新しい転職チャネル「リファーラルリクルーティング」はこう活用しよう

ライター:菊本健司

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 採用者の立場から今、最も興味があるのが「リファーラルリクルーティング」という採用手法です。リファーラルとは「推薦」という意味で、自社の社員や取引先など社外の信頼できる人達を介した紹介・推薦などによる就職活動の事です。一言で言うと「人づての紹介・推薦採用」でしょうか・・・。

 

 しかし、昔の縁故採用とは全くの別物です。 今回は、このリファーラルリクルーティングという採用チャンネルを転職活動にどう生かすかについて紹介して参ります。

 

「リファーラルリクルーティング」のメリット

 この採用手法は、企業にとってみると、どういうメリットがあるでしょうか?いくつか挙げてみます。

 

<採用者側のメリット>

  • 採用にかけるコストが情報誌への掲載や人材コンサルタント等の活用に比べ安くすむ。
  • 今まで確保する事が難しかった採用層に対して採用できるチャンスがある。
  • 採用企業と転職者とのミスマッチ要因を軽減する事が出来る。
  • 採用企業へのミスマッチが少ない分、定着率が他の採用方法と比較して高い。
  • コミュニケーションスキル確認が容易(コミュニケーションが良好でないと推薦・紹介されることがないから)。

<転職者側のメリット>

  • 自身の納得する転職を他の採用チャネルより行いやすい。
  • 企業文化や価値観など企業のなかなか表に出ない要素と自分がマッチできるか確認が容易。
  • 採用プロセスの簡略化。

 

 リファーラルリクルーティングは、上記のように双方に利点が多い採用手法として注目されているのです。また、最近ではSNSなどが普及し人と人とのつながりが可視化できるようになったことなどから、社員紹介採用報奨金などの整備を行って積極的にこの採用チャネルを活用する企業も出はじめています。

 

リファーラルリクルーティングを活用するためにすべき事

 転職を考える方にとって、リファーラルリクルーティングを活用するといっても、どの様に活用して行けば良いのかとい疑問があるでしょう。ここでリファーラルリクルーティングを活用するためのステップをご紹介します。

 

  • (1)転職の緊急性を見極める

 リファーラルリクルーティングは、「今すぐ明確に転職したい」という方よりは「将来的に転職も選択肢に入れている」「離職期間を作らないため在職しながら転職先を探す。その為には時間が少しかかっても良い」という方に向いている転職手法です。今すぐ明確に転職という方は、複数の転職支援チャネルを利用することをお勧めします。まずは自分の転職の緊急性を考えましょう。

 

  • (2)人脈を創る・メンテナンスする

 次に、社外の人脈をどの様に創っていくか・整備やメンテナンスをどの様にしていくのかを考えてみましょう。同じ業界の場合は、業界動向の研究会や技術に関する勉強会、業界の特定テーマによるセミナーや講習会などへの参加などもいいでしょう。リアルなイベントを積極的に活用する事で人脈を構築していくことはやはり有効です。

 

 また、異業種であれば同じ趣味とか関心のある事を接点に人脈構築するのも悪くありません。こちらの活動もリアルに行う事が重要で、その交流が企業の採用担当者の目に止まる可能性を高めて行きます。人とのつながりを大事にすることが自分のキャリア形成に大いに役立つ可能性のある時代であるという認識を常に持っておきましょう。

 

  • (3)発信する

 自分が現在、何をして何に興味を持っているかを社外で発信する事ができなければ、リファーラルリクルーティングを活用する事はできません。しかし、SNSなどのバーチャルなネットワークを過度に活用してしまう事は避けたほうが良いでしょう。特に仕事に当たる機密情報や企業の内情などはSNSの利用について一定のルールを設けている企業も多くなってきましたので注意が必要です。

 

 ここで言う発信とは、発信するルートにも注意が必要ですが、短時間で自分のキャリアやキャリアプランを相手に伝えていく為の発信力・伝達力も大変重要になります。

 

  • (4)自己紹介を工夫する

 相手の印象に残りやすい“自己紹介”を工夫してみて「まず、認識を得る」というのも良い方法です。ここで言う自己紹介は、転職面接などの自己紹介(PR)である必要はありません。むしろ、趣味や集まりなどで活用できる自己紹介です。

 

 例えば、自己紹介をセオリー通りに名前から行わずに、仕事や趣味などを先にしてその後に名前を言うだけでも相手の印象に残る度合いは格段に変わってきます。「菊本健司です。野球観戦が趣味です。」というより、「野球観戦が趣味な菊本健司です。」といった具合です。

 

 自己紹介では、最初に発する言葉に最も注目が集まります。その事を相手にまず伝える事で、相手に興味がわいて来れば後に続く名前も思えてもらいやすくなります。また、仕事の話を自己紹介に組み込む時には業界の専門用語や業界人なら当然わかるだろうという思い込みによる表現を避けて、誰にでも理解できるような言い回しに工夫する事が必要になります。

 

 家族等に話してみて伝わるか伝わらないかを確認したり、家族に質問を求めてみるのも改善には大きく役立ちます。是非、試してみて最良の自己紹介を手に入れておきましょう。

 

今回の記事のまとめ

  • 近年、リファーラルリクルーティングという「人づての紹介・推薦採用」を価値要する企業が増えてきている。
  • リファーラルリクルーティングは、ある程度の期間をかけて転職を考えている方に向いているリクルーティング手法。
  • 人とのつながりを大事にすることが自分のキャリア形成に大いに役立つ可能性のある時代になってきた。
  • リファーラルリクルーティングは発信する事が重要だが、その手段ばかりに囚われずに自身の発信力や伝達力にも目を向けて精度を高める必要がある。その取っ掛かりとして自己紹介を工夫してみると良い。

 

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ライター

菊本健司IT系上場企業の現役採用責任者

「現役の採用責任者が語る転職のいろは」シリーズ

kikumoto

 

地方のIT上場企業で現役採用責任者(部長職)で年間200名以上の採用を行う傍ら、就活セミナーの講師などを兼務。就職活動をグローバルにとらえ、3つの節目「1.内定を取る」「2.就職した企業で正社員を維持・正社員のまま転職(あるいは、再雇用・正社員化)」「3.再雇用などセカンドステージに備える」においての”より良いキャリアアップ”をどの様に行っていくかを自身の経験や体験を交えて大学生、専門学校生、職業訓練校生やキャリアアップ研修受講生若者再チャレンジ対称者(再雇用・正社員化・転職)等に伝える活動を展開中。

採用担当者ゆえに企業(採用側)の事、学生の事、面接を中心とした就活テクニックの今、が分かる事を強みに、一般的なキャリアメイク講座とは一味違う、役に立つアドバイス(セミナー)を実践することがモットー。

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