土木工事会社
土木工事業界は一時持ち直すも現状維持~低迷状態
土木工事会社は、道路、橋、トンネル、ダムなどの公共インフラに関わる工事を主に担当します。官公庁などから直接工事を請け負う場合もありますが、建設会社(ゼネコン)からの発注を受けて、一次請け、二次請け…として実際の工事を担当するケースも多いです。
土木工事の業界は、長引く不況や景気悪化、資材高騰のため低迷が続いていました。しかし近年は公共事業投資や震災復興、東京オリンピックに伴うインフラ整備などの建設特需によって徐々に工事数が増加し、一時期の低迷は持ち直しつつあります。転職ステーションが集計した業界全体の売上高の推移を見ると、2011年以降は増加傾向に転じ、2014年からは横ばい〜やや下落傾向となっています。
国土交通省の「建設工事受注動態統計調査」によると、平成29年度の土木工事の受注高は23兆4116億円、前年比2.7%減という結果でした。土木工事は公共事業の割合が大きいですが、公共、民間ともに横ばい〜やや減少傾向にあり、建築経済研究所の「建築投資の見通し」によると、政府土木投資は以降も緩やかに減少するとの見通しもあります。
インフラの老朽化に加えて、近年の災害の多発に伴う復興や補修、補強作業などの見込みはありますが、今後は不透明な状況です。
(出典:建築経済研究所「建築投資の見通し(2018年度・2019年度見通し)」」)
若手の人材不足とIT化が急務
建設業界全般に言えることですが、土木工事会社も深刻な人材不足に悩まされています。建設業における29歳以下の割合はおよそ11%と、他業種に比べて高年齢化が目立ちます。数年後の大量退職に備えて、若手の人材確保のために、労働環境の改善などに注力する動きもみられます。
また、建設業界の生産効率化を図るべく、国土交通省は建設ICTの導入を推進しています。
業界全体の将来性としては懸念点はあるものの、転職を検討する若手は、人材不足かつIT技術に明るいという意味もあって比較的歓迎ムードと言えそうです。