転職市場で信仰残る「30歳限界説」は今どうなっているか?

ライター:工藤崇

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 転職市場には「30歳限界説」という言葉があります。30歳を過ぎると、とたんに転職の門戸が狭くなり、30歳以降転職を希望する人は苦労をする、という使われ方をします。この30歳転職説、現在も残っている傾向なのでしょうか?私なりに考察してみます。

 

30歳限界説は残っている?

 結論からいうと、30歳限界説は残っている会社も、残っていない会社・業界もあるといえます。会社や業界というよりは各会社の人事部、人事担当者という表現の方が正しいかもしれません。それほど会社によって年齢を重要視するところと判断材料にしないところは分かれています。

 

 ひとつの例を考えてみましょう。たとえば同じ能力と同じ性格を持つ25歳のAさんと30歳のBさんがいたとして、どちらか1人しか採用できないという場合、Aさんを選択する会社はおそらく多いでしょう。それはやはり、Aさんの方が「時間」があるからです。どれだけスペシャリストとしての能力がある場合も、会社という組織に転職するのであれば、転職先の会社員として慣れる「一定の時間」は不可欠です。その会社に定年が設定されているのであれば、定年までの「時間」と言い換えることもできます。

 

 上記の例は「同じ能力と同じ性格」ということで非現実的なので一つの仮想ケースということで理解して欲しいのですが、ここで年齢で不利なBさんが実際に採用で勝つためには、Aさんより5年長い実務経験を活かして、Aさんとのあいだに優位性があることを会社の人事担当者に伝えることが必要です。実際は「同じ能力と同じ性格」ではなく何かしらの差別化できるポイントがあると思いますので。

 

 実際の世界には「まったく同じ能力」などあり得ないため、この優位性は簡単に伝えられるでしょう。Bさんに実績を伝える「想い」とプレゼン能力があれば、年齢のギャップはカバーできるでしょう。

 

新しい世界には年齢など関係ない?

 筆者は、金融(Finance)×テクノロジー(Technology)によって様々な世界を変えるFintech(フィンテック)の世界で仕事をしています。この世界はここ10年前後で拡大してきた世界です。もちろん金融×ITというだけあって、銀行など金融機関の出身者や、コードを書いて何十年も経験を積んできたというエンジニアの猛者が活躍しているのは事実です。

 

 ただその一方で、これまで金融もITも経験がないけれど、自身のバックグラウンドを活かして会社を興し、Fintech業界で活躍している人材が多いのも事実です。AI(人工知能)やIOT(世の中すべてのものがインターネットと繋がるという考え方やサービス)とともに、世界をひっくり返す力を持つ、ともいわれているこのFintechですが、幅広い年齢の人間がこの世界に飛び込んできています。

 

 私の考えでは、少なくとも今後縮小化していく世界に向かうよりは、何倍も可能性のある転職といえると思います。ここで考えて欲しいのは「30歳限界説が実際にあるならば30歳までしかFintechの世界へ転身できないのか?」ということです。皆さんもおわかりの通り、自分のアピールポイントさえあればそんなわけはないので、新しい業界の場合は特に年齢は関係なく実力勝負となると言えるのかもしれません。

 

 Fintechのように新しく出来た世界にチャレンジする場合、何よりもモノを言うのは「強み」です。強みがあれば、年齢は重要視されないどころか、「まったく問われない」ということさえあり得ます。

 

定年退職後の「再就職」のマーケットからわかること

 FPとして転職市場を見ていて感じるのが「定年後の再就職市場」にも変化の波が押し寄せているのではないかということです。以前であれば、60歳を超えて長年勤めた会社に再雇用をされるか、あまりスキルを必要としない仕事に転職するかという選択肢でしたが、最近は様子が異なります。大企業で長年勤めあげ、素晴らしい実績を持つ人が、友人と共同でベンチャー企業を立ち上げ、軌道に乗せるという話も、なかなか珍しくはなくなってきました。

 

 年金不安や長寿社会の到来によって、この傾向は今後更に広がっていくと予測されます。実際に年金受取開始が現在の65歳から遅くなりそうな世情になると今以上に、「公的年金に頼ってばかりでは老後が不安だ」という声が高まってくることでしょう。そうすると、現役時代という長いスパンが、そのまま実績となり、「再就職」も差別化していくのではと予想しています。そのうち、いわゆる65歳以前が「前座」として評価されるような時代が到来するかもしれません。

 

 「定年退職後の再就職のマーケットからわかること」として私が言いたいのは、「年齢よりもスキル・エネルギーの方が重要視されている」ということです。年齢がどうあれスキルが高くエネルギッシュな仕事ができればどんな企業もその人材を欲しがることでしょう。

 

今回の記事のまとめ

 上記のようなこともあり、私が最近感じるのは、「30歳限界説は昔の言葉なのかもしれない」ということです。ただ「いつでも何歳でも転職できる」ということではなく、年齢制限の風潮が薄まってきたのと背中合わせで、自分のキャリアを明確にしていつの時でも自分の強みを評価してもらえる人材であることが大切であるということです。みなさんは胸を張って自分の強みを語れますか?

 

ライター

工藤崇丸の内に本社を構えるFP会社の代表取締役社長

「FP会社社長が語るライフプランと転職」シリーズ

CEO写真(2)

 

丸の内に本社を構えるFP会社株式会社FP-MYS代表取締役社長兼CEO。1982年北海道出身。ファイナンシャルプランニング(FP)を通じて、Fintech領域のリテラシーを上げたいとお考えの個人、FP領域を活用してFintechビジネスを開始・発展させたいとする法人のアドバイザーやプロダクトの受注を請け負っている。資格予備校である株式会社TAC出身のため、資格ビジネス、人材キャリアビジネスにも精通。Fintechベンチャー集積拠点Finolab(フィノラボ)入居企業。執筆実績多数。株式会社FP-MYS公式ホームページ(http://fp-mys.com/

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