人事部門からみて「ありがたい」転職者とは?

ライター:永見昌彦

25views

 転職活動をする際に必ず関与するのが人事部門になります。最初に候補者との面接を人事部門が行い、採用候補者を絞ってから現場部門に選考を依頼している企業もあれば、選考のほとんどは現場部門で行い、採用者が確定してから最終確認や採用条件交渉に関して人事部門が関与する企業もあります。

 

 今回は、人事部門からみて「こういった転職者はありがたい」と思うのはどんな人なのか、ということを取り上げたいと思います。もちろん、企業によって求める人材のスキル・経験などは異なってくるので、万能な要件とはなりませんが一つの見方として参考にしてください。

 

(1)自社にいない存在で、かつ在籍社員と波長が合いそう

 人事部門が転職者に求めている人材とはどんな人なのか・・・ということを端的にまとめると、「自社の社員が持っていない経歴・スキルを持っている一方で、仕事上の考え方や行動(≒コンピテンシー)が自社の現状に合っている」といったことだと個人的には実感しています。募集するポジションによっていろいろと細かな採用要件は異なってくるものの、一般化するとこれに集約されるだろうなと思います。

 

 企業は、業界・時代・顧客のニーズなどに応じて変化していく必要がある一方、その変化に対応できる人材を社内で育成するにはそれなりに時間が必要です。人材開発の施策としてそういった人材育成を行っていきつつ、採用の施策として即応できる人材を社外から取り入れることによって、企業の変化への対応を人事面から貢献するのが人事部門の役割です。

 

 企業が外部から人材を採用しようとする際に、既存ポジションに対するリプレイスであれば、前任者の能力や経験・経歴を軸に採用要件を決める傾向があります。しかし、新規ポジションの場合、その候補者に対して求める能力や経歴というのは、その企業では積めない経験であることも多いです。

 

 例えば、私の経験を1つお話しすると、アパレルブランドが今後シューズに力をいれていくために、シューズ専門のマーケティングマネジャーを設けることがあり、その場合は、アパレル系のマーケティング経歴よりも別の商品(シューズそのものならベスト)の経歴を持っていることを求めていました。その一方で、社内の別部門との連携が多いポジションでもあったので、コンピテンシー(仕事の考え方や行動)としては既存の社員との親和性が高いかどうかといったことを面接時に確認していました。

 

(2)意思が確定している

 転職を検討している企業からみた「候補者」は、転職することを前提として活動をしている方もいれば、現職に満足しつつ自身の転職マーケット調査くらいの感覚で活動している方もいます。転職に対する意識の違いについては、個人によって異なっているものなので、それについては全く問題ないです。ただ、人事部門からみると「転職する意思は決めていてほしい。少なくとも面接を受けている中でその意思は固めてほしい。」という気持ちはあります。

 

 企業として採用のオファーを出すというのは、その方に来て欲しいと思っていると同時に該当ポジションを早く充足して、ビジネスを前進させたいという意図の具現化でもあります。そのため、採用オファーをもらってから、それを受けるかどうか、またその前提となる「現職を辞めるか(=転職をするのか)」といったことで揺らいでいると、採用を担当している部門としては「困ったな」と感じます。

 

 企業側からすれば「転職の面接を受けている≒ある程度意思を確定している」方がありがたいです。

 

(3)レスポンスが早い

 企業側からすれば候補者からのレスポンスが早いことはとてもありがたいことです。面接の日時候補を提示したものに対しての返信、オファーに対する回答など、候補者と企業がやり取りを行う機会は多いです。候補者と企業の間にエージェントがいる場合は、なおさらレスポンスの早さは重要となってきます。

 

 連絡方法はメールがメインだと思いますが、企業からすればいろんな方と同時にコンタクトを取っているので、婉曲的な表現ではなくわかりやすく、誰もがそのメールだけを読んで必要な情報が伝わるような文言を使うべきでしょう。

 

今回の記事のまとめ

 採用をする側からの視点で、転職希望者のふるまい・行動とはどんなものが望ましいのか、企業側はどんな転職者をありがたく感じるかを記載してみました。

 

 企業側は、「転職する意思がある程度かたまっている状況で転職活動をしており、内定を出したらすぐに承諾し、しかも能力や経験においては現在在籍している社員では代替がききにくい存在」であるというのが理想的な転職者であると捉えています。実際にはそういう状況であることは少ないですが、入社候補者である転職希望者に対して、どうあってほしいと思っているかは理解しておいた方がよいでしょう。

 

転職サイトランキング【2020年度最新版】

  1. 転職最大手の「リクルート」は求人件数の多さはもちろん、カバーする業種・職種の幅も業界トップ級で常に人気が高い!

  2. 転職業界大手の「マイナビ」!スキルや年収を適正に評価し、年収を最大限アップできるように担当者が徹底サポート!

  3. 年収アップに自信あり!利用者の7割以上が年収アップ!リクルートエージェントやマイナビエージェントと併用する人も多い!

ライター

永見昌彦外資系転職にも精通した人事歴20年の人事専門家

「人事キャリア20年のプロが語る、転職前に必読のはなし」シリーズ

Nagami_IMG_5072_(2)

 

のべ1300名に対する中途採用社員向け新人研修のファシリテーターを担当し、人事情報システムにも精通したフリーランス人事。外資系ソフトウエアベンダーおよびコンサルティングファームで人事コンサルタントとして勤務した後、事業会社(ラグジュアリーブランド持株会社)で人事企画マネジャーとして人材開発・人事システム・人事企画を兼務。事業会社、コンサルティングファームの両面から人事に20年たずさわった経験を活かして、2016年に独立。専門性が要求される業務があったとしてもフルタイムで雇うほどのボリュームではない、あるいは担当者が不足していても社員を雇うことが難しいといった法人を対象に、人事全般のプランニング・コンサルティング・実務にたずさわっている。また、個人に対してブレストパートナーとして、プロジェクト策定や課題解決策検討のための個別コンサルティングも行っている。

ページ上部へ移動する