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デイケア(通所リハビリテーション)の特徴とは?
デイケア(通所リハビリテーション)とは、自宅で療養中の方が日中リハビリをしに来る施設のことです。デイサービスと類似する部分もありますが、デイサービスは介護がメインであるのに対して、デイケアは医師の指示のもとで専門的なリハビリテーションをメインに行います。そのほか、レクリエーションや入浴介助なども行い、来所者の気分転換だけでなく家族の介護負担軽減の役割も担っています。
デイケアの来所者の内訳は要介護1と2が65%ほどを占め、この状況はデイサービスと大差ありません。平成28年のデイケアの事業所数は7,511で、ここ10年ほどで徐々に増加しています。しかしデイサービスは4万事業所以上ありますので、それよりも施設数は少な目です。
(出典:厚生労働省「第141回社会保障審議会介護給付費分科会 通所リハビリテーション(参考資料)」)
参考類似する「デイサービス(通所介護)」の看護師の転職事情や仕事内容も要チェック
デイサービス(通所介護)とは? デイサービス(通所介護)とは、高齢者が日中レクリエーションや、入浴をしに来られる場所のことを指します。一人で外出するのが難し...
デイケアの看護師の仕事内容や役割・やりがい
デイケアの看護師の仕事内容・役割は?
デイケアの看護師の主な仕事内容としては来所者の健康管理(バイタルサインチェック)ですが、食事・入浴介助、レクリエーションなども介護職の方と一緒に行います。医療行為を行うことはほとんどないですが、急変時の対応や応急処置などは勿論しなければなりません。デイケアには医師が1名常駐しており、リハビリは医師の指示のもとで行います。
また、デイケアでは来所者は基本的にリハビリをしに来ることを目的としているので、健康管理は特に重要な役割となります。年齢が高くなると感覚的な機能が鈍ってくるので、気温の変化や痛みに鈍感になりがちです。例えば、真夏にエアコンもつけずにいた高齢者がいきなり倒れて意識不明になった…などのニュースをよく目にしますが、それは感覚が鈍感になっていて体調が悪くても本人が気づかないということがあるからです。
元気にリハビリをしに来たけれど、実は体調が悪いということがあった場合には、看護師はいち早く気付いて対処しなければいけないのです。
デイケアの看護師のやりがい
デイケアでは病院と違い、来所者一人一人と密に関わっていかなければならないため、信頼関係を築くことがとても重要となってきます。病院では安心した入院生活を送れるよう支援することが大切ですが、デイケアでは安心した日常生活を送れるよう、心身機能回復の支援をすることが目的となり、看護師としてサポートすることがやりがいに繋がるのです。
また、デイケアは利用期間が比較的長く、180日以上利用する人が74.8%にものぼるという調査結果もあります(厚生労働省「第141回社会保障審議会介護給付費分科会 通所リハビリテーション(参考資料)」より)。看護師は、入所者と密接に、かつ長期間にわたって接することになります。入所者とのきめ細やかなコミュニケーションを図ること、状態の回復を身近で見ることでやりがいを感じるという人もいます。
- リハビリ中心のデイケアでも容体の急変などにも対応するため、看護師のニーズはある。デイケアならではのやりがいもある職場。
デイケアの看護師の転職や求人事情・志望動機の書き方
デイケアの看護師の求人は?
前述の通り、デイケアの事業所数はそれほど多くなく、求人もさほど多くありません。看護師の配置も必須ではなく、利用者10人に対して従事者が1名(リハビリ専門職(理学療法士・作業療法士・)、看護師、准看護師、介護職員のいずれか)という基準になっています。
看護師の転職サイトで検索してみても、「マイナビ看護師」のデイケアの求人は54件とかなり少ないことが分かります。
(参考:「マイナビ看護師」※2018年7月12日時点の検索結果)
「ナース人材バンク」で検索すると259件に増えますが、「非公開、もしくは現在募集をしていない可能性があるため要問合せ」の求人も相当数含まれており、Web上の公開求人は20件程のようでした。
(参考:「ナース人材バンク」※2018年7月12日時点の検索結果)
このように元々の求人数が少ない職場への転職こそ、看護師の転職エージェントをうまく使うべきとも言えます。数社のエージェントに登録をして、デイケアの求人が出たら紹介してもらう、というのも一つの方法です。
デイケアの看護師の志望動機のポイント
デイケアの看護師はリハビリの補助や入浴介助などにも関わるため、他の施設以上に他職種との連携が重要になってきます。下記のようなポイントを志望動機に盛り込めると良いですが、デイケア勤務未経験の場合は転職エージェントのコンサルタントからアドバイスも貰えますので、登録してみるのもおすすめです。
- 個々の利用者と、より深くコミュニケーションを取り、生活支援の手助けをしたい
- 看護技術を活かした医療的ケアと、リハビリテーションの両面から利用者を支えたい
- リハビリ専門職員や介護職員と連携を取りながら、レクリエーションの企画などにも積極的に携わっていきたい
デイケアの看護師の給料・年収は?
デイケアは日帰りのサービスですので、日勤のみの勤務となります。給料に関しては、やはり夜勤手当がない分、病院と比べると低い水準になりがちです。「マイナビ看護師」や「ナース人材バンク」の求人を見てみると、エリアにもよりますが、おおむね月給20万円~、年収300万円~程度が相場であると推測できます。しかし、「日勤のみ・夜勤なし」という点を最優先にするならば、転職先の候補には十分入ってくるでしょう。
- デイケアの看護師の求人は少ないので、転職エージェントを使って紹介を受ける方法も有効。
精神科デイケアの看護師
実はデイケアがある精神科病院もあります。統合失調症や鬱病の方などがリハビリをしに来るための施設で、来所者も一般的なデイケアに比べると比較的若い方が多いです。内容は一般的なデイケアとほぼ同じですが、大きく違う所は看護師の重要な役割として服薬管理があることです。自分で服薬できるようになることが目標であり、それに向かって支援・指導していくことが必要とされます。
精神科デイケアの配置基準としては看護師が専従で1名必要となるため、看護師のニーズは一定数あります。例えば「マイナビ看護師」では下記のような精神科病院のデイケアの求人があります。
(参考:「マイナビ看護師」※2018年7月12日時点の検索結果)
また、「医療WORKER」で「デイケア」+「精神科」のキーワードで検索すると、229件がヒットします。精神科専門病院をはじめ、精神科併設の介護施設のデイケアなど、比較的幅広い求人が見つかります。精神科の専門領域を学んでキャリアアップという道も開けます。
(参考:「医療WORKER」※2018年7月12日時点の検索結果)
一般的な「デイケア」のイメージとは異なりますが、精神科のデイケアの求人もあるので参考までに記載しておきます。
- 精神科デイケアという少し変わった職場もある。
本記事は2018/07/17の情報で、内容は看護師としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。