税理士法人でも税理士事務所でも、税金に関する相談に応じる、という点では変わりがないと思っています。しかしそれをあえて税理士法人という法人格にする事で、何か大きな意味の違いがあるのでしょうか。
今まで面接に行った、個人で開業している税理士事務所の先生の中には、「給与所得控除が使えるだけで、お客様からしたら別に何も変わらないんだよ。」という話も聞きました。しかし、それだけの理由で法人にしているとは思えないんです。
大きな違いはどこにあるのでしょうか。
質問
税理士法人と税理士事務所の違いはどこにありますか?58view
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3件の回答
税理士法人の方が、内部の棲み分け、いわゆる取り扱う税目ごとに部門を設けていて、一人で一つの関与先の全てを担当するということは少ない傾向にあります。もし、法人の決算やコンサルタント業務、事業承継や相続税の申告まで、税務の一切を自分で経験したいと思っているのであれば、税理士法人よりも個人の税理士事務所の方が適しています。実際に、税理士資格は持っているけれど実務経験はない、そういった人は個人事務所で多くの経験を積む為に選択する場合があります。
先にもお話しした通り、税理士法人へ就職すれば、自分の得意な税法をもとにした仕事を中心にできるという事もありますが、それ以外の経験が少ないので、個人事務所に勤務している人よりも、経験の面で劣るという傾向があります。
しかし、税理士法人の利点は支店が出せるというところにあります。これは、税理士資格を持っているが、なかなか自分が一人で事務所を開業してやっていくには自信がないといった人にはちょうどいい点だといえます。支店なので、ある程度の関与先は持たせてくれます。しかし個人事務所では、自分で関与先を増やす努力をしていかなければなりません。中には独立するときに、自分がご飯を食べる分には困らない程度の顧客を持たせてくれる、といった事務所もあるようですが、これは現在では非常に減ってきています。昔は開業祝、独立祝いの意味を込めて持たせてあげることが多かったのです。その個人で事務所を開業した場合のリスクと、支店で活躍することを比較すれば、一目瞭然で、税理士法人として支店のトップに立つ方が、リスクは少なくて済むのです。
税理士法人には最低でも2名以上の税理士が必要です。ただし最近の特徴として、その税理士事務所の職員が、全員有資格者であるという事も珍しくありません。つまり、税理士法人の方が、税理士事務所よりもレベルが高いといった可能性があります。また、全員有資格者という事になれば、2名以上の税理士を確保することに必死になる必要はありません。
税理士法人を法人格のまま維持するために、最も難しいことは、税理士の人数を維持することにあります。それを無条件にかなえてしまえる方法が、全員税理士資格ホルダーという事なのです。
また、そういった税理士法人には、転職活動をする際にも最低でも4科目に合格しているといった、最低ラインが設けられることが多いのが特徴です。例えば、4科目合格者が来た場合と2科目合格者を比較した場合、あと1科目で税理士試験に合格するといった状況の方が、3科目残っている人よりも早く税理士になる可能性が高いです。それに期待して、4科目ホルダーを採用するのです。
また、レベルが高いゆえに、有資格者でありながら実務経験も持っている、といった人が多いのは予測ができる範疇です。
税理士法人を維持していくためには、関与先を増やすことも大切ですが、それ以上に税理士の人数を確保しなければいけない、という事が重要になってきます。
税理士法人は法人格なのでいわゆる会社と同じです。税理士事務所は、個人で開業されている個人事業主です。どちらも仕事内容は「税務」であり、大きな差が生じるようなことはありません。
しかし、あえて一点挙げるとするのであれば、それは「支店を持つことが出来る」という点ではないでしょうか。支店が持てるという事は、それだけ商圏が広がるという事なので、多くのお客様を顧客にできる可能性を秘めています。また、支店で顧問契約をしている場合であっても、本店知識を必要とすれば、いつでもそこへ赴くことが出来ます。本店と顧問契約していないから、と対応をしないということはほとんどないのです。
例えばよくあるケースで、税理士法人には、顧問契約をしたい顧客様が紹介されやすいといったものがあります。これは、その税理士法人が利用している事務所専用の会計ソフトを提供している会社から、紹介という形でお客様が紹介されます。個人事務所の場合は、家電量販店で購入できるような会計ソフトを利用しているケースが多いので、そういったことも少ない傾向にあります。
このように顧客を増やす手段として、税理士法人の方が有利であることがこれからも分かります。但しどちらの場合も、しっかりとした税金の知識があり、税理士事務所として、本来しなければいけない業務が出来ているからこその話です。