

  • 介護が高く寝た切りの入所者が多いため、看護というより介護の意味合いが強い。

 

特別養護老人ホーム(特養)の仕事内容や特徴

 上記にも挙げたように、看護より介護の部分が大きいことが特徴であり、病院看護師との一番の違いです。入所者の体調が悪くなったり、合併症を起こしたりした場合にはすぐに提携する病院に搬送という形になるので、特別養護老人ホーム自体で看護行為を行うことはほとんどありません(急変が起こった場合などは救命処置を行う必要はあります)。その後、入院の必要があればそのまま入院し、退院の時にまた特別養護老人老人ホームに帰ってくるといった感じになります。

 

 

 また、バイタルサインチェック・体位変換・おむつ交換・入浴介助・食事介助・排泄介助などが主な仕事内容となるので、病院のようにバタバタしているイメージはないですが、バイタルサインチェック・食事介助以外は、体力的には中々ハードな仕事内容になります。

 

 特別養護老人ホームの特徴の一つとして、看取り看護の実施が挙げられます。下図のように「要望に応じて看取り看護を行っている」という施設は約66%にも上り、1年間で看取りに関わった平均件数は7.8件という調査結果も出ています(参考:日本看護協会「特別養護老人ホーム・介護老人保健施設における看護職員実態調査報告書」より)。老健や一般病院でも看取り看護はありますが、特養はその機会が多いということは、心に留めておくべきかもしれません。

 

(出典:厚生労働省「第45回社会保障審議会介護保険部会資料 施設サービス等について」)

 

  • 急な病態の悪化の場合は提携病院への搬送などが多く、看護行為自体は少ない。

 

特別養護老人ホームの転職・求人事情

  • 実際の求人は?

 特別養護老人ホームの数は年々増えており、職員のニーズも高まっています。看護師の転職サイトで「特別養護老人ホーム」の求人を検索してみると、「マイナビ看護師」では978件がヒットしました。

 

 

(参考:「マイナビ看護師※2018年6月29日時点の検索結果)

 

 他の転職サイトでも確認してみると、「ナース人材バンク」では3,452件、「医療WORKER」では5,827件が該当しましたので、求人自体は豊富にあることがうかがえます。(※いずれも2018年6月29日の検索結果)

 

(参考:「ナース人材バンク※2018年6月29日時点の検索結果)

 

 なお、施設によっては夜勤があります。「マイナビ看護師」で「特別養護老人ホーム」の検索に「夜勤なし」の条件を追加すると797件となりました。特養の8割ほどの職場は夜勤なし(日勤のみの勤務可)、残りの2割ほどは夜勤が必須であるということになります。これはあくまでマイナビ看護師の求人検索結果ですが、ひとつの参考にはなるでしょう。

 

  • メリットやデメリット・向いている人は?

 病院と違って一対一で入所者の方と向き合えるので、入所者の方一人一人と密な関わりを持てるのが最大のメリットでしょう。看護師として高齢者の方のお世話をしつつ、一人一人とじっくりと関わっていきたいという方には向いていると言えます。また、体力的にはハードですが比較的ゆったりした職場ではあるので、ほとんどの所が定時で帰ることができて残業が少な目であることは魅力です。ただし、前述の通り夜勤やオンコールがある職場も多いので事前の確認は必須です。

 

 

 反対に、看護の技術的な面ではあまり手技を必要としないので(あっても経管栄養やドレーンの管理)看護技術は学べないなど、新卒や経験が浅い人にとってはスキルアップの点で物足りなく感じる部分があるかもしれません。

 

 しかし、特別養護老人ホームに転職するにあたって経験年数を重視している所はあまりないので、経験が浅い方でも採用されることは可能です。「マイナビ看護師」では求人の3分の1ほどが「未経験でも歓迎」となっています。

 

 ただし、特養の看護職員の年齢は50代が30.7%で最も多く、40代以上が7割を占めるという調査結果もありますので、経験豊富な看護師が多く勤務しているのが実情ではあるようです。しかし20代~30代の看護職員も3割弱ほどおり(20代は12.3%、30代は16.8%)、他の介護系施設よりも若手が活躍している様子もうかがえます。(参考:日本看護協会「介護施設等における看護職員に求められる役割とその体制のあり方に関する調査研究事業報告書」より)

 

 

  • 特養の求人は多い。残業が少ない・看護技術は学びにくい、など、「特養ならでは」の特徴あり。

 

介護老人保健施設(老健)の看護師の転職

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介護老人保健施設(老健)とは

 介護老人保健施設は入院によってADLが低下した場合など、病院での治療は終了したけれどいきなり自宅で生活するのは難しいといった方などが、リハビリを行い再び自宅で生活できるよう支援することを目的とする施設です。要介護1以上の認定を受けた65歳以上の方が利用でき、入所期間は原則3ヵ月間で、3ヵ月ごとに判定が行われます。

 

 入所者で最も多いのは要介護4ですが、基本的には病状が安定しており、リハビリを経て自宅療法に戻ることを目的とした短期入所施設ですので、特養のように要介護4、5の方が極端に多いというわけではありません。直近の調査の平均要介護度は3.23と特養よりは低い数字になっています。

 

【要介護度別在所者数(構成割合)の年次推移】

(出典:厚生労働省「平成28年介護サービス施設・事業所調査の概況」)

 

介護老人保健施設(老健)の看護師の仕事内容や特徴

 リハビリは理学療法士や作業療法士の方が行うので、看護師の仕事としては自宅で生活できるようになるまでの間の介助及び健康管理をするといったものになります。いずれは自宅で生活するということが目的なので、介助といっても一部介助がほとんどです。そのため点滴などの医療行為を行うこともほとんどありませんが、バイタルサインチェックや皮膚トラブルのケアなどは行います。

 

 

 老健は常勤の医師が1名いるので、特別養護老人ホームなどと比べると急変時なども比較的安心といった面があります(特別養護老人ホームは常勤医師の規定がないので医師がいない所もあります)。全体的に病院と比較するとゆったりとしているので、ゆとりを持って仕事をしたいという人や、入所者の方と深く関わっていきたいという人にはお勧めです。一方で特養のように、看護技術の向上が望みにくかったり、体力的負担が大きい仕事になるので、転職の際にはよく検討することが必要になります。

 

 

  • リハビリ中心の仕事。急変時も医師がいる点は安心できる。

 

介護老人保健施設(老健)の転職・求人事情

 老健では職員の配置基準が明確に定められています。介護職員・看護職員は3:1(常勤換算)(※入所者3名につき1名が必要)が最低基準であり、看護職員は7分の2程度を基準とすることが定められています。入所者100名の場合で計算すると、看護職員・介護職員は34名、そのうちの7分の2が看護職員ですので「9名」が必要ということになります。

 

 こちらも看護師の転職サイトで「介護老人保健施設」の求人を検索してみると、「マイナビ看護師」では771件、「ナース人材バンク」では1,724件の求人が該当しました。(※いずれも2018年6月29日の検索結果)特養よりも求人数は減りますが、一定の求人はあることが分かります。

 

(参考:「マイナビ看護師※2018年6月29日時点の検索結果)

 

(参考:「ナース人材バンク※2018年6月29日時点の検索結果)

 

 老健は医療面のケアが特養よりも充実しており、24時間体制で看護職員が常駐している施設もありますので、夜勤ありの職場は多くなっています。こちらも「マイナビ看護師」で先ほどの「介護老人保健施設」の検索に「夜勤なし」の条件を追加すると、771件→260件に留まりました。あくまでマイナビ看護師の求人検索結果ではありますが、老健では3割強の職場が夜勤なし(日勤のみの勤務可)、7割弱は夜勤が必須ということになります。

 

 未経験者歓迎の求人は3割ほどあり、特養と同じく未経験でも応募自体はしやすいようです。ただし老健の勤務自体は未経験でも、ある程度の看護経験を積んだ方が勤務しているのが実情としてあるようです。

 

 老健の看護職員も50代が最も多く35.6%であり、40代以上がおよそ77%を占めるという調査結果もあります。20代の職員は5.2%に留まり、30代は16.7%と、特養よりも若手の看護職員は少な目です。(参考:日本看護協会「介護施設等における看護職員に求められる役割とその体制のあり方に関する調査研究事業報告書」より)

 

  • 明確な配置基準があり、看護師の需要もある。夜勤がある施設が多め。

 

看護師のグループホームへの転職

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グループホームとは

 グループホーム(認知症対応型共同生活介護)とは、簡単に言うと認知症や障害などを患っている高齢者の方が小規模(5~9名)な共同生活を送る場所のことを言います。今で言うシェアハウスのようなもので、入所者の方にはそれぞれ個室が与えられ、リビングやキッチンなどは共同スペースとなります。

 

 グループホームに入所している方々は自分の事はなるべく自分でするという目的があり、食事の用意や洗濯なども全て自分たちで行います。きちんと個室もあるので、認知症の方によくある「お金がなくなった。きっと同室のあの人がとったに違いない」といったことも防げるのです。また、病院などと違い「○○をする時間」という束縛がないので、入所者の方は自分のペースで自由に生活できるのも大きな特徴となります。

 

 グループホームの入所条件は、原則は要支援2~要介護5の65歳以上の方が対象ですが、65歳未満でも認知症の認定を受けた方(老期認知症、若年性認知症)であれば入所することができます。特養や老健との一番の違いは、この65歳未満で、要介護認定を受けていない方(要支援の方)でも入所可という点です。逆にある程度のADLの自立が必要であり、認知症の進行や身体状態の悪化などで共同生活が難しくなった場合は退所になる場合もあります。

 

グループホームの看護師の仕事内容・役割

 上記でも挙げたように、グループホームでは基本的に自分の事は自分でするというスタンスですが、健常者ということではないので中には食事や排泄の介助が必要な方もいます。そういった方のお世話をし、入所者の方の健康管理をすることが看護師の役割となります。といっても一部介助がほとんどなので、だいたいは生活していく上で危険がないよう看護師の視点から「見守り」を行うこととなります。しかし勤務者の人数が少ないので何かあった場合は責任重大となります。

 

 

 グループホームは施設というよりはどちらかと言うと自宅です。入所者の方にとっては最期まで住む終の棲家となる場合も多いので、なるべく過ごしやすい環境を整えることが、看護師として、職員としての務めです。そのため、危機回避のための環境づくりや指導がとても重要な役割となります。看護師としても入所者の人生の最期まで付き合う気持ちで看護を行う姿勢・気持ちが必要です。

 

  • グループホームの看護師は入所者のお世話と健康管理が主な仕事。危機回避の環境づくりや入所者に寄り添う姿勢が大切。

 

グループホームの転職・求人事情

 グループホームにおいては看護師の配置基準は定められていませんが、近年はグループホームにも医療面のケアの充実を求める声が挙がっており、看護師の需要も高まる動きがありそうです。しかし入所者の人数も少ないため看護師は1名配置が多く、元々の勤務者が少ないので中々人員の空きが出ないというのも現状です。

 

 こちらも転職サイトで求人を見てみましょう。「グループホーム」で検索してみると、「マイナビ看護師」では113件がヒットしました。「ナース人材バンク」では5千件以上の求人がありますが、多くが「非公開求人、もしくは現在求人を行っていないため要問合せ」となっており、実際の求人数は不明です。医療WORKER」では854件と、特養、老健よりは求人数は少ない様子です。(※いずれも2018年7月4日の検索結果)

 

(参考:「マイナビ看護師※2018年7月4日時点の検索結果)

 

 夜勤に関しては、マイナビ看護師」では4割ほどが夜勤なし(日勤のみ)、残り6割程度は夜勤ありとなっていました。

 

 また、条件に「未経験歓迎」を追加すると、該当求人は12件(約1割程度)とかなり少なくなります。職員の年齢調査結果を見ても、約9割が40代以上であり、20代は1.1%、30代は8.8%と若手が少なめです。(参考:日本看護協会「介護施設等における看護職員に求められる役割とその体制のあり方に関する調査研究事業報告書」より)

 

  • 配置基準の関係から、グループホームの看護師の求人は少な目の傾向。夜勤ありの職場がやや多め。

 

介護関連施設の看護師の給料・福利厚生は?

 介護福祉関係の給与は少ないと考えている人も多いです。日本看護協会の調査によると、介護系施設のスタッフ(非管理職)の全体の平均月給は約26万円、特養は約27万3千円、老健は約28万9千円、グループホームは約21万9千円という結果が出ています(各施設で「最も月給が高い正規職員」に対して、基本月給を質問したものです)。看護師の全体の平均年収は約478万円、月給は約33万円というデータ(看護師の年収・給料相場の記事を参照)から見ると、若干低い水準と言えるでしょう。

 

【看護職員の最も高い基本給月額(職位別)】

(出典:日本看護協会「介護施設等における看護職員に求められる役割とその体制のあり方に関する調査研究事業報告書」を加工して作成)

 

 当サイトの看護師悩み相談ページにも「介護施設に転職したが、給料面が不安」という質問が複数見られます。ただ、回答としては「病院勤務よりも給料は下がったが、働きやすく、自分の時間も持てて満足している」というものが多いのが特徴的です。

 

 また、すべての介護系施設で給料が低いかというと、一概にそうとも言い切れません。看護師として働くならば一般病院とあまり差がない所もあります。入所者の方がいるので夜勤がある職場も多く、その場合は夜勤手当も付きます。もちろん日勤だけでも採用してくれる所もあります。

 

 「マイナビ看護師」では、東京都の老健で月収30万円台、年収434万~570万円程度という求人もありました。ただ、このような高給与の求人はやはり少なく、基本的には病院と同程度か若干低い職場が多いのが現状です。

 

(参考:「マイナビ看護師※2018年7月4日時点の検索結果)

 

 また、福利厚生についてもやはり病院のほうがしっかりしている場合が多いです。医療行為を行うことがほとんどないので、手技などの面での教育は基本的にありませんし、勉強会などはあっても、研修などは行っていない所もあります。託児所などもついていない所がほとんどです。

 

 給料や福利厚生、待遇については、看護師専門の転職エージェントを利用して情報収集しておくのがお勧めです。特に介護関連施設の勤務が初めての場合は、入職してから仕事内容が想像と違った、思っていたより給料が低かった、介護職員など他職種との連携に苦労した、などの話もありますので、現場を見ているコンサルタントから話を聞き、アドバイスを受けてから応募先を決めることは非常に有益です。

 

特養・老健・グループホームの求人も探せる看護師転職エージェント

1位マイナビ看護師
2位ナース人材バンク
3位医療WORKER

 

 

  • 福祉関係の給料が極端に低いわけではないが、病院と同等かやや低め。福利厚生などは病院に劣るケースもあり、諸条件は事前の確認がベター。

 

 

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本記事は2018/07/06の情報で、内容は看護師としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。

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