
転職活動を始める際、気になるのが、「平日に選考があった場合、みんなは今の仕事をやりながらどう両立しているの?」という点ではないでしょうか。できれば、会社にバレずに転職活動を行い、転職先が決まってから、スムーズな退職交渉をしていきたい人は多いでしょう。
企業によっては最初の説明会は土日にやってくれるものの、面接選考辞退は平日に行うことが多いです。そんな場合に、どうバレずに転職活動を行うか、その方法をここでご紹介していきます。転職活動を始めるタイミングでバレないかどうか気になっている方、選考が増えてきて「バレてしまうのでは?」と心配になっている方はぜひ参考にしてみてください。
<※転職活動で大切な心得>
転職活動をする上で大切なことは、現職、転職先企業の両方に不義理な行動をしないことです。現職にとって不義理なのは、アポイントが入ったと嘘をついて企業の面接に行くことや、退職が決まった後に有給消化を取る際、引継ぎをおろそかにして迷惑をかけるなどです。転職先にとっての不義理な行動は、内定承諾を引き延ばしておいて断ることなどです。
このように自分がした行動で自分の品位を落とすような事は止めましょう。転職活動をする事は誰に止められる必要もないことですが、やり方によっては不義理になる場合もあります。お世話になった会社や会社の人たちに対して、礼を尽くしながら仕事と転職活動を両立させるのが社会人としてのマナーです。
転職活動が現職の会社にバレると厄介な理由
現職の職場で転職活動がバレると厄介な状態になる場合もあります。
- 社内中に知れ渡り、病欠などでも転職活動と疑われる
社内全員が転職活動のことを知っていて、病欠した場合や早く帰る時などでさえも転職活動だと疑われる可能性があります。どう弁明しても信じてもらえないですし、不義理をする嫌な奴というイメージがついてしまうと在職期間中に嫌な思いをする可能性が高くなります。
- どうせ辞める人と思われ、仕事を振られなくなる
あなたともう1人、仕事を振る対象がいた場合、転職活動中と思え割れているあなたは選ばれず、もう1人の人に仕事を振られる可能性があります。転職活動がバレただけで、仕事のチャンスをなくしてしまうこともあるのです。これは水面下で動いていることもあるため、あなたの気がつかないうちに、そうされている可能性もあります。
- 激しい引き止めに合う
転職先が決まってから退職交渉する場合と、転職先が決まっていない状態で退職交渉する場合では、短期間で済む可能性に大きく差が出ます。転職活動がバレてしまうと、転職活動の状況を話さざるを得ない状況に追い込まれる、不満な点を話させようとするしつこさが変わってきます。そこを糸口に引き止めが始まり、長期化するため非常に転職活動がしづらい状態になります。
- 距離を置かれる
仲が良かった同僚やチームのメンバー、あなたの上司なども、あなたが転職すると聞いて態度が変わる可能性もあります。今まで耳に入っていた情報が入ってこなくなる、うまくコミュニケーションを取れていた関係性が、いつの間にかなくなってしまっているなどが起こる可能性があります。
転職活動中と聞くとあなたがどこに転職するのかわからないため、競合他社にいかれる場合、会社の情報を持ち出すリスクを考えて話さないようにするのが一般的です。また、ずっといてくれるだろうと思っていた人にとっては、あなたが転職活動をしていることが青天の霹靂でショックが大きく、離れていってしまうこともあります。
バレない転職活動を行うテクニック
転職活動をバレないように行うには、面接などの転職活動を行う前の下準備、活動中の工夫がとても大切です。ちょっとした工夫で行うことができますので、ぜひチャレンジしてみてください。
- 有給取得して選考を受ける
平日の勤務中に抜け出すのは不義理になりますから、有給を取得して選考を受けるようにしましょう。有給を取得していれば、会社に大きな迷惑をかけることもないですし、正当な権利を使っているだけなので問題ありません。ただ転職活動時期が繁忙期にあたる事は避けるなど、最低限迷惑をかけない方法を選択するようにしましょう。
- 勤務後に選考を受ける
選考が進んできて面接になると平日にシフトして来る会社が多くなります。現場の部長やマネージャーが面接担当者になるケースが多いからです。その会社にもよりますが、もし定時以降に面接をしてもらえる場合は勤務終了後に選考を入れるようにしましょう。
- 転職活動を始める前から、有給取得をしておく
転職活動をする前に有給を全くとっていなかった場合、急に有給を取得し始めるとその変化に驚かれる可能性があります。転職活動前から「有給をとって〇〇を始める」などの新しい目標を、さりげなく周りに伝えておきましょう。
そうすれば社内で「最近〇〇さんすごい有給取ってるけど、どうしたんだろう?」と聞かれたときにも、「最近〇〇を始めたから、有給使って楽しんでるらしいよ。」などと、会話されることで、怪しまれる事なく有給取得ができるようになります。
- 転職活動を始める前から、定時退社を心がける
転職活動を始める前は残業人間だったのに、転職活動を始めた瞬間に急に定時で帰るようになった場合は、非常に怪しまれる可能性が高いです。面接が開始する前から定時で退社をするようできれば心がけましょう。こちらも会話の中に織り込んでいくのが大切です。
定時に退社して料理を作っているということや、読書をしているなど自分の時間に当てているということを伝えておけば、定時で帰ることが多くなったとしても怪しまれることがありません。自分の仕事の仕方を変えるチャンスにもなるのでぜひ試してみてください。
- 月・金に有給取得
有給を取る場合、火曜や水曜日などに有給を取得すると「なぜ連休にしないんだろう?」と思われる可能性があります。企業に伝える希望日程が選べるようであれば月曜日や金曜日などにしておき、連休を取ってリフレッシュするための休みに見せるようにしておきましょう。
- 日中の日程連絡などはメールか留守電に
日中、外出をしない職種で働いている場合は、会社の近くで電話を取ることになってしまいます。その場合電話の内容を聞かれて転職活動していることがバレてしまう可能性が上がります。事情を話しておき、選考の連絡をメールにしてもらうか、留守電に入れてもらってメールで返信する許可をもらう、などの工夫をするようにしましょう。
- 外で着替える
私服通勤、勤務の方が、仕事帰りに面接を入れた場合、着替えて面接に向かわなくてはなりません。その場合は転職先の企業の近くにある百貨店や、商業施設などの広いトイレで着替えるようにしましょう。職場から近いとばったり会ってしまう可能性もあります。大荷物になって怪しまれてしまうという場合は、コインロッカーなどに預けておきましょう。
- 普段通りに仕事をする
これが1番大切です。定時で退社し、面接を受ける場合でも、急いで帰るような素振りを見せてしまうと何か後に予定があるのではと勘ぐられてしまう可能性があります。できるだけ自然に帰る事を心がけましょう。
また、普段働いている時も転職活動のことが頭に浮かぶことがあるかもしれません。しかし、気が散って仕事に身が入っていないことがあれば、社内の誰かは必ず気がつきます。変な評判で周りからの評価を下げないように、職場では仕事の事しか考えない、というルールを自分に課しましょう。
- 人に絶対話さない
「人の口に戸は立てられぬ」というように、信頼できる上司や同僚でもうっかり話してしまう、もしくは会社のためを思って共有してしまう可能性もあります。その人の立場も考えると致し方ないことと考えましょう。転職活動のことは社外の友人に相談するなどして、社内には一切話さずに行っていくのが大切です。
今回の記事のまとめ
会社にバレずに活動するコツをご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?
転職活動期間は非常に神経を使い疲れると思いますが、会社に迷惑をかけないようにしっかりスケジューリングや仕事の段取りをしておきましょう。そうすることで結果的にバレずにスムーズな転職活動を行うことができますし、後ろめたさのない、気持ちの良い転職を行うことができます。
高下真美リクルートグループ勤務経験からの独自の視点が好評
「元人材業界出身者による転職お役立ちコラム」シリーズ
新卒でインターンシップ紹介、人材派遣、人材紹介のベンチャー企業に入社。大学4年の在学中から勤務を開始し、営業・コーディネーター・人事・総務に従事。名古屋拠点立ち上げなど様々な業務を経験。取引先はベンチャー企業から大手のIT、流通、情報、サービスなど多岐に渡る業種に対し、営業・コーディネーター、両面の業務を担当。その後、株式会社リクルートジョブズ(旧社名:リクルートHRマーケティング)に転職し、リクナビ、リクナビNEXT、はたらいく、とらばーゆ、タウンワーク、フロム・エーナビなどの求人広告や、年間の採用計画、企業の成長に合わせた人材像の見直しなどを提案する営業として8年勤務。その間にMVP、チーフとして率いたチームでMVTなどをそれぞれ複数回受賞。既存顧客の取引拡大、新規開拓業務に従事。大手アパレル、外食チェーン、流通、医療など幅広い業種に対して、新卒・中途、アルバイト・パートの年間採用プラン、採用支援システムを提案。結婚、夫の転勤を機に退職し、現在は人材系コラム、女性のライフスタイル系メディアの記事執筆など、フリーライターとして活動中。