不妊治療の現場で活躍する「胚培養士」という職業がある事を知りました。
胚培養士の具体的な仕事について、不妊治療の現場で日々どのような業務に携わっているのか教えてください。
質問
胚培養士とは、どんな仕事をするのですか?40view
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回答
1件の回答
胚培養士という仕事は、医療従事者や医師でも知らない人の多い大変マイナーなお仕事ですが、近年では少しづつ知名度が上がりつつあります。
私は不妊治療専門クリニックで胚培養士として働いています。主な業務内容は不妊治療の現場において患者様の卵子や精子を採取し、実際に体外で受精操作を行い管理していく仕事です。晩婚化が進み、同時に第一子出産年齢も上昇している現代では非常にニーズが高くなってきています。実際に治療される患者様には30代後半から40代といった方が多いです。不妊治療はだんだんと世間の理解も進み始めている医療行為にはなってきましたが、まだまだ不妊というものは病気ではない、女性側に問題があるといった間違った認識や偏見が多いのも実情です。しかし、不妊の原因は女性側・男性側双方に同程度の
割合で存在しているし、一刻も早い治療が成功率を上げていくものだという認識が広まってほしいと常々思っています。
実際の現場では患者様に接する機会は多くはありませんが、採取した卵子や精子は生命のもととなるものだという高い倫理観が必要とされます。またほとんどの業務は顕微鏡下で行うのでとても繊細な作業を要求されます。また検体の取り違えは絶対に起こってはならないので非常に神経もすり減らす仕事ではあります。
不妊というのは病気ではありませんが、治療には大変な費用と労力がかかります。日本では不妊治療は保険適用にはならず、自由診療です。最近やっと助成金が降りる様になったり、保険適用への動きが出てくるようになったところです。体外受精1回あたりには30万円から50万円かかります。しかも治療は1回では成功せずに何回も繰り返しても結果が出ない患者様もたくさんいます。金銭的な理由で治療をあきらめる患者様もたくさんいます。しかし、回数を重ね、たくさんの費用をかけたからといっても必ずしも妊娠できることを約束はできません。また通院は生理周期に合わせてになるので予測ができず、治療方針によっては連日来院していただく方もします。採卵と言って卵子を採取する手術では女性側にはとても痛みを伴います。また卵子をたくさん採れるようにするための薬で入院するほどの重篤な副作用を起こす方もいます。そこまでしてでも子供がほしいと思って来院される患者様の立場に立って仕事しないといけないと思っています。また不妊治療は日清月歩の分野であり、数年単位で新しい技術が登場しています。日々勉強し、新しい知識や技術を磨いていかなければならないと思っています。
胚培養士の仕事については以上です。何かの参考になれば幸いです。