作業療法士として整形外科に勤務している28歳男性です。
職場に不満があり、今までと全く違う環境で働きたいと思いようになり、精神科病院が気になっています。
精神科病棟での仕事は、今までと違い刺激も多いのではないかと期待しているのですが、実際に働いてみてわかる理想と現実のギャップはどんな事があるのでしょうか?
精神科にお勤めの作業療法士の方、ご経験談を教えて下さい。お願いします。
- 転職ステーション
- 医療・福祉・保健系職種
- 作業療法士
- みんなのQ&A
- 精神科病院勤務の作業療法士の理想と現実って何?
質問
精神科病院勤務の作業療法士の理想と現実って何?261view
最新の専門家コラム
- 40代女性が転職で今後10年20年働ける職場を見つけるには?【リクルート出身者監修】
2022.05.16
- 転職市場で信仰残る「30歳限界説」は今どうなっているか?
2022.04.12
- 合格可能性を上げる「志望動機」の書き方3ステップ
2022.03.08
- 転職エージェントと2人3脚で転職を成功させる方法
2022.02.06
- 会社にバレずに転職活動を行うテクニック
2022.01.07
質問に回答するにはログインしてください。
回答
1件の回答
精神科病院ではリハビリプログラムの一環として精神科作業療法が行われています。プログラム内容の多くが集団で行う内容のものが多く、点数請求の兼ね合いから作業療法士一人に対し25人、2時間(220点)の割合でプログラムを行っています。想像しにくいかと思いますが、イメージとして教室に50人以上の精神科患者を集め数人の作業療法士が一緒に体操をしたり趣味的な活動(塗り絵や編み物、将棋など)を促し2時間その場にいてもらうという状況です。点数請求も多いため、病院としてはたくさんの入院患者に精神科作業療法に参加してもらいたいとの意思があり、患者の状態も気にせず看護師などはとても作業療法が落ち着いて出来ない患者まで強引に参加させようとするケースがみられます。2時間の縛りがあるため、たとえば1時間59分いても残りの1分で患者が暴れたり迷惑行為等で作業療法が行えなくなった場合など点数請求は出来ません。つまり働き損と言っても過言ではないと思います。時間的制限と精神科作業療法という趣味的な活動で治療的な認識がせれていないことがあり、学生時代に習ったような作業療法が行えていな現状があります。
また現在、精神科病院の入院患者を地域の施設、グループホーム等へ退院させ、長期入院を解消させようという流れが進んでいます。ここでの理想として作業療法士の専門性を活かして日常生活面へのアプローチをしていく必要があります。しかし 生活訓練を行うには対象者に密に関わるため小集団のプログラムまたはマンツーマンで関わる必要があります。つまり、大集団で行うことで確保していた病院の収入源を減らしてプログラムを行う必要があります。理想は専門性を出して治療効果を示して精神科作業療法の存在意義を強く指名していくことが出来ればと考えていますが、それは科としての理想であり、病院としては収入減を減らしてまで行うことに対し良く思うはずがありません。実際、当院においても理想はあっても収入の問題で行えていないのが現状です。
日本作業療法士協会では2時間の時間的な制限を1時間にしていこうという働きがありました。しかし現在まで時間の制限は解消されていないのが現状です。一度国会で棄却されたもののあきらめず提案し、精神科病院で働く作業療法士の理想が少しでも叶い、患者に対して治療効果を示していき、良い治療が行えるようしていきたい。現状はとても教科書通りとはいかない状態となっています。
これが精神科病院の作業療法士の理想と現実です。参考になさってください。