外資系の採用基準シリーズ5「信念と情熱があるか?」

ライター:又村紘

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 外資採用判断基準第1回目は「英語でビジネスができるか?」、2回目は「人間性、人間関係面に問題がないか?」、3回目は「グローバルビジネスでコミュニケーションができるか?」、4回目は「問題解決力があるか?」についてご説明いたしました。4記事がまだ未読の方は是非お読みください。

 

 今回は外資採用判断基準第5回目(シリーズ最後)です。「信念と情熱があるか?」という観点からご説明いたします。

 

あなたは「信念」と「情熱」の持ち主か?

 私は今から50年前にI社に入社しました。当時は一般社会ではコンピューターの存在は殆ど知られておらず、私もよく知らないまま入社したのですが、なぜかこれからの時代、「コンピューターが世の中を変える」のではないかと薄々感じてI社を選択しました。当時のサラリーマンが毎日雑用に追われて疲れきっている様子を見て、コンピューターが仕事の雑用を減らしてくれるのではないかと思い、これは世の中を変えるぞと思っていたのです。

 

 大学時代は英語会で朝から晩まで英語暮らしでしたので、国際情勢にはかなり関心がありましたが、「サラリーマンから雑用を減らし、楽にさせるためにコンピューターの仕事をする」ということが、入社してからの私の信念になりました。当時同僚に私の考えを話しましたら「お前、本当にそんなことを考えているのか?」と笑われました。しかし私はそれを真剣に考えていたのです。

 

 それからコンピューターが世の中の軸となり、世の中を大きく変えていったことは、皆様ご周知のとおりです。20年ほどI社で働きましたが、真面目にこの「信念」を判断基準として、私の「情熱」の元として行動しました結果、これまでかなり重要な仕事をさせていただきました。

 

  • あなたは何らかの「信念」と「情熱」を持って外資への転職にチャレンジしようとしているのか?

 

 この点はよくよく考えて一歩を踏み出して欲しいです。外資系の会社は日本企業のような安定した仕事と、安定した給与、そして安定したポジションはありません。「学歴」「年齢」や「性別」等で区別される可能性が少ない、実績を核とするのが外資の仕事です。

 

 今時代は急速に変化しております。もとよりどこの企業にいても、たとえ超大企業にいても「安定」はなくなっております。今の時代、明日は誰にもわかりません。国も会社も頼りにはなりません。自分の力をしっかり身につけたもののみが生き残れる時代になっています。厳しい環境下もしれませんが、自分を鍛えて、これからのグローバル時代に生き残るためには、あえてこのような環境にチャレンジし、自身を鍛えるのも一考ではないでしょうか。

 

なぜあなたは外資に転職したいのですか?

 外資にも色々とありますが、例えば Appleにはエヴァンジェリスト(伝導者)という考え方があり、世界中の人々に「一人一台の MAC」という考えを伝導する伝導者という使命を以前から掲げています。今や Iphone やIpadという形で世界中の人々が所有して、世の中を変えていく原動力になっています。

 

  • 外資に転職してあなたは何を成し遂げたいのでしょうか?

 

 「信念」と「情熱」という2つの基本をしっかり持っている人は、その考え方でグローバルに展開している外資でスケールの大きい仕事ができるでしょう。 グーグルやYahooそして  Amazon等、世界を席巻している外資では、世界を変えていくビジネスが次々と展開しています。

 

 スケールの大きな仕事を掴めばつかむほど、ポジションは上がり、待遇も良くなっていくのが外資です。外資では「年齢や男女差別はタブーです」。年齢を基本とした典型的な日本の人事制度とは全く異なる社会です。あなたはただ収入が上がることを望んで転職したいと思っていませんか?自分の「信念」と「情熱」を今一度自分に問いかけてみて下さい。

 

あなたは何の「プロ」ですか?

 外資には、ただ歳をとるのを待っていればポジションが上がり、給与が上がる年功序列という日本特有の仕組みはありません。あくまでも「個人」を基本として「与えられた職務」と「期限付き目標」で結果を出していく仕組みが前提です。

 

  • あなたは何の「プロ」ですか?

 

 あの日産を大変革し、現在三菱自動車にもテコ入れに参画しているゴーン氏は経営のプロです。これからは「プロ」が求められる時代に突入していくと考えられます。「経理のプロ」「営業のプロ」「人事のプロ」「在庫管理のプロ」「人集めのプロ」等が、今や必要になっているのです。単に「学歴」や「年齢」で評価されてきた社会とは根本的に違う時代になってきています。

 

 実は今「プロ」を求めているのは外資だけではありません。日本の企業も「プロ」が少ないためにどんどん弱体化しています。なぜゴーンが日産に招かれて大変革をしたのか?それは日産にゴーンのような経営立て直しのプロがいなかったからです。日本のビジネスパーソンが今やプロのビジネスパーソンにならなければ、どんどん外人経営者にバトンを譲ることになってきます。

 

 

最後に

 さて、最後になりましたが、本記事は「外資系の採用基準シリーズ」の最終記事ということで、外資系企業へチャレンジされる皆さんに私からのメッセージです。外資系企業へエントリーされる前に以下は是非頭に入れておいて下さい。

 

  • (1)これからの人材は何かの「プロ」が求められる。
  • (2)「プロ」としての「能力」と「信念」と「情熱」が求められる。
  • (3)日本人ビジネスパーソンはグローバルでの「プロ」としての能力が要求される。
  • (4)外資は日本人ビジネスパーソンが「プロ」として育つ絶好の環境である。
  • (5)意欲ある日本のビジネスパーソンは、是非外資に挑戦され自分を鍛え、日本や世界の発展に貢献できる人材になって欲しい。
  • (6)実は外資への転身があなたを鍛え、10年後も20年後もあなたが生き残ることつながるかもしれない。

 

  今回のシリーズでは通常では公開されない面接判断基準を元面接官の立場から具体的にご説明致しました、ご参考になりましたら幸甚でございます。ご成功を心より祈念しています。

 

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ライター

又村紘人事管理職歴20年のキャリアで自身の書籍も多数

元面接官が明かす「絶対に採用面接に成功する為の準備術」シリーズ

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現在:有限会社ヒューマンマネジメント研究所 代表取締役社長

経歴:日本アイビーエムに在籍中本社採用センター統括責任者として数千人の採用を指揮、全数確保の原動力になる。その後スカウトされ BMWジャパン初代人事部長(ドイツ)、日本サンマイクロシステムズ取締役総務本部長(アメリカ)、エアーリキード(株)人材部長(フランス)デル ジャパン 初代人事ディレクター等を歴任採用の最終責任者として活躍。その後世界に通用するビジネスパーソン育成を目標に特にディベート、プレゼンテーション、会議術、リーダーシップ、マネジメント能力強化研修講師としての活動に20年ほど従事、参加者は数万人を超え、現在も現役で活動中。自身のグローバル企業における人事管理職としての多様な経験と自身の転職キャリア形成体験,様々な企業での研修講師としての体験からできる限り現場に近いアドバイスを目標に転職成功のためのコラムを提供する。

(著書

敵を味方に変える人間術 (東洋経済新報社)

人生リエンジニアリングのすすめ(日新報道)

男の知的武装術(太陽企画出版)

転機を飛躍に変える70の法則(講談社)

英会話この順番でやればムリなく話せる(三笠書房)

究極の自己アピール術『あぼひなまの法則』(日新報道)

(訳書

願望は必ず達成できる。ロバート・シュラー著(PHP研究所)

成功の時は今(日本教文社)ジャック・アディントン著

人生が面白くなる心理学(日本教文社)ジャック・アディントン

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