カフェのスタッフをしている20代女性です。カフェで働いていくうちにコーヒーの魅力を知り、コーヒーチェーン店に転職を検討しています。
そのコーヒーチェーン店では、正社員はゆくゆく店長になっていくようです。
カフェで働いているので店長の役割は分かっているつもりですが、コーヒーチェーン店の店長が理想と現実のギャップを感じた仕事はありますか?
どんな事でギャップを感じたのか教えてください。
質問
コーヒーチェーン店の店長が実際に働いてギャップを感じたことは?142view
最新の専門家コラム
-
40代女性が転職で今後10年20年働ける職場を見つけるには?【リクルート出身者監修】
2022.05.16
-
転職市場で信仰残る「30歳限界説」は今どうなっているか?
2022.04.12
-
合格可能性を上げる「志望動機」の書き方3ステップ
2022.03.08
-
転職エージェントと2人3脚で転職を成功させる方法
2022.02.06
-
会社にバレずに転職活動を行うテクニック
2022.01.07
質問に回答するにはログインしてください。
回答
1件の回答
私はつい1年ほど前まで某大手コーヒーチェーン店の店長でした。
店長というと聞こえは良いですが、所詮は雇われ店長。本社スタッフからの要望とアルバイト従業員、そしてお客様の間に板挟みになる数年間でした。大学生時代から個人営業のカフェで働いていた為、カフェ店長の仕事がどんなものかを知っているつもりでした。その店舗は駅の近くにあったので、朝の通勤通学時はもちろん忙しかったですが、それを過ぎるとお客さんも落ち着き、割とのんびりと接客出来る時間がありました。お客さんの多くは常連のお爺さんお婆さんで、従業員みんなにとても良くしてくれ、時折差し入れなどもいただきました。一緒に働いている従業員同士もとても仲が良く、月に1、2回ほど都合のつく人たちで飲み会などをしていました。主婦の方もいましたが、多くは大学生で年が近く、バイトに行くのがとても楽しかったのを覚えています。そんな中で店長は誰よりも溌剌としていて、お客さんとの会話もいつも弾み、それでいてテキパキと作業をこなしているので、私の憧れでした。進路について悩んでいた際には店長に親身に相談に乗ってもらい、その甲斐あって、第一志望の某コーヒーチェーンに就職することが決まりました。そのことを店長も周りの従業員もとても喜んでくれて、私が就職で辞める際にはみんなからの心のこもったメッセージ色紙をもらい、常連のお客様からもプレゼントを頂きました。この頃は本当に希望に満ち溢れ、いつか絶対小さくても良いから自分のカフェを開き、店長のようなサービス精神の溢れる素敵なオーナーになるんだ、と思っていました。
しかしながら、それも入社後の新人研修が始まってから徐々に崩れていきました。まず、新人研修の際に行われる、挨拶の練習。一見普通に聞こえるかもしれませんが、大声で、上司が良いというまでやめてはいけません。その後のグループワークでは、いかに自分たちがこのコーヒーチェーンを盛り上げていくかについて、パワーポイントなどを使い発表しなければなりませんでした。もちろんそれだけではなく、自社のドリンクやその他の商品の作り方などのテストも同時進行であり、私たちは睡眠時間を削って頑張りました。上司の人たちは、以前働いていたカフェの店長とは違い、目の下に隈が出来ていたり、不健康に痩せていたり、自分もこんな風になるんだろうか、と疑問を持ちながら、それでも必死で食らいつきました。私が就職をした頃は今よりも景気が悪く、ここで辞めても次が見つかる保証など無かったからです。研修の間に、辞めていった同期はひとりではありませんでした。それでも残ったみんなと力を合わせながらなんとか研修を乗り越えました。そのころには未来への希望もかすんで来ていました。
実際に店舗に出て働いてからは、以前働いていたカフェとの違いに愕然としました。私が配属された店舗は東京の某繁華街にあり、朝から夜まで人が絶えません。アルバイトの時給も良くないので、年中募集をかけていますがなかなか人が集まりません。その穴を誰が埋めるかというと、私たち社員でした。また、客層も以前働いていたカフェとは違い、お酒を飲んだ後に来られる方、時間に追われている会社員の方が多かったです。そのため、怒鳴られたことは何度もありました。一度、アルバイトの方がミスをしてしまったことが重大なクレームにつながり、お客様のご自宅まで直接謝罪に行くことになりました。当のアルバイトさんは、そのミスをした日から無断欠勤が続き、結局連絡が取れなくなってしまったので私が行くほかありませんでした。お客様は、当人が来ないことで余計に怒りのおさまらないご様子で、「誠意がない」、「店長なのになぜ部下が管理できない」、更には「すべては店長であるお前の責任」とまで言われてしまいました。なんとかご納得していただき菓子折りをお渡ししてご自宅を出ましたが、こらえていた涙が溢れてきて一向に止まりませんでした。
入社前に持っていた「自分の店を開く」という夢も、その頃には無くなっていました。
今は転職して別の仕事をしておりますが、あの頃は本当に辛かったです。もし就職を控えている学生さんと会う機会がありましたら、どんなに輝いて見えてもコーヒーチェーン店の店長になるのは止めておいた方がいい、とお伝えしたいです。