転職とマイナンバー制度の関係は?

ライター:工藤崇

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 転職をするときは、お世話になった会社に御礼と手続きをしつつ、新しい会社に様々な手続きをしつつ仕事や人間関係に慣れる…環境の変化を楽しむことも難しい、目が回るほどの慌ただしさです。

 

 ところが今年から、入社手続きにおいて提出物がひとつ増えています。それが「マイナンバーカード」です。原本ではなく、コピーを提出したり、番号のみをメールなどで送るケースが多いようです。

 

 ところがマイナンバーカード提出の手続きが増えた一方、会社の総務や人事をもってしても「どのような手続きをすればいいんだっけ?」というほど、とても計画倒れ感の強いこの制度。かといって、国の定めて導入された制度を無視するわけにはいきません。今回は「転職」とマイナンバー制度の関係を学びましょう。

 

今さら聞けない「マイナンバー制度」

 マイナンバー制度は、2016年1月に写真付きのマイナンバーカード発行開始を持って開始された制度です。3カ月前の2015年10月から住民票の世帯ごとに「番号通知カード」の配布が開始され、マイナンバー狂想曲が始まりました。開始以降、現時点を経て、以下のスケジュールで進んでいます。

 

2015年10月

住民票の世帯ごとに「番号通知カード」を発送

2016年1月

マイナンバー利用開始(マイナンバー発行開始)

2017年1月

「マイナポータル」運用開始(予定)

2017年7月

地方公共団体の様々な事務が連動?

 当初、マイナンバー制度を導入することの目玉は2017年1月のマイナポータル開始と目されていました。マイナポータルとは、マイナンバーカード所有者の税金納付状況や行政への手続き状況をインターネット上のサイトで一覧できるようになるというものです。

 

 2017年1月には公的な健康保険証との一元化が導入されると言われていて、マイナポータル導入と健康保険証の一元化が、転職とマイナンバー制度の代表的なポイントとして、総務人事の部署などでは対策が進められてきました。

 

なぜ「マイナンバー制度」は予定通りに進まないのか?

 ところが、マイナンバー制度は予定通りにスケジュールが進まず、担当大臣がお詫びをする事態となってしまっています。原因はいくつか指摘されています。

 

  • 導入システムに大きな障害が生じた
  • マイナンバーカードの手続きに予想以上の時間を要した
  • 内閣や行政の「推進体制」に陰りが見えた

 実際に筆者が居住している東京のある区で、2016年1月にマイナンバーカード作成の申請をしたところ、約半年間にわたってまったく音沙汰がありませんでした(半年後に郵送にて「マイナンバーを取りに来てください」という連絡が・・・。)

 

 ニュースを見ていても、よく「マイナンバーの危険性」などと騒がれていた今年年初と比べ、最近はマイナンバーという言葉自体をテレビから聞くことも珍しくなってきました。とても寂しいものですね。ただ、制度自体は当初の予定から何も変わらず、各所では対応が進められています。

 

 マイナンバー制度の様子を見ていると、心なしか約10年前に全国的に導入が推奨され、気がつけば名前すら聞くことがなくなった「住基ネット」を彷彿とさせます。1999年に導入された住基ネットは、全国的に導入が展開したものの、カード発行が有料(500円、一部無料としている地方自治体もあります)ということもあり、普及率は5%前後という散々たる結果になってしまいました。

 

転職時にマイナンバー関連で行うこと

  マイナンバー制度と転職との関係について考えた時に、現時点では下記の点「くらい」で大丈夫のようです。

 

    • 転職時に迅速に新しい会社に提出すること
    • 独立や暫くのあいだお仕事を休まれる際は、マイナンバーの記載された源泉徴収票をしっかりと管理しておくこと

 今後、短い期間で新しい規則が定められ、対応が必要になる可能性も十分にありますので、最新情報を確認するようにしましょう。特に仕事でマイナンバーを扱う人たちは、保管などの面において様々な義務が継続しています。注意するようにしましょう。

 

<※補足>企業側のマイナンバーの保存期限

 源泉徴収票にはマイナンバーの記載義務があるため、転職などで新しく入社した際は速やかにマイナンバーを会社に知らせる義務があります。ここで気になるのは「退職した会社(の総務人事部)はいつまで自身のマイナンバーを保管しているのか」ということ。マイナンバーの記載される情報は税務情報にあたるため、保存期間は「7年」と定められています。この7年を過ぎると、マイナンバーが記載された書類はゴミ箱などではなく、シュレッダーなどで再生不能の状態にして破棄することが定められています。

 

 

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ライター

工藤崇丸の内に本社を構えるFP会社の代表取締役社長

「FP会社社長が語るライフプランと転職」シリーズ

CEO写真(2)

 

丸の内に本社を構えるFP会社株式会社FP-MYS代表取締役社長兼CEO。1982年北海道出身。ファイナンシャルプランニング(FP)を通じて、Fintech領域のリテラシーを上げたいとお考えの個人、FP領域を活用してFintechビジネスを開始・発展させたいとする法人のアドバイザーやプロダクトの受注を請け負っている。資格予備校である株式会社TAC出身のため、資格ビジネス、人材キャリアビジネスにも精通。Fintechベンチャー集積拠点Finolab(フィノラボ)入居企業。執筆実績多数。株式会社FP-MYS公式ホームページ(http://fp-mys.com/

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