外資系の採用基準シリーズ3「グローバルビジネスでコミュニケーションができるか?」

ライター:又村紘

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 外資採用判断基準第1回目は「英語でビジネスができるか?」、2回目は「人間性、人間関係面に問題がないか?」についてご説明いたしました。2記事がまだ未読の方は是非お読みください。

 

 今回は外資採用判断基準第3回目です。「グローバルビジネスでコミュニケーションができるか?」という観点からご説明いたします。ポイントしては次の5つの要素についての能力を磨いておくと面接そして実際に採用されてからの業務上有利になると考えます。

 

 まずはグローバルビジネスでのコミュニケーションで大切な要素を5つまず挙げてみます。

 

  • (1)世界中の業務担当者と対等に英語で業務の話ができるか?
  • (2)英語でプレゼンテーションができるか?
  • (3)英語でディベートができるか?
  • (4)英語でファシリテートできる能力があるか?
  • (5)My OPINIONを基本としているか?

 

(1)世界中の業務担当者と対等に英語で業務の話ができるか?

 まず第1のポイント「世界中の業務担当者と対等に英語力を駆使して業務の話を進めることができるか?」という点ですが、詳しくは、外資採用判断基準の一回目にありますのでそちらをご覧ください。

 

<※私の外資系勤務の体験談>

 

 随分昔の話ですが、私は新卒でI社というコンピューター製造の外資に入社し、国際調達部門という部門で新卒ながら早速バイヤーになり、全国を回りました。23歳の私はアメリカ人のエンジニアと二人で、全国の日本企業の生産施設を回りました。当時コンピューター部品専門の会社など皆無の頃、コンピューター部品が出来そうな会社を見つけ出し、サンプルを作ってもらい、良ければ大量注文をする等の仕事をしていました。言語は基本的には英語でしたが、大学を出たばかりの新入社員としては、かなり重責で鍛えられました。そこで必要とされた英語能力はまさに「世界中の業務担当者と対等に英語力を駆使して業務の話を進めることができるか?」でした。

 

 その後配属された I社コンピューター製造工場では、生産管理部の輸入部品調達の担当者にされました。担当者は私一人でした。世界中の工場へコンピューターの製造計画に間に合うように部品を発注し、納期に間に合うようにフォローし、輸入処理をして、遅滞なく生産ラインを維持していくという仕事でした。そしてその後一年少々ですがイギリスの工場に駐在することになり、部品の調達と日本への発送等に明け暮れました。20代の青年が一人で、イギリスで、日本の工場から発注された部品をイギリスの工場で調達して、日本に送っていたのです。そこではフランス、ドイツ、イタリア、アメリカ等、色々な国の担当者が部品の奪い合いをしておりました。

 

 以上のことから言えるのは、否応なく与えられるグローバルな環境の中で、それほど経験のない私のような新入社員が、全く個人の能力と責任で、毎日それも異国の地で業務遂行を行っていたということです。以上のお話から外資で必要な英語のレベルがどのようなものかがご理解いただけましたらありがたく思います。

 

 

(2)英語でプレゼンテーションができるか?

 外資は管理者、エグゼクティブ関係なく、自己の業務について、上司やマネジメントに対してプレゼンテーションをする機会がかなり多いと考えられます。なぜなら、外資はみんなで集まって決めていくプロセスの形はとらず、「個人」に割り当てられた「職務」と、与えられた「目標」に対して、各「個人」が業務を進めていく責任が問われる為、「個人」単位によるプレゼンテーションが非常に重要になってくるからです。集団合議制ではないのです。従って、会議も、とにかく集まってみんなで合意して決めていくという形ではなく、発表者が問題、課題を明確にし、問題分析、対策提案、意思決定という形をとることが多く、プレゼンテーションの形をとることが基本となります。

 

 そしてその会議でのプレゼンテーションには意思決定者としての上司、エグゼクティブ、社長等が参加し、そこで意思決定者が意思決定をするという形になるケースが多いということになります。もちろん最近の日本の会社でもこの形をとる会社も多くなっていると考えられますが、未だに合議制で、責任の所在がわからないまま意思決定という形で物事を進めていく企業も多いと考えられます。

 

 従って、グローバルビジネス環境下では、多様な人種の中で、プレゼンテーションをしっかりして、意思決定をさせていくというかなり高度なプレゼンテーション能力が必要条件になってきます。この点から外資の面接ではプレゼンテーション能力の程度は面接の最中にチェックされる重要な要素になります。

 

(3)英語でディベートができるか?

 プレゼンテーションが行われている際に、議論が始まることがありますが、これがディベートということになります。

 

 ディベートの基本は自己主張の立ち位置が、発表者は自己のポジションを肯定と考え、否定的見解に対し自己の主張の正当性を主張しきり、否定的見解に対してそのポイントを潰しながら、自己の主張をして、意思決定者が両者の主張を精査し、どちらにするかを決定する精緻な議論を前提とした意思決定の仕組みであり、特にアメリカ企業のエグゼクティブはこの能力に長けていると者が多いと考えられます。日本ではまだあまりこの考え方は十分に普及しているとは思えませんが、グローバルビジネス社会で意思決定をしていく際には、この能力を磨いておかなければ、不利に働くことは間違いないと考えます。

 

 私はこの20年間ディベートのトレーナーとしましても、あらゆるタイプの企業でディベート研修を行なってまいりましたが、特に日本ではディベートの認識はあまり高くなく、学校でも、企業でもディベートのトレーニングをしているところはかなり少ないと考えられます。機会をとらえてディベート力を鍛えておかれることをお勧めいたします。

 

(4)英語でファシリテートできる能力があるか?

 会議を効率的に進める能力があるか否かは、グローバルで業務を遂行する為には必須の能力になります。あくまでも外資では「個人」を基本としており、組織構成員を上手に巻き込みながら、意思決定をしていく為には、このファシリテーター能力は非常に重要な能力になります。

 

「ファシリテート」(facilitate)

「促進する」「物事を楽にする・容易にする」の意味から、会議などで進行がスムーズになるよう、参加者の発言を促したりしてリーダーシップをとること。

 

 

 しかし日本ではまだこの能力の普及は残念ながら十分とは言えません。なぜならば集団意思決定システムですので、会議を効果的に進めるファシリテーターというが考え方があまり普及していないのです。私は20年ほど、ファシリテータートレーニングの講師をしましたが、だまだこれからという感が否めません。しかし最近成長している日本企業ではこの考え方を取り入れている企業も増えてはいます。

 

 外資では「個人」が「職務」の責任を明確に取りながら業務目標を達成するという構造になっておりますから、この能力を持っている人は、会議を仕切りながら効果的なリーダーシップを取れるのです。従って、外資に挑戦したい方は現在所属する企業の中で自主的にこの方法を学び、実践しながら体験を積んでいくことで、グローバル企業へさらにチャレンジできる能力が付くと考えられます。

 

(5)My OPINIONを基本としているか?

 外資での仕事では「個人」と「職務」が基本となりますので、MY opinionすなわち、「私」という主体的な位置付けが基本となり、「自分の意見」が求められます。「我が社では」というように総称的に見解を述べるというよりも「私は〜と考えます」という位置付けが大切で、色々なことを面接で聞かれた時に、「私はその点につきましてはこのように考えます」というような答えをすることが望まれます。普段から自分自身の見解を作り、自分の意見として述べられるようにしておくトレーニングが必要になります。

 

 当然のことながら、このように主語のはっきりした意見や考え方がない場合、主語をはっきりしなければ話もできない英語の構造から見ても英語で意見を言えないということになります。 MY Opinionをいつもしっかりと持つという練習をし、色々な話題につき自己の見解を明確にし、表現できるようにされることが外資への転職では重要です。いずれにしましても当意即妙に処理できる能力を日常の業務の中で、トレーニングをしておく必要があります。

 

 

この記事のまとめ

 今回は外資にチャレンジされる方へのアドバイスとして採用判断基準の1つである「グローバルビジネスでコミュニケーションができるか?」についてご説明致しました。ご参考になれば幸いです。

 

 次回は「グローバルビジネスで問題解決ができるか?」についてです。是非ご期待下さい。

 

ライター

又村紘人事管理職歴20年のキャリアで自身の書籍も多数

元面接官が明かす「絶対に採用面接に成功する為の準備術」シリーズ

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現在:有限会社ヒューマンマネジメント研究所 代表取締役社長

経歴:日本アイビーエムに在籍中本社採用センター統括責任者として数千人の採用を指揮、全数確保の原動力になる。その後スカウトされ BMWジャパン初代人事部長(ドイツ)、日本サンマイクロシステムズ取締役総務本部長(アメリカ)、エアーリキード(株)人材部長(フランス)デル ジャパン 初代人事ディレクター等を歴任採用の最終責任者として活躍。その後世界に通用するビジネスパーソン育成を目標に特にディベート、プレゼンテーション、会議術、リーダーシップ、マネジメント能力強化研修講師としての活動に20年ほど従事、参加者は数万人を超え、現在も現役で活動中。自身のグローバル企業における人事管理職としての多様な経験と自身の転職キャリア形成体験,様々な企業での研修講師としての体験からできる限り現場に近いアドバイスを目標に転職成功のためのコラムを提供する。

(著書

敵を味方に変える人間術 (東洋経済新報社)

人生リエンジニアリングのすすめ(日新報道)

男の知的武装術(太陽企画出版)

転機を飛躍に変える70の法則(講談社)

英会話この順番でやればムリなく話せる(三笠書房)

究極の自己アピール術『あぼひなまの法則』(日新報道)

(訳書

願望は必ず達成できる。ロバート・シュラー著(PHP研究所)

成功の時は今(日本教文社)ジャック・アディントン著

人生が面白くなる心理学(日本教文社)ジャック・アディントン

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