メーカーで営業をしている20代の男ですが、気象予報士の資格をとって転職したいと考えています。
ただ、全くの異業種から気象予報士として転職できるものか、働きながらの試験勉強はどのように進めていけばいいのか、色々不安です。
実際に気象予報士として転職した経験がある方、試験勉強や転職活動についてどのような感じだったか、体験談を聞かせていただけませんか?
質問
気象予報士への転職体験談を教えてください162view
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回答
3件の回答
地方放送局気象センター勤務の50代です。私は始まってすぐの気象予報士試験に合格していますので、かなり古参の「気象予報士」ということになります。
当時はとある電機工場の管理部門に勤務していました。休み時間にロビーでお茶を飲んでいたら、横の本棚に並んでいた科学雑誌に「第1回気象予報士試験」の問題の一部が載っていたんですよ。同僚たちは「難しいなあ」って言ってたんですが、私は大学で流体力学を勉強していたからか、一目見てなんとなく「分かるぞ、これ」って思ったんですね。これはちょっと勉強すれば合格できるだろうなあと。
その日の仕事帰りに書店に寄って問題集を買ってみた。やっぱり分かるんですね。すぐに試験の申し込みを行いました。もちろん、法律とか観測知識とか暗記の必要な分野もありますので1回で合格とはいきませんでしたが、2回目のチャレンジで気象予報士の資格を手にすることができました。
ただ、当時勤めていた企業は、気象予報士の資格を持っているからって別に役に立つわけじゃなかったんですよね。手当が増えるわけでもないし、完全に趣味の世界でした。でも、だんだん自分の力を試してみたくなって、気象情報会社の求人を見つけて転職することにしました。これが20代後半のことです。
当時は気象業界にも一種の「勢い」があって、毎日が忙しかったですね。若かったこともあるんですが、次々にプロジェクトを立ち上げてはチームを何班も編成し、毎晩終電まで仕事に没頭しました。会社の業績も右肩のぼりで給料もそこそこ上がっていきましたので、ほんとうに面白くて仕方がなかったように思います。
ただ、そんな時期にもやがて終わりが来るんですよね。業界自体が成熟してくるというか、自分もだんだん年をとってくると、何でも「がむしゃら」というわけにもいかなくなる。そうなるとちょっと心理的に落ち着いてしまって。ぽっかり穴があいたような喪失感があって、会社を辞めて田舎に引っ込むことにしたんですね。幸い多少の蓄えはありましたので、いったん立ち止まってゆっくり考えようと思ったんです。これが40歳前後のことでした。
当時はSNSが盛り上がっていまして、私もすっかりハマりました。時間があるもんですから(笑)、SNS上で気象関連のコミュニティを主宰してオフ会を開いたり、その仲間と子どもたち相手の気象教室を開いたりしているうちにそれが地元放送局の目にとまって、気象情報のアドバイザーになってくれないかっていう話がきたんですね。
元々それが私の本職でしたから、地域貢献の一環としてやりましょうと年に何度か相談にのったりしていたんですが、数年前にその地方を大きな気象災害が襲ったんです。私も放送局に駆けつけていろいろお手伝いしたんですが、そのあとしばらくして放送局のなかでもっと気象情報を充実させるべきという話が出て、気象センターを立ち上げることになったんですね。それで、私にセンター長になってくれないかと打診されたんです。
今は数人の部下とともに、放送局内にある気象センターで毎日の気象情報をコーディネートしています。今まで自分が培ってきた経験が地域の防災のために役に立つなら、こんなうれしいことはないですね。
大学卒業後からフリーアナウンサーとして働いています。35歳です。
就職活動の際は女子アナに憧れてたくさんの放送局を受けたんですけれど、やっぱりハードルが高かったですね。正社員の局アナになる子って、どこかのミスキャンだったり、帰国子女だったり、元アイドルだったり、その全てだったり(笑)、めっちゃハイスペックなんですよ!
なかなか合格できなかったし、大学時代からちょっとだけテレビ出演なんかもしてたんで、当時からコーディネートしてくれていた事務所にそのまま世話になる形で、しゃべりの仕事をやることになりました。
20代のうちはよかったんです。関東ローカルの局でリポートしたり、ラジオでDJとしてレギュラーいただいたり。ところが30に近づいたら急にバタバタって仕事がなくなって、すごく焦りましたね。なんだこれ、って。
女性のフリーアナって「30のカベ」があるんですよ。若いうちはそれだけで使ってもらえるんですが、30歳になるとそうもいかない。どんどん若い子が後から出てきて、私みたいなのは「ハイさようなら」ってお払い箱になるんです。残酷ですよね。
そういう「30のカベ」にぶつかった女性フリーアナは、披露宴やイベントの司会でつないでいくか、高収入のダンナ見つけて引退するか(笑)。ともかく難しい時期になっちゃうんです。
私はここで、他にない強みを身につけなくちゃと思って気象予報士に挑戦したんです。
私、算数もできないような完全な「おバカさん」で、勉強中に問題集を何度「わからないっ!」って投げ捨てたことか…(苦笑)。独学じゃぜんぜんラチがあかなかったので、予報士の資格を持っているアナウンサー友達に相談したり、スクールを紹介してもらったりして、やっと少しずつ勉強のコツ、というか光が見えてきたんですね。
スクールとかテキストの代金は、ホントにまったく、なーんにもわからない状態からスタートしたんで、それまで貯めていたお金から70万円以上使ったんじゃないでしょうか。それでも5回目でようやくギリギリ合格できたって感じで、これでダメならもうやめよう、って何回思ったかわかりません。でも3年間、自分でもよく頑張ったと思います。
合格したあと、通っていたスクールを運営している気象情報会社さんから「オーディション受けてみますか」って連絡がありました。とある地方局で夕方ニュースの専属お天気キャスターを探していて、そのオーディションだったんです。東京を離れることにちょっとだけ抵抗がありましたが、せっかくのお話だから、と受けてみたら幸いなことに合格して、ローカル放送局のお天気キャスターを務めています。
心がけているのは、気象情報を分かりやすくフレンドリーに伝えることですね。フリーアナとしての経験が生きているのはもちろんですが、とっても難しい予報士試験に真剣に取り組んだ経験も財産です。いつも私は、気象学なんてさっぱり、という過去の自分に説明するつもりで考えるようにしてるんですね。そうすると、お天気の様々なことをとてもシンプルに分かりやすく説明することができるんです。そう考えると、私って「おバカさん」でよかったなあと思います(笑)。
あとは、日本って本当に地域ごとに気候が違うし、天気の特色も様々なんですよ。それをしっかり把握して、その地域に生きている皆さんにしっかり気象情報を伝えることを心がけています。まだまだ勉強することばかりですが、楽しくお仕事させてもらっています。質問者さまも試験勉強頑張って下さいね。
気象情報会社勤務に転職して3年目、28歳の男です。
私は東京都内の大学を卒業後、広告代理店に就職しました。大手ではなく、地元商店街のイベントや広告チラシなども扱う、社員20数人の小さな代理店です。
ワンマン経営の社長のもと、朝早くから深夜まで働く日々が続きました。仕事自体は面白かった…と思うんですが、あまりに忙しくて(笑)。いちばんキツかったのは、どんなに頑張っても上司や社長からは「ぜんぜん進歩しないな。もっと真面目に効率よく働け」としか言われなかったことです。「お前は仕事の要領が悪いから夜遅くまで働かなくちゃいけないんだ。会社としては正当な残業とは認められない。残業は“精一杯頑張った”と思った分だけ申告しろ」って言われていました。だから、夜9時にタイムカードを打って退社したことにして、日付が変わるころまで必死に働いて…後から考えると、いわゆるブラック企業ってことになるんですかね。でも、社長も社員もみんな体育会的なノリでそれが当たり前だったから、在職中はそこまでひどい会社とは思っていませんでした。
ただ、このまま働き続けていると身体も心も限界だなと思って、入社3年目の秋ぐらいから真剣に転職を考え始めました。何か資格があったほうがいいかと考えて、ふと思いついたのが気象予報士です。大学は理系でしたし、天文や気象にも興味があってその手の本は時々読んでいました。難しい資格とは聞いていましたけれど、取れたら大きな自信になると思い、独学で勉強することにしたんです。
ただ、まあ忙しかったですから、勉強時間確保が難しかったですね。ですから、社長の言葉じゃないですが、ずいぶん“効率的”に働くように心がけました。手抜きじゃないですよ(笑)。
それまで、ちょっと頑張りすぎるくらいに仕事に打ち込んでいましたが、「まあ、このくらいで大丈夫か」というところまでに留めるようにしたんです。それで、夜9時に退社したあとファミレスで晩メシ食べながら勉強したりとか、夜は飲み会で遅くなるだろうなという日には朝5時半に起きて問題集に取り組むとか。そんな風に、1日に必ず2時間以上は勉強するようにしました。
気象予報士試験は最初に学科試験の専門知識だけ合格し、2度目の挑戦で学科の一般知識も合格。3度目に実技試験を突破して、気象予報士になることができました。テキストや問題集にかけた金額は10万円くらいですかね?図書館に行って問題集をコピーすればもっと安く済んだかもしれませんが、「これだけのカネをかけてるんだ。後には引けないぞ」と自分にプレッシャーをかけるためにも、ある程度の金額はつぎ込んだ方がいいと個人的には思います。
資格がとれた時点で、気象情報会社の中途採用にチャレンジしました。でも、同期で気象予報士の資格を持ってないヤツも結構いるんですよ。たとえばプログラミングとかデザイン系のスキルが高いとか、すごい美人だとか(笑)。やっぱり人に負けない何かを持ってるんですね。私の場合は、広告代理店時代に顧客といろんな交渉をしていた、そのコミュニケーション能力が強みだったんで、予報士の資格は、結局「おまけ」みたいなものかなと。ですから、転職のためには人間的な魅力とか技術とかを磨くのがいちばん大事なんじゃないかと、今は思っています。
現在の会社でも、営業を担当しています。働いただけ周りも認めてくれるし、とても充実した日々を送っている自覚がありますね。顧客との付き合いはとても面白いし、こちらが精一杯仕事をして相手が喜んでくれるとすごく達成感がありますよ。