「報酬はこれから」という企業に転職する時のFPからのアドバイス

ライター:工藤崇

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 筆者が活動しているのはFintech(フィンテック)という、まさにリアルタイムで急成長している領域。日進月歩で様々なビジネスが生まれている分、昨日まで社員数人の小さな会社が短期間で急成長を遂げる世界です。

 

 このように急成長するビジネス領域には様々な企業がいますが、多くはスタートアップといい、資金調達先からの大型融資を受けて一世一代の「仕掛け」を行い、拡大するベンチャー企業がほとんどです。

 

 このような企業の場合、社長の志に共感して貰い、めでたく仲間となったものの、いわゆる「先立つもの」を提供するのはなかなか至難の技。ただ、そのように先の見えない段階から、参画(ジョイン)してくれた仲間たちにはどうにか感謝の気持ちを伝えたいものです。

 

 そこで、経営陣はいくつかの方法で、早い段階からジョインしてくれた仲間たちに応えます。

 

ストックオプションとIPO

 経営者がこの段階で示すことができるのは主に2つ。ストックオプションとIPOです。

 

  • (1)ストックオプションとは?

 誕生まもないベンチャー企業は株価も廉価です。なかには経営者が会社設立時に株を購入した額の「まま」ということもあります。その場合に、役員となって欲しい人に議決権を持って欲しいと株価を渡したからといって「たいした額」にはなりません。そこで、ストックオプションという制度があります。

 

 ストックオプションとは、将来会社が成長して株価が上昇した際に、あらかじめ約束した金額で株価を購入できる「権利」のことです。これを株価の安い段階で経営者と役員(従業員)のあいだで約定することにより、役員は株価が急上昇したあとに廉価で購入することができます。

 

 そこで株を購入したあとは、引き続き株主のひとりとして評価の高くなった株式の所有を維持するもよし、売却するもよし。ストックオプションは「会社に貢献してくれたことに対し、将来的な利益で返す」ことを目的としているため、売却に関して経営者の同意を得やすいものです(会社によっては株の売却に対し、経営者の同意を得る必要がある場合もあります)。

 

 実際に筆者のまわりでも、会社のスタート段階からジョインしてくれた仲間に対し、積極的にストックオプションを出している経営者も多くいます。ただ、値上がりした株価を実際に渡す際は、その差額が経営者から役員に対する「贈与」として認識され、贈与税が課せられる場合もあるため、信頼できる税理士を加えたうえでの管理が必要です。

 

  • (2)IPOとは?

 もうひとつのIPOとはどのようなものでしょうか。IPOとは株式公開を指し、もはや一般の人にも伝わる言葉として定着しています。それまで関係者だけが持っていた、非上場会社となっていた会社の株式を、東京証券所などに上場することによって、「誰でも」購入できるようにし、既に所有していた人は莫大な上場益を得ることができます。この証券所は東京のほか、大阪や名古屋、札幌などにあり、2か所以上で上場することも可能です。

 

 たとえば、創業当初から参画していた人は、一般的にその分大きな割合の株式を有しているものです。それゆえ上場によって得られる金銭的メリットも大きくなる傾向があります。IPOは経営者にとっても、創業当初から参画していた役員たちにとっても目標であり、ひとつの到達点と言えるでしょう。

 

 特に創業当初、いわゆるVC(ベンチャーキャピタル)から資金提供を受ける場合は、このIPOがひとつの目標となります。つまり先行投資の資金提供に対し、IPOを持って回収することになります。そのためベンチャー企業のなかには、VCの望むタイミングでIPOをするケースもあるようです。

 

 ただ、いずれにしろIPOは役員や従業員にとって、そしてもちろん経営者にとって、当初準備できなかったお金に代わる「感謝の意を伝えるイベント」になります。

 

スタートアップ企業にジョインするときの注意点

 スタートアップ企業にジョインするのは、とてもワクワクするものでしょう。ただ、当初の報酬は満足できない(場合が多い)分、ライフプランの観点では長期的な視野が必要です。

 

 スタートアップ企業のどの段階に参画するかにもよりますが、当面のライフプランのなかでまとまったお金のかかるイベント(自動車・自宅購入、海外旅行)などは不安定期が過ぎてからの支出にした方がいいのではないでしょうか。

 

 また配偶者の方にお仕事をしてもらうなど、参画したスタートアップに「もしも」のことがあった場合、対応できる体制は整えておきたいものです。収入口を包括的に見て、臨機応変に対応できる視点を忘れずに「挑戦」していきたいものです。

 

ライター

工藤崇丸の内に本社を構えるFP会社の代表取締役社長

「FP会社社長が語るライフプランと転職」シリーズ

CEO写真(2)

 

丸の内に本社を構えるFP会社株式会社FP-MYS代表取締役社長兼CEO。1982年北海道出身。ファイナンシャルプランニング(FP)を通じて、Fintech領域のリテラシーを上げたいとお考えの個人、FP領域を活用してFintechビジネスを開始・発展させたいとする法人のアドバイザーやプロダクトの受注を請け負っている。資格予備校である株式会社TAC出身のため、資格ビジネス、人材キャリアビジネスにも精通。Fintechベンチャー集積拠点Finolab(フィノラボ)入居企業。執筆実績多数。株式会社FP-MYS公式ホームページ(http://fp-mys.com/

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