循環器科がメインの薬局における薬剤師の役割は?131view

循環器科からの処方箋をメインに扱う薬局に転職しました。まだ仕事の流れを覚えるのに必死で、ここでの薬剤師の役割についてあまり考えた事はありませんでした。でも先日、患者さんからいろいろな質問を投げかけられたとき、上手に答えることができず、自分の役割はいったいなんなんだろうかと思うようになりました。今までいたドラッグストア(調剤併設)では、特に何か質問されるようなこともなく、淡々と調剤、服薬指導、のみでした…。
この転職がある意味スキルアップになると思える出来事だったので、循環器科の薬剤師について教えてもらえるとありがたいです。

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1件の回答

  1. mitaki 2019/04/13 11:55

    循環器科は主に心臓や血管の疾患を診る診療科です。心臓においては心不全や心筋梗塞、狭心症、不整脈、心内膜炎、心臓弁膜症などの疾患がよく見られます。血管においては、閉塞性動脈硬化症や深部静脈血栓症、肺塞栓といった閉塞性疾患が頻度の高い病気です。
    この中には動脈硬化性疾患も含まれるため、循環器医師は糖尿病や高脂血症、高血圧などのいわゆる生活習慣病までカバーします。また、同様に動脈硬化の進行を抑えるために禁煙外来も併せて行っている場合があります。
    最近、循環器科において心臓カテーテル検査やステント治療が頻繁に行われるようになっています。それに伴ってステント血栓予防のための抗血小板薬を服用する患者さんも増えています。継続して内服してもらうためには薬剤師の服薬指導が大切ですし、ステント留置直後には2剤の抗血小板薬を併用するため、出血性の副作用への注意が必要です。また、相互作用や注意点が多いワルファリンカリウム製剤を一番多く使用するのは循環器医師です。そういった面では、循環器科の薬剤師の働きは重要と言えるでしょう。

    循環器科は主にかかりつけ医機能を担うクリニックとして運営されるか、2次医療を担う総合病院内の一診療科として運営されます。クリニックの循環器科は単科である場合もありますし、一般内科との併設となっていることもあります。心筋梗塞などの一次予防においては、かかりつけの循環器科クリニックで診ていくことがほとんどです。実際に心筋梗塞や不安定狭心症を起こして治療が必要になってから、2次医療圏の循環器科に紹介されます。2次医療圏の病院の循環器においてはカテーテル治療を専門としているところが多く、最近では冠動脈の造影CTを導入して非侵襲的に冠動脈の狭窄を見つけることができる病院も増えてきました。2次医療圏の循環器科は冠動脈のバイパス手術を行う心臓血管外科と併設されることがあります。カテーテル治療の適応とならない場合は、バイパス手術となる場合が多いからです。

    循環器科の医師が使いこなす医薬品の種類は内科系の中でも比較的多い方です。その理由は、循環器疾患の一次予防の段階から患者さんを診るためです。高血圧や糖尿病、脂質異常、高尿酸血症、不眠症など様々な基礎疾患を持った患者さんもいますし、さらに心不全治療薬や冠血管拡張薬、抗不整脈薬や抗血小板薬、抗凝固薬などの循環器科に特有の医薬品も取り扱います。前述のとおり、出血性の副作用の多いハイリスク薬の取り扱いが多いのが循環器科の薬剤師の特徴ですので、患者さんへの服薬指導や副作用の聞き取りは十分に注意して行う必要があります。
    患者さんの特性にもよりますが、心血管系疾患に罹患している患者さんが多いため、患者1人当たりに処方される医薬品の種類も循環器科では多くなる傾向にあります。10種類以上服用している患者さんもいますし、高齢な患者さんも多いですので、循環器科では一包化指示も多くなっています。また、状態が安定している患者さんにおいては、1か月以上の長期処方となることがほとんどです。そのため、循環器科の門前薬局では自動錠剤分包機が無いと業務的に厳しいかもしれません。

    循環器科が使用する抗血小板剤や抗凝固剤、降圧剤などは比較的薬価が高く差益も出やすい医薬品です。また、循環器科の門前薬局は患者1人当たりの薬の処方数が多いため、患者数がある程度確保できているクリニックや病院の門前薬局であれば、経営は比較的安定していることが多いです。ただしハイリスク薬を服用している患者さんが多いため、1人当たりの投薬時間は長くなる傾向にあります。調剤も一包化が多く時間がかかる人が多いです。そのため、薬剤師1人当たりの処方箋枚数は1日当たり20~35枚が妥当かもしれません。

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