外食産業に正社員として転職します。元々飲食店で接客の仕事をしていましたが、今回正社員として雇用される事となりました。社員として雇用されると見えてくる世界が変わってくると思います。外食産業の正社員ならではの話、あるある話をお聞かせください。
質問
外食産業の正社員ならではのあるある話を教えて下さい!101view
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回答
1件の回答
私が外食業界にて2社20年間勤めた経験から、昨今特に問題となっている長時間労働を含めた外食産業のあるある話を致しますので、参考にして下さい。
まず、外食業界に就職するとすぐに店長の座が見えてきます。未経験者でも早い人で半年程度で店長になれます。外食業界はきつい、汚い、危険の3Kの仕事です。30歳を超えてくると労働時間が長く立ち仕事であるため体にかかる負担がきつくなってきます。また、大抵の店舗では勤務時間が夜までになり、生活リズムが乱れ、食事、睡眠が不規則になり、20代と比べると体力的にかなり厳しい状況に陥ります。高校、大学を卒業して10年経たずにほとんどの人が転職を考えるようになります。そうすると店長の座が空くわけです。企業は新しい人材を店長にするしかなくなり、入社半年の店長が誕生します。
店長職というのは20代の人間にとってはかなり魅力的なポジションです。小さな世界ではありますが、アルバイトを含む自店舗の人事権を持てます。自分の好きなように人材を配置し、気に食わなければ退職をせまることも可能です。他の業界でまだまだ半人前扱いされて、上司の監視のもと仕事している同学年と比べると、自分が非常に恵まれている錯覚に陥ります。また、結果もすぐに反映される世界です。少しサービスのやり方を変える、売れそうなメニューを考案する、といったことで売上、結果がすぐに出てきます。そこにやりがいが生まれてきます。若いうちは給与がそれほど多くなくともやりがいがあれば何とかなります。自店舗の売上を上げるため、利益を残すために店長は必至になって長時間働きます。
ただそれは長く続きません。30代になるとアルバイト、多くは学生の従業員たちとのジェネレーションギャップが生じてきます。そのことにより店舗内で疎外感を感じ始めます。また、30代になると生活リズムの乱れから体がついてこなくなり、若い従業員に体力的に負けてしまいます。そうなると店長への批判が大きくなります。店長はそれに負けじと必死になって長時間、店舗に居続けます。長時間店舗に居続けることだけが従業員に誇れる部分になっていってしまうのです。
このように20代前半から30代半ばまで長時間労働を続けて、運よく数店舗の店長との競争に勝った者だけが数店舗をまとめるマネージャー職に就くことができます。ある店長がマネージャー職に就くことで、他の店長は今まで同レベルでものを言っていた人に使われる立場となります。そこでまた大半の店長は離職します。
この連鎖を繰り返して現在の外食産業は成り立っています。店長職というものがもっと給与も含めた待遇が良きものに変わらなければこの連鎖は続きます。ただ、店長職の給与は1店舗だけの利益から成り立つものですので、限界があります。どこかでこの連鎖を止めることができれば外食業界はもっと楽しくすばらしい職業へと変わっていくことだと思います。